超てんこ盛りケータイ

N900i(左)とP902i(右)

想定内の選択

前回、FOMA N900i(写真左)を修理に持ち込んだものの「水濡れ」で門前払いにされてしまった私。機種変更しか手がなくなった以上、せっかくだから最新型に換えてしまおう…ということで、結局選んだのがP902i(写真右)でした。902iシリーズが発表になったときから一番気になっていた機種でしたから、アクシデントから購入を決めたという事情はあるものの、十分に想定内(笑)の選択でした。

P902iの「P」はPanasonicの「P」。レッツノートでもお馴染み、松下電器製の端末ですね。このコーナーが始まって以来ずっとNEC製の「N」シリーズを使い続けていた私ですが、実はその前に使っていたのは松下電器製のP207。5年ぶりに「P」に戻ってきた…とも言えますが、その感覚は全然ありませんね。何しろまだケータイが単なる携帯電話機だった時代の話ですから。

「12月6日に店頭に登場する」との情報を掴み、早速先日出かけたばかりの近所のドコモショップで予約。当日のうちに手に入れました。実は、実働機を見ずにケータイを買ったのはこれが初めて。必要に迫られていたとはいえ、実に私らしくない行動パターンです。まあ、各所の記事やモックアップ展示の確認など、下調べはかなりしたつもりだったんですが。

画面サイズの比較、スピーカー位置にも注目 : N900i(左)とP902i(右)

ちょっと使ってみただけで気が付いたのが、液晶画面のサイズの差。解像度は240×320ピクセルのいわゆるQVGAで同じなんですが、2.2型だったN900iに対してP902iは2.4型…と約1割大きくなっています。基本的に同じ流儀でソフトウェアが作られている(NECと松下電器はケータイのソフトウェア開発では業務提携関係がありますからね)ので、当然表示されている文字も約1割大きくなっています。少しの違いですが、視認性がずいぶん上がります。…私はまだ「はなせばわかる」世代ではないはずですが。

実は、もう一つ気が付いた…というよりも気になったのが、受話器のスピーカー位置。先の写真を見直してほしいのですが、N900iでは液晶画面すぐ上の横長の穴、中心線上にに受話スピーカーがあります。これに対して、P902iの受話スピーカーは液晶画面上部にある小さい方の穴。中心から微妙に左にオフセットされています。これが、今まで通りのつもりで電話機を耳に当てたときに、耳がスピーカーの位置から外れて聞こえにくくなってしまう…という影響になります。裏を返すと、それだけスピーカーの指向性が高いということ。携帯電話のアメニティを考える上で重要な性能です。

…使い切れるのか?

P902iを選んだ最大の理由は、その多機能さ。900iシリーズの登場から2年が経ち、ただでさえFOMAに出来ることは格段に増えています。非接触ICカードを内蔵して、電子マネーや会員証などの様々なサービスが利用できるようになる「おサイフケータイ」、パケット通信により最大5人と半二重方式で会話が出来る「プッシュトーク」、定期的に情報がどんどん送られてくるプッシュ型情報提供サービスの「iチャネル」、サラウンド機能も備えた着信音等再生用のステレオスピーカー…と、挙げればきりがないんですが、特にP902iには他の902iシリーズでもできないような隠し芸がいくつかあります。

P902iならではの最大の「看板」だと思っているのが、Bluetooth(ぶるーとぅーす)の搭載。近距離の無線通信でデバイス同士を簡単に接続できるBluetoothは、既に90年代後半からあった規格なんですが、ここ1、2年でようやく巷でも認知度が少しずつ上がってきたような気がします。携帯電話では、ワイヤレスのハンズフリー機器の利用や、パソコンと接続してのデータ通信への利用が想定されています。車の中にP902iを持ち込めば、特別な操作やケーブルの接続は全くなしにすぐハンズフリー通話が使える…なんて芸当も可能です。

miniSDカードスロットを徹底的に活用するのも特徴です。ここに、内蔵カメラで撮影した写真だけでなく、CDから取り込んだりネット購入したりしてパソコン経由で取り込んだ音楽データを保存して、ポータブル音楽プレイヤーとして使える…というのはもはや当たり前。ダウンロードしたiモードコンテンツやiアプリのスクラッチパッド領域までもminiSDカードに保存することが出来ます。これだけ多くの使い道があることを考慮してか、最大1GBのものに対応という豪気な仕様になっています。松下電器の純正品はまだ販売されてないのに…。

これだけ多くの機能を備えていると、それを使いこなせるのかどうか非常に不安です。マニュアルの厚さも例によって1cm以上あります。それでも、せっかくなのでいろいろ試してみようと思っています。。もうずいぶん前、N504iSを買ったときに「てんこ盛りケータイ」と形容しましたが、P902iには勝手に「超てんこ盛りケータイ」の称号を与えることにしましょう。

きれいなケータイは、好きですか。

これだけの多機能を、最初の写真の通り比較的コンパクトなサイズに納めているところもP902iの魅力です。手に取った感触では、N900iとほぼ同じ大きさ。カタログ上では厚みがずいぶん違うんですが、これはN900iが曲面を多用したデザインになっているのに対して、P902iは平らで薄いことによるものでしょう。重量も110g台中盤でほぼ同じです。

カスタムジャケットを外す

デザイン面ではもう一つ、P900iから続いている着せ替えパネル・「カスタムジャケット」も特徴になっています。付属のドライバーでねじ4本を外せば、自分で簡単に交換することが出来ます。カスタムジャケットを外した状態の「ノンジャケスタイル」も、表面がヘアライン仕上げされていてなかなか高級感があります。ノンジャケスタイル用の飾りねじ(ねじ穴を塞いでおく;長さがジャケットの厚み分違います)も標準で付いてくるところは、なかなか芸が細かいですね。

息をのむイルミネーション

カスタムジャケットの持ち味は、着信時などにLEDを点灯させたときに発揮されます。私の購入したシルバーの端末に標準で取り付けられた「クールグラス」では、このようにパネル全体が発光しているような雰囲気になり、これがケータイであることを忘れてしまうくらいの美しい表情を見せてくれます。2個のLEDの組み合わせで、多彩な色の変化が楽しめるようになっているのだとか。

最初は、カスタムジャケットを木や革で作ったら面白いかな?と思っていました。実際に、P901iS以前のモデルにはこうした商品があったんですが、こんな仕掛けになっているのなら、透明な素材を使わなくては面白くありません。自作するための透明のカスタムジャケットも提供されていますが、ちょっとこだわろうとしたら、光の通り方を考えた高度なテクニックが必要になりそうです。

水濡れ(?)が原因で修理は門前払いを食らってしまったFOMA N900iを、最新型のP902iに機種変更しました。…といっても、FOMAの場合は中に入っているFOMAカードを新端末に差し替えれば移行終了となりますし、随時差し替えながら両機種を併用することも出来ます。ですから、店頭では「機種変更」ではなく「買い増し」と書かれていますよね。

あまりに新機能が多すぎて、まだまだその能力の全貌が明らかになるどころか、一つ一つ確認していくので精一杯です。既にFelica(おサイフケータイのインフラである非接触ICカード)用のiアプリをいくつかインストールしてあります。まずはこのあたりから体験してみるつもりです。Bluetoothの周辺機器も結構値が張ります。他にも買いたいものはいろいろありますし…少しずつ片付けていきましょう。


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