映画「シンデレラマン」を見に行きました。10月1本目、今年20本目の新作映画になります。今回の上映もTOHOシネマズ浜松のプレミアスクリーンでしたが、前回とは違い、それなりにたくさんのお客さんがいました。まあ、見に行ったのが夜だからだとは思うんですけどね。
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「シンデレラマン」は、1930年代、大恐慌時代のアメリカで活躍した実在のボクサー、ジム・ブラドックを描いた作品。どん底の生活から世界チャンピオンに上り詰めるわけですが、彼は勝利の栄誉のために戦っているわけではなく、ボクシングものにありがちなハングリー精神を前面に出した姿も見せません。彼は、家族そろっての平穏な暮らしを守るためにリングに上がります。彼にとっては、そのための仕事がたまたまボクシングだった…というだけのことなんですね。ハリウッド定番とも言える「父親の家族愛」物語です。それにしても、「カネのために戦う」と公言して、これだけカッコ良く映ってしまう男も珍しいです。
美しく感動的なストーリーではあるとは思いますし、特にジムの妻・メイを演じたレネー・ゼルウィガーの演技が印象的でしたが、実話を元にした映画のはずなのに、不思議なくらいリアリティを感じない作品でした。さすがはおとぎ話の主人公に例えられた男の物語…ということかも知れませんが。
早くも「アカデミー賞最有力候補作」と呼ばれていますが、かつてオスカーを取ったことのある監督、俳優、スタッフたちが、再びの栄誉をかなりあからさまに狙っている作品のようにも見えてしまいます。まあ、ふたを開けてみるまでは誰が取るのかわからないのが賞取りレースで、自他共に認める本命が結局は落選したりもするわけですが。
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