映画「B型の彼氏」を見に行きました。昨年韓国で公開されて大ヒットし、この週末から日本でも公開となった作品です。韓国生まれの、かなりコテコテのラブ・ストーリーということで、普通なら絶対見に行かない作品でした。昨今のいわゆる「韓流ブーム」には全然興味がない…それどころかかなりマイナスイメージを持っていましたからね。
しかし、今回ばかりはちょっと事情が違いました。この作品のストーリーの根底に流れているのが、血液型による性格分析。「B型の男性を彼氏に持つと苦労する」ということで、ネット掲示板で話が盛り上がったことから企画がスタートしたのだとか。私自身も、プロフィールでも書いているようにB型男性の一人。血液型性格分析は全ての人をたった4つのタイプに分類してしまう時点で無理があり、全然当てにならないと思っているわけですが、どのように描かれているのかは非常に気になったんですよね。
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この作品の「B型の彼氏」・ヨンビンは、超マイペースで自己中心的、まさに絵に描いたようなB型的性格の持ち主です。冒頭から、彼女を何時間も待たせておいた上で、「気に入らないならもう会わない」とあっさり振ってしまいます。そんな彼と出会ってしまったばかりに、これまた典型的なA型的性格の持ち主・ハミは、彼に振り回されて大変な日々を送ることになってしまいます。
基本的に、ヨンビンの困った行動のオンパレードを笑い飛ばす映画です。しかし、彼を自分と重ね合わせながら見ていると、見方はちょっと変わってきます。ちょっとショックだったのは、それだけ困ったヤツを観察していて、「それは違うだろ」とツッコミを入れたくなる場所が皆無だったこと。中にはちょっと極端なものもありますが、それでもどこか思い当たる節があって、素直に笑い飛ばせないんです。見ていると、血液型別性格分析って本当にアリなのかも…と思えてしまうくらいです。
いろいろと紆余曲折はあったものの、最後にはハミとヨンビンはお互いのことを分かり合い、無事結ばれることになります。お互いの今持っている性格がどうかということよりも、大事なのは相手のことを理解しようとする思いなんじゃないかな?と感じました。血液型に限らず、先入観で人を測ってしまいがちな方には、頭をまっさらにして見てほしい作品ですね。私自身も、周囲に全然気を遣えていない自覚がありますが、こんな性格だから仕方ないじゃないの…とは言わずに、ちょっとは努力しているつもりです。
それにしても、徹底的に悪い面を引き出したかと思えば、一方で彼らへのフォローも忘れない「B型の彼氏」の描写には感心するところですが、この映画の制作スタッフはB型の男性ばかりなのだとか。つまり、もともと彼ら自身の問題でもありますから、アメもムチも自由自在なんですね。そして、ヨンビンを演じたイ・ドンゴンの血液型はよりによってA。出来すぎなくらいのエピソードです。
ところで、この「血液型別性格分析」は日本生まれの考え方で、多くの人たちのアンケートに基づいて血液型と性格には有意な相関関係がある(数学的に言うと「無関係だといえるだけの根拠がない」という方が的確なんですが)…とした発表に基づいていますが、世界的に認められたものではないようです。しかし、この血液型別性格分析のブームが巻き起こった日本以外の唯一の国が韓国なのだとか。もともと、人間の性格を分類するのが好きな国民性があるのかも知れません。しかも、血液に基づいて決まる…というのが、いかにも科学的な気がしてしまいますし。
映画「B型の彼氏」を見ていると、血液型のこと以外にも日本と韓国は似ていると感じることが多かったですね。例えば、ヨンビンが壊してしまったハミの新しい携帯電話を選ぶときに、彼が手に取った携帯電話が妙に大きいのにびっくりします。大型・高機能の携帯電話が売れ筋なのは、日本と韓国で共通らしいですね。ヨンビンの仕事がケータイを使ったネットビジネスを狙うベンチャー企業のオーナー…ということも影響しているとは思うんですが、こんな仕事が成立すること自体日本と韓国はよく似ています。インターネットのパーソナルレベルへの普及度では世界で一、二を争う国です。
TOHOシネマズ浜松で見たのは日本語吹き替え版でしたが、そのせいか見ている間はまるで日本の話を見ているかのような錯覚に襲われることが多かったですね。昔のことはともかく、今どきの日本と韓国は地理的に隣であるだけではなく、中身も非常によく似ているようです。もちろん、違うところだってあります。クリスチャン人口の多い韓国ですから、「イエス様に誓って」なんて台詞が庶民レベルで平気で出てきますし、結婚相談所で女性に求める条件が「身長173cm以上」だったりするのも日本とはちょっと事情が違います。
もう一つ、日本と韓国はよく似ているのではないかな?と思えることがあります。自作PCの中には、いくつか韓国製のパーツが組み込まれています。例えば、ビデオカード用のファンレスヒートシンクのように、高機能と静音の両立に徹底的にこだわっているZALMAN社は韓国にある会社です。
そして、最近もう一つ韓国製のPC用パーツを購入しました。VL System社のファンコントローラ、L.I.S 2 Premiumです。CPUへの負荷や温度を監視して、4個のファンの回転数を制御できます。この製品の特徴はフロントパネルにあるのが20字×2行の蛍光表示管だけで、他は全てUSB経由で設定すること。結果的に、シンプルでクールなデザインになっています。この表示画面には、ファンの状態以外にも様々な情報が表示可能です。
この手の商品は、様々なメーカーから製品が登場していますが、台湾などで作られた、ごてごてに飾り付けたような同種の製品と比べると、少なくとも私にとっては、デザイン面でも機能面でもこのL.I.S 2は群を抜いています。実際に、日本のソルダムがこのL.I.SシリーズをOEMで販売しているように、私に限らず日本人に対して受けの良いデザインだと思っています。どうも、この分野の感性でも、日本と韓国には通じるものがあるようです。
ところで、上のL.I.S 2が写っている写真には、もっと重大な事実が他にも隠れています。その件については、また後日「自作PCドタバタ日記」辺りで公開することになるかと思います。しばしお待ちください。
映画「B型の彼氏」を見に行きました。今年3本目の新作映画になります。お隣の韓国からやって来た楽しいラブコメ作品ですよね。B型男性の一人である私にとって、もちろん映画のストーリーについてはいろいろと思うことがありましたが、その他にもいろいろと考えさせられました。
いろいろと不幸な歴史、感情のねじれの横たわる両国間ではありますが、少なくとも現在の私たちの間には、理解し合えることがたくさんあるような気がします。…まあ、今日の本編に出てくる内容は、そんなに根の深いことではないんですけどね。かつての自動車、そして最近のIT関連産業。韓国は、ずっと日本のたどってきた道を追い続け、分野によっては日本よりも先を進んでいます。
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