水曜日・11月2日に、槇原敬之のニューシングル「ココロノコンパス」が発売されました。力強さを感じさせるポップなナンバーです。前奏などでのちょっぴりカントリーテイストの入ったストリングスの使い方は、英語作品の「COWBOY」からときどき使われる彼の代表的なアレンジの一つですね。今回は、さらに強力なビートの上で軽やかに流れています。
さらりと聴くと心地よい曲なんですが、歌詞を読み直すと印象はガラリと変わります。アルバム「太陽」以来彼の歌い続けた、自分自身の生き方に対する真摯な問いが、1コーラス目の冒頭からストレートに私の心にもぶつかってきます。「誰かのために何かをするのは難しい」…最近そう感じることが結構多いです。何かしてあげたいのに、何をしたらいいのかわからない。相手の気持ちを全て見透かせるわけではありませんから、結局は自分の信じたとおりにするしかない…ということなのでしょう。
ただ、「誰かの喜びが自分の喜び」だとしても、それは誰かの喜ぶ顔を見て自分が嬉しくなれるから頑張ってしまうわけで、結局自分自身のために頑張ってることになるんですよね。…そんなことも考えると、頭の中をいろいろなものがグルグルと回り出してしまいます。そんな問いへの一つの答えを、これだけポップな曲の上に載せてしまう彼からは、一種悟りの境地を感じます。
そんな新作が発売された11月2日に、私は彼の歌をCDからではなく直に聴きに行くことになりました。先にもご案内しましたが、この日、名古屋・レインボーホールで行われたコンサート「cELEBRATION 2005 -Heart Beat-」です。槇原敬之とフルオーケストラ、さらに合唱団とのコラボレーションで昨年日本武道館で初めて行われたコンサート「cELEBRATION」が、今年は4都市8公演のツアーに出ています。
以前から「槇原敬之は最も影響を受けたアーティストだ」と公言しているにもかかわらず、実は私はこれまで彼のライブに一度も出かけたことがありませんでした。もちろん行きたいとは思っていたのですが、かつてはチケット代の高さに腰が引け、最近になってちょっと経済的余裕が出てきてからも、ちょうど他の用事と重なってしまったり、チケットが手に入らなかったり…と、行く機会がありませんでした。
そんな私にとって、今回は生まれて初めての「生マッキー」ということになります。しかも、普通のバンドによるライブではなく、総勢200人近いメンバーによる常識はずれのスペシャル企画です。もう楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。前日は興奮のあまりなかなか眠れなかったくらいです。
今回出かけるきっかけになったのは、9月のある朝のこと。何気なく新聞を読んでいたら、テレビ欄の下あたりにあるコンサートのチケット販売広告の中に、名古屋公演の電話特別予約の案内があったんです。普段はあまりじっくりと見ない場所なんですが、何か不思議な引力が働いたのでしょうか。今回ここで広告を見つけてしまったのも何かの縁。申し込んでみよう!と思いました。
でも、一人で行くのも寂しいなぁ…と思い、ふと思い出したのがWeekly SSKでも既にお馴染みの顔となりつつある(?)かば姉さんのこと。そもそも、彼女とは槇原敬之のファンであることがわかったのをきっかけに意気投合してしまった…という経緯がありますから、誘えばきっと一緒に行ってくれるだろうと思い、その場でメールしてみました。
返事は2、3分後に「行きたい」との即答。そこから電話かけを始めたところ、祝日の3日の公演は既にSOLD OUTとなっていたので、平日ではありますが2日公演のS席を2枚確保しました。こうして、8月の大阪以来の凸凹珍道中が決まったわけです。翌日、職場に強引に有給休暇をねじ込んだことは言うまでもありません。
かば姉さんは、既に槇原敬之のコンサートには何度か出かけたことがあるのだとか。それどころか、かつて某アーティストの私設ファンクラブを引っ提げて追っかけをしていたという、筋金入りのライブの大先輩です。私が最初にびっくりしたのは、届いたチケット(とはいってもチケットぴあのオンラインチケットですから、自分でファミリーマートに受け取りに出かけたんですが)の座席番号を聞かれて、「確か、入り口の反対側の席ね」と即答されたことでした。
また、レインボーホールの真ん前・笠寺駅から浜松まで帰れる最終電車の時刻もしっかり把握されていて、「アンコールは出口に向かいながら聴かなくちゃならないかも」なんて話もしました。結局、会場には私の車で向かうことになったので、終電の心配をする必要はなくなったんですけどね。ルートとしては「ライオンキング」ツアーの通り道の途中ですから、下調べはほとんど要りませんでした。
さらには、「ライブの楽しみ方」までレクチャーされてしまいました。まあ、基本的にはライブの雰囲気を思いっきり楽しめ!ということなんですけどね。要所で立ち上がって声援を送るのは当たり前のことです。今年は、私も音楽のコンサート以外なら結構ライブを見ていますから(3本もミュージカルを見てるのは異常だと思いますが)、観客が場を盛り上げる大切さは理解しているつもりでした。
東名高速から伊勢湾岸道、名古屋高速と走り、レインボーホールに到着したのは午後3時過ぎ。さすがにこれだけ早い時間だと、レインボーホールすぐ脇の駐車場がまだ空いています。1回500円なら駐車料金も安いものです。開場までの待ち時間に、車内で昨年の「cELEBRATION」ライブDVDを見て予習をしておきました。どんな風に進行するのか、雰囲気を掴むことが出来ます。まあ、同じ曲が演奏されることは少ないと思ってましたけどね。
開場時間を見計らって、5時少し前に車を出ました。いよいよ初めての生マッキーとご対面…ということになるわけですが、ここまでの話があまりに長くなってしまったので、続きはまた回を改めてということにしたいと思います。まさか、今日の記事のうちに会場に入ることすらできないとは…。
11月2日に出かけた槇原敬之シンフォニーオーケストラのツアー「cELEBRATION 2005 -Heart Beat-」名古屋公演のレポート…になるはずだったんですが、あまりに書いておきたいことが多すぎて、結局会場に入る前の話までで終わりにしてしまいました。実際のライブレポートはまた回を改めて…ということにしますので、しばらくお待ちください。
コメントを残す