去年のカウントダウンパーティー(とは言ってもつい先週のことだったんですが)で作った「天一鍋」が話題になって、思わぬ盛り上がりを見せています。その名の通り、ラーメン屋・天下一品でお土産に売っている持ち帰り用のこってりラーメンのスープを使って野菜や餃子、魚介類等を煮た鍋です。もちろん最後にはゆでたラーメンを入れて仕上げます。要するに、ささっちが作ったとおりでだいたい間違いありません。
この鍋、一応仲間内では私が言い出して作ることになったんですが、仕事帰りに天下一品に立ち寄った私が、残業中の某友人に餃子定食の写メールを送ったところから話が進んだんですよね。それにしても、想像以上の大当たりでした。作り方を一度まとめておく必要はありますね。これまでにもWeekly SSKで取り上げた料理はいくつかありますし…えっ、新コーナー?(笑)。
そんな風に、一見グルメには全然縁がなさそうで、実はときどきこだわりの食の話題が出てくるWeekly SSK。今日もそんな話と言えそうです。私の家にもいろいろと変なアイテムが転がっているんですが、その最たるものはこれではないでしょうか。ちょっとアンティークな雰囲気のコーヒーミルです。その名の通り、コーヒーを豆から挽いて粉にするための道具ですね。
もちろんコーヒーは挽いた粉の状態でも売っていますし、それどころかお湯を注ぐだけで飲めるインスタントコーヒーだってあるわけですが、やっぱり飲む直前に豆から挽くといい香りが出てきます。ちょっとこだわってみたいところです。…まあ、このミルは昔から家に置いてあったのを持ってきたもので、それをずっと使っているだけなんですが。
もちろん、こんなものを持っているからには、レギュラーコーヒーを淹(い)れる道具もちゃんと持っています。一番お手軽なのは、やっぱりペーパーフィルターを使うコーヒーメーカーではないでしょうか。ペーパーフィルターをセットして、分量の挽いた豆と水を入れて電源を入れ、しばらく放っておけばコーヒーが出来上がります。時間のない朝食のときにはとっても便利です。
しかし、豆をミルで挽くところから始めるとなると、もっとこだわって淹れてみたいところです。そんなわけで、私の家にはこんなものもあります。同じようにペーパーフィルターをセットして挽いた豆を入れ、自分で少しずつ蒸らしながら熱湯を落とします。いわゆるドリップ式の淹れ方ですね。基本的にはコーヒーメーカーと全く同じ方法なんですが、時間があるときにはこういう楽しみ方もいいかもしれません。部屋中に香りが広がります。
そんな私の家に、コーヒーにこだわるための新兵器がやってきました。それがこのコーヒーサイフォン。喫茶店でもときどき見かけることのある、ちょっと通好みの道具ですよね。上下二つのガラスの器(ボウル)がつながっていて、その間にネル(布)を張った濾過器が取り付けられています。これをアルコールランプで温めるようになっています。
見ていると、調理器具と言うよりも何だか化学実験の器具みたいに見えてきませんか?。ちなみに、このサイフォンの製造元・ハリオグラスは、コーヒーや紅茶関係の道具だけでなく、ビーカーやフラスコなどの化学実験器具でも有名な会社です。
コーヒーサイフォンでコーヒーを淹れる仕組みは、ただお湯を上から下に落とすだけ…というドリップ式とはかなり違います。なかなかダイナミックな動きをしてくれるので、見ていても楽しいんですよ。しかも、先に「化学実験」と言いましたが、実はサイフォン式の淹れ方は化学と言うよりも物理の授業で習いそうな理論を徹底活用しています。どうやって淹れるのか?…ちょっと解説してみましょう。
1. 下ボウルに水を分量だけ入れて、アルコールランプで加熱します。ただし、冷水から沸騰させるところまでアルコールランプで持って行くのは大変なので、私の場合は先に沸かしておいた熱湯を下ボウルに注いで、アルコールランプで最後の仕上げ…ということにしています。
