実はセットアップ前から
前回までで、何とか2つのWindows XPがインストールできました。実は、インストールする前にもう一つ重大な問題が発生していたんですが、つい書き忘れていました。あまりのショックに軽い記憶喪失状態だったんでしょうか?(笑)。…ともかく、まずはそのことに触れておきましょう。
最近のマザーボードの例に漏れず、GA-K8N Ultra-9にも親切な日本語の組み立て説明書が付いていて、組み立ては実に順調に進みました。実際のところは組み立てにもずいぶん慣れてきたので、英文の仕様書(さすがに中文オンリーは勘弁してください)さえあれば大丈夫なんですが、ケアレスミスがトラブルにつながりますから、あくまでも慎重に進めます。乾燥しやすい季節ですから、静電気には特に気をつけて。
イメージ通りにきれいに組み上がり、次はいよいよ電源を入れて…ということなんですが、電源ボタンを押しても電源が入りません。電源スイッチ回りの接続を間違えたか?と思って確認してみましたが、全てOK。この辺りに問題がないとなると…残ったのはハードウェア自体に問題がある可能性でしょうか。新しくなった部分で、「電源が入らない」という現象に当てはまりそうなのはマザーボードくらいのものです。もしかしてこれって初期不良?
またも電源換装
…と、そこまで考えが回ったところでふと我に返り、本体に接続されているデバイスを一つずつ外して試してみることにしました。すると、ハードディスクを4個とも外し、DVDドライブも外したところで電源が入りました。どうやら電源の容量不足で保護回路が働いたようです。今使っている電源だって、決して小さくはないんですが…それだけ「電気食い」のパーツが集まったのでしょうか。
今回はどうしてもこの機器構成にこだわりたかったので、電源をより大容量のものに換えてみました。買ってきたのが恵安のその名も「静か」と銘打った電源。120mmの底面大型吸気ファンを細かくコントロールして静穏性にこだわっているようですが、総合出力も550Wとかなり大容量。特に最も重要な+12Vが2系統で20A+18Aあるところが頼もしい仕様です。しかも価格は8千円台ですからね。お得感たっぷりです。
電源をこれに換装してみたところ、フル装備の構成でも無事に起動するようになりました。やっぱり電源の問題だったようです。それにしても、パソコンの消費電力はかなり深刻な問題になりつつあります。常に電源容量をフルに使っているわけではありませんが、550Wともなるともうちょっとした電熱機器よりも大きいレベルですからね。
呉越同舟はダメ?
無事に電源も入り、OSのインストールも済み…というところまで来ましたが、どうも動作が安定しません。32bit版、64bit版とも、30分以内に画面が真っ青になって再起動してしまいます。私のデスクトップ機の使い方では、かなり長時間連続してフルパワーで動かす可能性がありますから、安定した動作は必須条件。こんな状況は論外です。
最初は、例の64bit版用ベータ版ドライバのせい?と思いましたが、両方のWindowsで似たようなトラブルが発生していますから、問題はWindowsに起因するものではないはずです。となると、やっぱり残る可能性はハードウェアの相性。レッツノートのときに使った方法で停止エラーの内容を見ていくと、どうやら原因はあのときと同様メモリにあるようです。
このPCには、合計で3GBのメモリを積んでいました。元からあった512MB2枚はSAMSUNG社製のメモリ。後で1GB2枚を買い足したときにも同じSAMSUNG製のものが欲しかったんですが、品切れだったのでMicron社製のものを買ってきました。どちらも半導体メモリでは業界のトップメーカー。大丈夫だろう…と思っていました。ところが、BIOS設定のメニューを見てみると、どちらも400MHz動作のDDR SDRAMのはずなのに、マザーボードの自動設定では333MHz動作が選択されています。これはちょっと変です。試しに設定を手動で400MHzに変更したら、今度は起動すらままなりません。どうやら、本当に400MHzでは動けないようです。
試しに、Micron製の2GB分だけを付けた状態で起動したら、BIOSの自動設定が400MHz動作に切り替わりました。起動にも無事成功。違うメーカーのチップを混在させたことで、微妙なタイミングの差が速度を下げてしまったのかも知れません。DDR SDRAMのDIMMは一応世界統一規格なので、こんなことでは困るんですが。
ところで、「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」というのは中国の故事に基づいた言葉で、仲の悪い両者が同じ場所にいることを指します。さらに転じて、仲の悪い同士が協力することも指しますが、どうもメモリのライバル同士は協力し合えなかったようです。
もう一つの呉越同舟
メモリを2GBに減らした後も、残念ながら動作の安定性はあまり変わりませんでした。相変わらず、しばらく使っているうちに勝手に再起動されます。どうやら、他にも不安定の原因を探さなくてはならないようです。
実は、今回の計画の最初からずっと気になっていた「呉越同舟」関係がもう一つありました。それは、マザーボードとビデオカード。マザーボードのチップセット・nForce4 Ultraを作っているnVIDIA社は、ビデオカード用のプロセッサでもトップメーカーです。そして、これと組み合わせるビデオカードに採用されているのは、nVIDIAの最大のライバル・ATI社のRADEON X700 Pro。細かく決められた規格の中で作られるパーツのはずなんですが、それでもいかにも喧嘩しそうな組み合わせだと思いませんか?
そこで、ビデオカードも換えてみることにしました。今回は、「nVIDIA製のプロセッサを使っているもの」という基準で選択。さらに、マザーボードの製造元と同じGIGABYTE社の製品から選んでみました。それが、このGV-NX66T256D(写真右)。RADEON X700 Proと近いレベルに相当するGeForce 6600GTを使い、ヒートパイプ付きのファンレスヒートシンクを装備したモデルです。実は、液晶ディスプレイなどに使うデジタル出力のDVI端子を2系統持っているのも隠れたポイントかも。
正直なところあまり自信はなかったんですが、やってみるとビデオカード交換の効果は劇的なものでした。一晩中動かしておいても、ちゃんとパワーセーブ状態からデスクトップを復元することが出来るようになりました。さすがに同じメーカーの製品ですから、発売前に動作確認もしているのでしょうね。
相性問題なんて過去の話だと思っていたんですが、実はまだまだパーツ間の相性問題は健在であることを、今回は嫌と言うほど思い知りました。こうした情報は、メーカーが開示している場合もありますが、多くはインターネット上で各ユーザーが公開していたり、場合によっては掲示板で議論されていたりします。失敗しない買い物のために、事前に各方面から情報を収集しておくべきですね。
今回の自作機グレードアップに関しては、今までになくトラブルが多発しています。何が原因なのか正直なところよくわかりません。新しいOSを導入したせいなのか、CPUをIntel製からAMD製に変えたからなのか…考えてみると、最大の問題はいろいろなところを一気に変えすぎてしまったことなのかも知れませんね。それでも、ようやく落ち着きを見せつつあるわけですが。
トラブルシューティングの過程でいろいろと買い物をするうちに、財布の中身がどんどん寒くなっていくことに気付きます。そして、もう一つとんでもない事実に気が付いてしまったんですが…これについてはまた改めて取り上げようと思っています。
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