CF-R4・実力テスト(2)

第4時限:Futuremark 3DMark2001SE/03/05

前回からの続きで、CF-R4の実力テストです。次は、915GMSチップセットでの強化点の一つである統合ビデオ機能の実力を見るために、3次元リアルタイムCGのベンチマークを試してみましょう。といっても、OpenGLについては前回のCrystalMark 2004で一応テストされているので、ここではDirectXへの対応を中心に見ていきます。それでは、いきなり手加減なしで定番のアレから行ってみましょうか↓。

Futuremark 3DMark Series
Machine 3DMark2001SE 3DMark03 build340 3DMark05 1.1.0
CF-R2A 1654 起動せず 起動せず
CF-R4G 3522 819 205
自作機 12599 6811 2752

Futuremarkの3DMarkシリーズといえば、DirectX系3次元CGの能力を測る超ヘビー級ベンチマークソフトとして有名ですよね。ビデオプロセッサの猛烈なスピードの進化に合わせて、3DMarkも年々負荷の大きなプログラムになっています。毎回新作がデビューすると動作のあまりの重さに理不尽さすら感じますが、それほど時間をおかずにそれを軽々と動かす製品が登場するのは驚きですね。

3DMark2001SEでの結果を見ると、CF-R4GはCF-R2Aの2倍以上のスコアを示し、この部分での能力向上が大きいことがわかります。しかし、それよりも重要なのは、CF-R2Aでは起動すらしなかった3DMark03や3DMark05でも、CF-R4Gではスコアはともかく全てのテストをこなして完走することです。これは、最新のDirectX9の仕様に対応できる機能を持っているということ。915Gxシリーズでは、Pixel Shader部はハードウェア実装されているものの、Vertex Shader部はCPUによるエミュレーションらしいんですが。

来年中には登場するかも知れない次期Windowsの「Windows Vista」(これまで「Longhorn」と呼ばれていたモノですね)では、画面描画は基本的にDirectX9のインターフェースで行われる(「DirectX」の名前自体は変わるようですが)ことになっているそうです。そのころまでは、私のモバイルライフはCF-R4Gで何とか生き延びられそうですね。ときどき思うことですが、「できるか、できないか」は、しばしば「速いか、遅いか」よりも重要な差になります。

第5時限:PostPetMark 1.11 & Final Fantasy XI Official Benchmark 3

PostPetMark 1.11
CF-R2A 2258
CF-R4G 2788
自作機 2909

もう少しお手軽な3次元CG系ベンチマークもやってみましょう。まずはOpenGLベースのPostPetMark1.11です。既にCF-R2Aでも快適に動作するレベルでしたから、今更テストというのも…という感じなんですが、スコアは確実に上がっています。

ただ、それよりも気になるのは、このベンチマークの目的でもあるメールソフト・PostPet V3では、ときどき異常な影が発生するなど画面表示が崩れる現象が見られること。PostPetMarkでは全然そんな兆候は見られなかったんですが…。ベンチマークはスピードを見るだけでなく、こういう動作テスト用のものの場合は正常に動作するかを見る方がむしろ大事ですよね。まあ、設定で影の生成方法を単純化すれば問題は起きないんですが。

Final Fantasy XI Official Benchmark 3
Machine Low High
CF-R2A 起動せず 起動せず
CF-R4G 2006 1289
自作機 4979 3222

もう一つ、DirectX系のゲーム動作確認用ベンチマークとして、Final Fantasy XI Official Benchmark 3を試してみました。これも、CF-R2Aでは一応最低動作条件は満たしていると思われるのに起動しませんでした。3DMarkのときも同じことが起きましたが、DirectXのバージョンが問題だったのか、それとも最大VRAM容量の問題だったのか。CPUパワーの問題もあるのかも知れません。

CF-R4GのLowモードで出てきた2006というスコアは、運営元のPlay Onlineで「FINAL FANTASY XI for Windowsをデフォルト状態で快適に動作させることのできるマシンだと予想されます。天候などのエフェクト表示をオンにしても、問題なくプレイすることが可能でしょう。」という「おなつよPC」にランクされます。あとは広帯域の常時接続回線さえあればどこででもFF11がプレーできる…ということになりますね。それにしても、「おなつよ」ってどういう意味なんでしょうか?

第6時限:WinDVD5 Platinum

WinDVD5 Platinum
Machine + Drive 推定再生時間(残量5%まで) 平均消費電力(W)
CF-R2A + KXL-CB35AN 2時間15分 13.74
CF-R4G + KXL-CB35AN 4時間15分 12.89
CF-R4G + KXL-CB45AN
(通常モード)
4時間15分 12.90
CF-R4G + KXL-CB45AN
(省電力モード)
4時間30分 12.18

最後に、バッテリーでの動作時間を評価するために、DVDビデオの連続再生を行いました。以前調べたように再生できなくなるまで待つのはあまりに時間がかかるので、1時間弱のミュージッククリップDVDを最後まで再生した後に、バッテリーの残り容量をCF-R2Aのバッテリー劣化を見るのにも使ったMobileMeterを使ってチェックして、バッテリーの劣化分を補正しています。

DVDの再生に同じKXL-CB35ANを使って比べると、バッテリー残量が5%になるまでの推定再生時間は、CF-R4GでCF-R2Aの2倍近くになっています。もちろんバッテリー容量が違うのが最大の要因なんですが、これを平均消費電力で比較してもわずかにCF-R4Gの方が低くなっています。光ドライブを新機種のKXL-CB45ANに換えてもほとんど変わらなかったんですが、KXL-CB45AN底面のディップスイッチで「省電力モード」を有効にするとさらに消費電力が下がりました。省電力性能はやっぱり総合力です。

Sonomaプラットフォームの採用は消費電力面で不利だと言われていた中で、レッツノートは従来機種よりもさらに消費電力を下げてきたことになります。開発陣の皆さんの、省電力化への執念を見た気がしました。

まとめ:1.5倍×2倍=3倍?

前回から、新しいレッツノート・CF-R4Gの実力テストということでいろいろと試してきました。処理速度について見ると、CF-R2Aと比較して1.4~1.5倍程度の能力を持っていると判断して良さそうです。Super πの結果にはびっくりしましたが、おそらくあれはL2キャッシュの容量差が大きく効いてきているのではないかな?と思っています。NorthwoodコアのPentium 4と比べると、4倍多いわけですからね。というよりも、CF-R4Gが自作機を上回るポイントはそこしかありませんから、要因を他に考えようがありません。

バッテリー持続時間については、今回のテストではレッツノート単独の消費電力はわからないのですが、CF-R2Aのほぼ2倍の時間使えることは間違いなさそうです。ということは、バッテリーで使っている間に1.5倍×2倍で3倍の作業ができることになりますね。…もちろん、人間の側がそれに追いつければ、の話なんですが。

前回から1週間以上経ってしまいましたが、実力テストの後半戦です。3次元CGのテストで示されたように、「速くなったこと」よりも「できること」が増えているのが、新レッツノート…というよりもSonomaプラットフォームの特徴の一つといえそうですね。ノートだから、モバイルだからという妥協はそこにはありません。


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