昨日・2月4日は立春。暦の上ではもう春…ということになるわけですが、相変わらず寒い日が続きます。そして、その前日・2月3日は節分。そもそも節分とは…という話はもう5年ほど前にしているわけですが、本来「季節の分かれ目」であった節分が現代はこの日にだけ残っているのは、単に冬から春への変わり目と言うだけではなく、それが「新しい一年の始まり」としての意味を持つ特別なものだったからのような気がします。
節分といえば、昔から「鬼は外、福は内」と声を掛けながら炒った大豆や落花生を撒く「豆まき」が定番行事です。神社では有名人を招いたりして盛大に行われます。1年の始まりに向けて、邪気(鬼)を払う…という意味合いがあるんですよね。
昔は私の家でも豆まきをしていたんですが、片付けるのも大変だ…ということで、ここ数年は「年の数だけ炒り豆を食べる」が決まりになっています。これまた昔からよく見られる行事ですよね。ただ、これも年を取るほど食べる豆が増えるわけで、60個、70個…となると、結構大変なはずです。年の数だけ食べられるうちは健康なんだ…と安心できるかも。
そんな中で、最近節分の行事として市民権を得てきているのが「恵方巻き(えほうまき)」。これは、輪切りにする前の長いままの状態の太巻きを、その年の恵方を向いて食べる…というもので、願い事をしながらも黙々と食べるのがルール。口を開くと、そこから運が逃げてしまうのだとか。ちなみに、今年の恵方は南南東でした。
近所のスーパーでも、1月の中旬から恵方巻きの予約を受け付けていました。予約メニューには5、6種類の太巻き寿司が並んでいました。どうやら、太巻きでさえあれば中身は何でも良いようです。店によっては、「具は七福神にあやかって7種類」なんてPOPに書かれているところもありました。こんな風に、対応が分かれているところからして何だか胡散臭さを感じます。
それでも恵方巻きは食べておかなくてはならないかな?と思っていたんですが、水上紫緒さんから「恵方巻きは大阪の寿司屋さんの陰謀らしいですよ」と伺ったので、ちょっとその由来を調べてみました。恵方巻きの起源をさかのぼってみると、大正時代の大阪にたどり着くようです。当時は、シンプルなお新香入りの海苔巻きだったようですね。
これが、何度か寿司屋や海苔屋などのキャンペーンに使われる間に、「太巻きを丸かじり」という現在のスタイルになってきたようです。決定的に全国区になったのは、スーパーやコンビニで売られるようになってからですよね。10年くらい前からでしょうか。一応ルーツはあるけれど、後の人たちの商売のために利用された…という点では、母の日や父の日、バレンタインデーやクリスマスとよく似ています。
「寿司屋の陰謀説」がどうやら正しいことはわかりましたが、それでも流行にはとりあえず乗ってみたい…というのが私の行動パターンです。ここ3年くらい、節分の日には太巻き寿司を買ってきて、「恵方巻き」の儀式をしています。一方で、今まで通りに炒り豆も食べています。根が欲張りなもので、何でも良さそうなことはしておかないと気が済まないんですね。
長いまま太巻きを全部食べてしまうんですから、恵方巻きさえあればその日の夕食は要らない…といえそうです。ところが、今年の節分の日には、何を血迷ったのか仕事の帰り道に「天下一品」に寄って、定食を食べて帰ってきてしまいました。最近、仕事で帰りが遅くなることも多く、この日は無性に「こってり」したい気分だったんです。
それでも、やっぱり太巻きを食べないと落ち着かないんですよね。ちゃんと7種類の具が入った太巻きを買ってきて、南南東を向いて黙々と食べました。さらに、炒り豆も年の数だけ(いくつなのかは一応ないしょ)数えてちゃんと食べました。さすがに腹一杯でしばらく身動きが取れなくなりました(笑)。
それでも、これだけ食べてそのまま寝てしまうわけにも行かないので、お腹をしばらく休めてから走りに出かけました。去年に続いて浜松シティマラソンの10kmにエントリーしています。今年は2月26日に開催。目標は一応「去年よりも早く」なんですが、無茶はしないように、ともかく無事に完走できるように…というのが一番大事ですよね。
最近、節分の行事として定着しつつある「恵方巻き」。本来は関西で行われていたものが、全国区になってきた…という流れのようですね。調べてみると歴史は比較的新しく、正直なところどうしてこんなに流行ったのか全然理解できないんですが、まあ「長いものには巻かれろ」ということで(笑)。
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