2. コーヒー豆をミルで挽きます。細かさは中挽きで。
3. 上ボウルに濾過器をセットして、挽いた豆を入れます。
4. 下ボウルの水が十分沸騰するまで待ちます。上ボウルから下ボウルの底まではガラスの管がつながっていて、接合部には栓をして下ボウルを密封できるようなゴムが付いていますが、沸騰するまでは密封はせずに斜めに上ボウルを載せておき、上ボウルと豆を温めておきましょう。
5. 沸騰したら上ボウルを確実にセットして密封します。すると、熱湯が下ボウルから上ボウルに上がっていきます。水が沸騰して水蒸気になることで下ボウル内の気圧が上がり、管を通じて上ボウルにお湯を押し上げるんですね。最終的にはほとんど全てのお湯が上ボウルに上がります。
6. 上ボウルにお湯が上がってきたら、コーヒー豆がお湯の中に溶け込むようにほぐしてかき混ぜます。そのまま1分くらい待ちましょう。最初はキッチンタイマーで計っていたんですが、雰囲気にこだわりたくてわざわざ砂時計を買ってしまいました。1分計を売っている店がなかなか見つからなくて苦労しましたけどね。
7. アルコールランプの火を消します。すると、中央の濾過器を通って、コーヒーが下ボウルに戻っていきます。下ボウル内の水蒸気が凝結して気圧が下がりコーヒーを吸い込むので、戻っていくスピードは意外に速いです。余談ですが、下ボウルの中でコーヒーが泡立っているのは、下ボウル内の気圧が下がっているので沸点も下がり、100度C以下でも沸騰するから。こんなところでも物理のお勉強です。
8. 上ボウルは外します。濾過器は熱湯で洗い、水に浸した状態で冷蔵庫に入れて保存しておくと変な臭いが付きにくいのだとか。下ボウルから温めておいたコーヒーカップに注げば…
9. はい、香り豊かなコーヒーの出来上がり。インターネットではこの味、この香りを伝えられないのがとても残念です。
コーヒーサイフォンは「クラシックなコーヒーメーカー」といえるわけですが、現代の電気式のコーヒーメーカーとは違って、サイフォンの側に付きっきりでいないとコーヒーを淹れられません。裏を返すと、それだけ時間的な余裕がないと使えない道具なんです。いろいろと忙しい日々を送っているわけですが、コーヒーサイフォンの前に座っていられるだけの心のゆとりは持っていたいものですね。
ところで、コーヒーサイフォンでもまだ飽き足らないのか、最近エスプレッソマシーンにも色気の出てきている私です。スターバックスではカプチーノを頼むことも結構あるものですから。あそこに行くと、コーヒー豆と一緒にエスプレッソマシーンが陳列されているのを見かけますよね。サイフォンよりもさらに値が張ってしまう道具ですし、電気も場所も食いますから、さすがに導入には二の足を踏んでいます。…だいたい、喫茶店を開く訳じゃないんだし、こだわるのも程々にしないと(笑)。
今回は、Weekly SSKにもたまに登場するグルメ系の話題。食後の一服、昼下がりのひとときを演出してくれるコーヒーにこだわってみましょう。私の家にやって来たコーヒー作りの新兵器・コーヒーサイフォンをご紹介します。
コーヒーサイフォンに使うアルコールランプ用の燃料アルコール(特別に薬局以外でも買えるんですよね)や替えのネルを買いに、地元のショッピングセンターに行きました。レジに品物を持って行ったら、レジ係の男性に「サイフォンですか」と聞かれ、「うらやましいなぁ、優雅で」と言われました。どう見ても私は優雅には見えないと思うんですけどねぇ(笑)。まあ、優雅なひとときは…少なくとも優雅に感じられるひとときは、その気になれば誰にでも作れる…とは言えそうですが。
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