日本プロ野球の日本シリーズは(って、こう書き並べると何か変な感じですが)、昨日・22日に開幕しました。昨日の第1戦では、前代未聞の「濃霧コールド」で、千葉ロッテマリーンズが阪神タイガースを下しました。もちろんテレビで観戦していましたが、打球がスタンドインしたのかどうかが目視で確認できないくらいのとんでもなく濃い霧でした。
いつもなら強風がしばしばプレーを邪魔する千葉マリンスタジアムですが、この日は風が止まってプレーを邪魔しました。皮肉なものです。だいたい、マリスタではこの時期に野球なんかしたことがなかったでしょうからね。まさに想定の範囲外の事態でした。もしかして、これは勝利の女神が吹かせた「逆神風」?と思ったりもします。
想定の範囲外と言えば、これまで接戦を勝ち抜いてきたマリーンズが、2試合連続で2ケタ得点を挙げる猛攻で勝ってしまったのもびっくり。まあ、打線は水物ですから、明後日からの甲子園球場でもどうなるかわかりません。シリーズ記録の8打席連続ヒットを続けているマリーンズ・今江敏晃選手は、お立ち台で「タイガースは本当はこんなものじゃないと思っています」と話しました。その気持ちを忘れずに戦い続ければ、31年ぶりの日本一はきっと彼らの頭上に輝くはずです。勝って兜の緒を締めよ。
日本シリーズを戦っている両チーム以外では、来季に向けての動きが始まっています。既に5球団が新しい監督を迎えることが決まっています。優勝できなかった責任を一身に背負ってクビを切られなくてはならないのは、監督の悲しい宿命ですね。敗軍の将、兵を語らず。
今季、堀内恒夫監督の下で「史上最低」とも言われるシーズンを送った読売ジャイアンツは、一昨年まで指揮を執っていた原辰徳氏を再び迎えました。一時は、タイガースのシニアディレクターを務める星野仙一氏を狙っていたわけですが、見事に振られて方針転換。さすがのジャイアンツでもそこまで思い通りに事が運ぶわけではありません…というより、そんなイタい勘違いをしているのはもはやジャイアンツの経営陣のみだと思うんですが。テレビ中継の視聴率もどん底です。
原新監督の就任記者会見を見る限り、一度はあんなひどい仕打ちで追い出されたのに、彼の「ジャイアンツ愛」は未だ健在のようです。一見実に非論理的に思える「愛」というキーワードですが、一方でそれは人間の最大のエネルギー源の一つでもあります。愛の力でジャイアンツは変われるのか?…ちょっと注目してみましょう。あまりに弱すぎるジャイアンツもつまらないですから。
新規参入1年目を、大方の予想通りのどん底の成績で終えた東北楽天ゴールデンイーグルスは、田尾安志監督を解雇し、智将・野村克也氏を迎えます。以前から何度も主張しているとおり、私はイーグルスの監督交代には反対の立場だったんですが、替わってしまったモノは仕方ありません。きっとイーグルスの応援はし続けると思います。
報道によると野村氏は3年契約だとか。まあ、それを言うなら田尾前監督も最初は3年契約だったわけで、好成績が残せなければ契約期間中でもクビを切られるかも知れないことは既に実例で示されています。並々ならぬプレッシャーが掛かっていますよね。野村氏は「いきなり優勝しなければならないなら監督は受けない」と話したそうですが、冷静にあのチームの現状を見れば当然の指摘です。3年もあれば、チームの形は何とかできあがり、プレーオフ進出争いくらいなら出来るようになるかも知れません。ただ、野村氏で3年待てるくらいなら、何故田尾氏で3年待てなかったのかなぁ…やっぱり未練が残ります。
ところで、イーグルスのオーナーである楽天は、現在TBSへの経営参加を目論んでいます。TBSは、横浜ベイスターズの親会社でもあります。つまり、楽天がTBSの株式を買い進めることで、楽天は間接的に2つの球団のオーナーになってしまうことになり、これは野球協約違反になります。
協約違反となれば他球団から非難されるであろう事は、ちょっと考えればすぐわかることのはずなんですけどね。田尾監督の解雇といい、誰かミキティの暴走を止める名参謀はいないんでしょうか?…って、そもそも三木谷社長にこんな不似合いでお茶目なニックネームを付けたのは誰なんでしょうか。どう考えても、彼がスケート靴を履いて氷上を舞う姿は想像できません。
そして、ヤクルトスワローズは古田敦也氏に監督を任せます。彼は、監督であるとともに捕手として現役も続行します。彼の師匠でもあり、先にも名前が挙がった野村克也氏以来29年ぶりの選手兼監督…プレイイングマネージャーです。
プレイイングマネージャー・古田の誕生は、球界に話題を提供し、ファンの増加に貢献しそうです。しかし、心配なのは労働組合である選手会との関係。管理職である監督は労働組合には加われませんから、彼は今まで務めた選手会の会長を辞めなくてはなりません。近年のプロ野球界の改革が、彼の強力なリーダーシップの元に進められてきたことは誰もが認めるところだと思います。果たして、彼の後継として選手会を引っ張れる選手はちゃんと育っているのでしょうか?…非常に心配です。
そして、実は結構ややこしいのがプロ野球のルールとの関連。現在、試合進行の迅速化のために、ピッチャーマウンドへ歩み寄る回数が制限されていますが、監督と捕手では回数がぜんぜん違います。果たしてどちらの立場を適用すればいいのか?…詳しくはこれから決めることになるようです。実は、投手の側からしても、ホームベースから自分のところに歩み寄ってくるのが捕手なのか監督なのかは大違いです。ピンチで自分を励ましてくれるのか、それとも投手交代なのか。スワローズの投手陣はこれまでとはちょっと違った緊張感に悩まされるのかも知れません。
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