映画館で見る意味

今年を「もっと映画館を好きになる年」と位置づけて足繁く映画館に通ってきた私なんですが、8月になってからまだ一度も映画館に足を運んでいません。ノルマ達成の危機?…まあ、今月はまだ10日残っていますから、全然焦っていないんですけどね。どれを見に行こうか、ちょっと迷っているところです。

今年は今のところ17回映画館に通い、16本の作品を見てきました。ここでちょっと実績をおさらいしておきましょう↓。

1月:「ターミナル」「カンフーハッスル」「レイ」
2月:「オペラ座の怪人」「アレキサンダー」
3月:「シャーク・テイル」「ナショナル・トレジャー」
4月:「オペラ座の怪人(2回目)」「ローレライ」
5月:「Shall we Dance?」「キングダム・オブ・ヘブン」
6月:「電車男」「戦国自衛隊1549」
7月:「逆境ナイン」「スターウォーズ・エピソード3 シスの復讐」「宇宙戦争」「亡国のイージス」

改めて並べてみるとなかなか壮観ですね。当初の方針通り、人気作をいろいろと、ジャンルにこだわらず…というスタイルで見て来られたのではないかな?と思います。ただ、やっぱり基準が「私自身が見てみたいと思ったもの」である以上、どうしてもジャンルの偏りは出ています。例えば、ホラー作品は一つもありません…これは「オペラ座の怪人」や「宇宙戦争」あたりをどう位置づけるかにもよるわけですが。年末には「今年見た映画BEST10」を独断と偏見の元に作ってみようかと思っています。どんな結果になるか今から楽しみです。

ただ、月に2本というのは一般的にはかなりのハイペースだと思うわけですが、それでも見たかったのに見られなかった…という作品が結構ありました。そのうち見に行こう…と思っているうちに上映が終わってしまった作品がいくつかありましたし、浜松市内で上映している映画館がなかったため、遠くまで見に出かける時間が作れずに結局…ということもありました。でも、これ以上たくさん見ようとするとさすがに時間が足りません。もちろん「時間は作るもの」でもあるわけですが。


一昨日・19日に、4月に見た「ローレライ」のDVDが発売になりました。来週・26日には、2度も映画館で見てしまった「オペラ座の怪人」のDVDも発売になります。映画館で人気のあった作品は公開から半年くらいでDVD化されることが多いような気がします。映画館の感動が冷め切らないうちにDVDを売ろうとするマーケティング上の思惑が見えます。マーケティングと言えば、続編が映画館で封切られる直前に前作のDVDを発売する…というパターンも結構多いですよね。

ところで、洋画の場合、普通は「原語版+字幕」と「日本語吹き替え版の両方で楽しめることが多いんですが、さすがに「オペラ座の怪人」のDVDには日本語吹き替え版トラックはありませんでした。何しろ台詞のほとんどが歌になっている作品ですから、これを日本語の歌で吹き替えるとしたらとても大変なことです。もう1本映画を撮る並の労力が必要かも知れません。まさか劇団四季でやってもらうわけにもいかないでしょうし。

ともかく、これだけ早くDVDが発売されると、わざわざ映画館に行かなくても半年待てばDVDが出るじゃないか…という考え方もできます。たいていの場合、販売と同時にレンタルも始まりますから、映画館で見るよりもずっと安価に楽しむことができます。


それでも映画館に見に行くのは何故か?…理由は3つあると思っています。まず、一番大きいのはやっぱりハードウェアの差。いくらホームシアターが普及しているとはいえ、映画館の巨大なスクリーン、優れた音響設計と張り合うだけのものはそう簡単には用意できません。また、DVDの画質そのものも、どうしても映画館で上映される映像のクオリティには及びません。特に長時間の作品の場合には、場面によってMPEG2圧縮特有のノイズが気になることもあります。

当たり前のことですが、映画館の方が新作をより早く見ることができる…というのも重要なポイントです。今のように映画館に通うようになる前はあまり感じなかったんですが、やっぱり私は基本的に新しもの好きなんでしょうね。それに、DVDの価値は単に安く見られると言うだけではなく、むしろ特典映像が見られることにあると思っていますから。そんなせいか、最近はレンタルDVDを借りてくることがなくなりました。早く見るか、特典映像を楽しむか…という感じです。

そしてもう一つ。たくさんの人が映画館で一緒に見ている…という雰囲気が好きですね。自宅でひとりでDVDを見る方が確かに落ち着くとは思うんですが、見ている人たち全員がスクリーン上の物語に集中して、しばしば固唾をのんで成り行きを見守るあの緊張感がたまりません。横ですすり泣きが聞こえたり、ときにはマナーの悪い方に閉口することもあったりしますが、それもいろいろな人たちが集まっているからこそ。ミュージカルでは毎回の公演で全てが変わるわけですが、毎回同じものが流される映画でも観客は毎回違います。観客が作品の一部になっていることは変わらないのではないでしょうか。


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