最近は「買い物記録」の様相を呈してきたWeekly SSKなんですが、今回も我が家にやってきた新しいアイテムのお話。実はどのコーナーで取り上げるかしばらく迷っていたんですが、結局「何でもあり」のここで書くことにしました。迷ってしまうというのは、裏を返せばコーナーのカテゴリー分けがうまくいっていないことの現れです。まあ、これまで思いつきで広げてきたわけですから当たり前なんですが。
今回の主役は、この白い箱、ブラザーのMFC-610CLN。この機械を一言で形容するのなら「FAX複合機」ということになるのでしょうか。うちで使っていたコードレス電話機付きのFAXが、連続給紙には必ず失敗するし、出力の感熱ロール紙は紙詰まりするし…と、最近ほとんどFAXとしての用を成さなくなってしまい、修理しても高く付いてしまうので仕方なく買い替えることにしたんです。
これまで使っていたのと同等の商品なら1万円台半ばからあるんですが、店頭で3万円強で売られていたこの製品を見て、その場で購入を決めてしまいました。いつもだと購入前に徹底的に下調べをする私からすると珍しいパターンなんですが、もちろん2倍以上する価格に見合うだけの価値があると認めたからこそ買ったわけです。判断を下すまでに店頭でカタログと説明書をじっくり読んで30分以上かかってしまいましたけどね。
そもそも、FAXというのはファクシミリ(Facsimile;ラテン語で「複写する」を意味する造語だとか)を略してできた言葉ですね。簡単に言えば画像を通信回線に乗せて電送するもので、電話に匹敵するくらいの長い歴史を持ちます。人類が現在のIT社会に向けて踏み出した第一歩だった…と言えるかも知れません。
現在主流であるG3方式のFAXは、画像をデジタル化して取り込み、アナログモデムで変調したデータを電話回線に乗せて転送し、送られてきた情報はプリンタで印刷する…という流れになっています。かつて、たいていのパソコン用のアナログモデムにはFAX機能が内蔵されていたので、パソコンで作った文書を直接FAXで送ることができたんですよね。しかし、ブロードバンドの普及とともにアナログモデムは家庭から姿を消し、かつて密接な関係を保っていたパソコンとFAXは引き離されることになります。
しかし、見方を変えれば、G3 FAXにパソコンへのインターフェースを用意することで、イメージスキャナ、FAXモデム(パソコン文書の直接FAX送信)、プリンタの3つの役目をこなせる可能性があることになります。MFC-610CLNの場合はこれら全ての機能をパソコンに解放し、さらに全てがカラー化されています。しかも、ほとんど全ての種類に対応したメモリーカードリーダーまで装備しています。こうして、パソコンとFAXはより強い結びつきを持って再会したわけです。
MFC-610CLNの魅力はこれだけにとどまりません。パソコンのインターフェースにはUSB以外に100BASE-TX対応のイーサネットポートを用意していますから、LAN上に接続された全てのパソコンでこれらの機能を共有することができます。ひとり暮らしの狭い家で何のメリットがあるの?という話もありますが、パソコンは2台以上ありますからね。接続や設定を変えずに、デスクトップからもノートからも使えるのは便利です。
これまで使っていたFAX(PanasonicのKX-PW10CL2)と比べると、フラットベッドタイプのスキャナが装備されているだけに、本体は格段に大きくなっています。しかし、実際に設置するときに占有するスペースにはそれほど差はありません。MFC-610CLNでは、そのスキャナ部の真下に前面給紙・前面排紙のプリンタ部があるため、筐体の接地面積以外にはほとんどスペースを取らないんです。これはなかなか賢い設計です。
コードレス子機も1台付属しているので、電話機としての使い勝手はこれまで通り。しかも、ナンバーディスプレイ対応になりましたから、発信者の電話番号が画面に表示されます(もちろんサービスの契約は必要)。さらに、本体内の電話帳に名前を登録すればその名前が代わりに表示される…というのはケータイと同じなんですが、電話帳登録もパソコンからリモート操作でできてしまうのでなかなか楽です。
FAXとしても、ごく普通に使うことができます。フラットベッドスキャナなので連続給紙はできないわけですが、複数枚の原稿を送るときには一度全てを本体内に蓄積しますから問題ありません。むしろ、回線占有時間は短くできるようです。着信したものも本体内に蓄積してパソコン画面で見る…という技も持っていますが、そう頻繁に届くものでもないので、そこまですることもないような気がします。
イメージスキャナとプリンタについては、既に単機能機を持っています。これらとはどう使い分けるのか?という問題が出てきます。
プリンタについては完全に棲み分けできる状態だと思っています。MFC-610CLNのプリンタ部は、黒色インクに顔料タイプを採用していて水に強く、しかも印刷速度はPIXUS 990iよりも速いんです。普段はパソコンデスクの下に収納してあるPIXUSと違い、FAX待ち受けのために常に用紙をセットして印刷スタンバイ状態になっていますから、Webサイトの内容をちょっと印刷したりするのには実にお手軽。しかもネットワークプリンタですから、どの端末からでも印刷ができます。しかし、写真印刷をさせれば7色インクのPIXUSに軍配が上がります。年賀状印刷などのここぞという場面ではまだ活躍しそうです。
一方のスキャナは、かなり立場が微妙です。確かに、CanoScan 8000Fには写真フィルムを読み込めるという優位性があるんですが、我が家の写真は既に完全にデジカメ化され、もはや写真フィルムの出番はありません。そうなると…ここはやっぱり売りに出してしまいましょうか。あのときの教訓を元に、ちゃんと外箱は保存してありますし。
これまで我が家の情報ネットワークの中でひとり蚊帳の外だったFAXが、一転してど真ん中に躍り出たことになります。これでシステムとしてはほぼ完成かな?と自画自賛しているところです。残った問題は、玄箱のお茶目な内蔵時計くらいでしょうか。
これまで使っていたFAXが壊れてしまったので、FAX複合機に新調した話です。また無駄な買い物をして…という話も上がりそうですが。
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