昨日・13日は、大阪に出かけてきました。大阪の街は、昨年11月に友人の結婚式に出たとき以来約9ヶ月ぶりになります。学生時代を関西で過ごした私にとって、大阪はある種の懐かしさを感じる街です。人々の心の温もりが、そのまま伝わってくる気がして好きですね。同じ関西でも、丁寧な柔らかい物腰ではあるものの、どこか余所余所しさを感じることもある京都とは対照的です。
今回の大阪での目的は、ミュージカルを見に行くこと。大阪四季劇場で公演中の「マンマ・ミーア!」です。劇団四季は2週間前に名古屋で「ライオンキング」を見たばかりなんですが、今回はこれとは全然別のルートからチケットをいただいて(もちろんタダで貰ったわけではなく1万円ちょっとで買いましたが)、SSK WorldからWebサイトにリンクもしているかばさんとご一緒しました。浜松から大阪までは新幹線を使えば2時間以内。こんな時期で大混雑が予想されたので、2週間くらい前に指定席券を往復分購入しておきました。
ちなみに、この大阪四季劇場があるのはJR大阪駅から歩いて5分弱のところに昨年オープンしたばかりの複合商業施設・ハービスENTの中。エレベータで7階まで上がると劇場のエントランスがあります。
JR大阪駅周辺・梅田地区は最近再開発でこうしたビルがいくつも建てられて、一種未来的な雰囲気を醸し出しています。大都市のターミナル駅の真ん前の再開発…としては、東京・丸の内とちょっと似た雰囲気がありますね。ビルの内外のデザインを見ると実に洗練されていて、「浜松って田舎だなぁ」と思いっきり再認識させられます。
「マンマ・ミーア!」に使われている楽曲は全て、1970年代後半に世界中で大ヒットを飛ばしたスウェーデンの4人グループ・ABBA(アバ)の作品です。彼らのベスト版「GOLD」を安い輸入盤で買ってきて予習しました。私にとっては小学生になるよりも前の曲ばかりなんですが、耳に覚えのある曲が結構ありました。それだけ作品の質が高かったということなのでしょう。これが、私より一回りくらい年上のかばさんにとっては青春時代ど真ん中の思い出の曲…ということになるわけですね。この曲をモチーフに組み立てられたストーリー自体も、70年代にABBAとともに青春時代を駆け抜けた男女とその娘世代のカップルを軸に流れていきます。
「『ライオンキング』とは全然違うよ」と聞いていましたが、私の感想を一言で言うなら、これは「オトナのミュージカル」です。「ライオンキング」だって、決してお子様向け限定のテーマではないと思うんですが、「マンマ・ミーア!」ではあからさまにセックスを連想させるくだりが随所に見られたりして、子供たちに説明するのには苦労しそうです。だいたい、「子供の父親が3人のうち誰だかわからない」という時点でかなりとんでもない設定な訳で。
そういう直接的な問題に限らず、娘を嫁に送り出そうとする母親と3人の「父親」の想い、そしてそれ以前にやっぱり男と女である彼らの絡み合ったりすれ違ったりする気持ち…これはもう大人にしかわからない世界です。それどころか、結婚した経験のない私にとっても、おそらくこの作品が伝えたかった思いは受け止め切れていないような気がします。将来的に、もし私の周囲の状況が何か変わったら、また5年か10年後くらいに見てみたい気がしました。
「ライオンキング」のときと比べると、観客席の反応は非常に良かったですね。曲間の拍手も、最後のスタンディングオベーションも、十分に堪能できました。楽曲が全て観客にとって懐かしい思い出の曲であることも、当時ディスコ・ミュージックと呼ばれたノリの良い曲が多いこともあると思いますが、それよりも大阪の人たちのもともと持っているノリの良さが出ている気もします。
ところで、先ほどの大阪四季劇場・ハービスENTを撮った写真が、かなり高い場所から撮られていたことにお気づきの方も多いかと思います。あの写真は、梅田スカイタワーの空中庭園から撮影したものです。ハービスENTからだと歩いて10分弱。梅田の街からはちょっと外れたところになります。
私が京都に住んでいた頃の1993年に完成したもので、2本の高層ビルの最上階部分がつながった構造になっています。この「空中庭園」は、地上で組み立てられてからクレーンで上までつり上げて接合する…という、当時としては珍しい工法で作られています。東京で1日のうちに東京タワーと東京都庁、サンシャイン60を回ったことがあるくらい高いところは大好きな私ですから、当時から是非行きたいと思っていたんですが、今まで来る機会がありませんでした。
空中庭園の売りの一つは、高さ170mの屋上に出られる屋上展望台なんですが、残念ながらこの日は悪天候により閉鎖中。屋内展望台からの眺めも視界があまり良くなかったので消化不良気味でした。ただ、意外に面白かったのは空中庭園の内側から真下をのぞき込んだ景色。そのまま落ちていきそうな感覚に襲われます。展望階へのエレベーターがツインタワーの間に設置されていたり、斜めにエスカレーターが走っていたりする構造も面白いですね。
ビル内には飲食店街なども整備されているので、ちょっと駅から遠いことを我慢すれば、なかなか楽しいデートスポットだと思います。かば姉さんとだと、一緒に映画を見に行くなど何度デートしても噂にも上らないわけですが、次は噂になりそうな人と来てみたいものです。そのときのために現在の梅田最強のシンボル・HEP FIVEの観覧車にはまだ乗らずにいますし…って、このままでは観覧車はいつの話になることやら。
大阪に劇団四季のミュージカル「マンマ・ミーア!」を見に行きました。来月には東京に「オペラ座の怪人」を見に行くのも決まっていますし、今年はすっかり劇団四季づいています。本来、こんなに簡単にどんどん見られるものではないと思うんですが…幸運な巡り合わせに感謝しています。
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