春モデル、雑感
今年もレッツノートの春モデルが発表になりました。正月明けにIntel社から新しいCPUやチップセットが発表されていますが、レッツノートが使う超低電圧版CPUはまだ登場していないこともあり、今シーズンのラインナップでは、パソコンとしての基本性能の部分では大幅な変更はありませんでした。1.3GHz動作の超低電圧版Pentium M 773を使うモデルが登場したことくらいでしょうか。
それでも、進化は着実に続いています。最軽量のCF-R4Jは、外見こそ変わらないものの、内部構造の見直しで12.1型液晶搭載機と同様の「耐100kg級」タフボディに強化されました。CF-T4Jには、12時間駆動を実現する標準パッテリーとともに、1,040gで5時間駆動が可能…という軽量バッテリーも付属するようになりました。基本コンポーネントは他社製品を使わなくてはならないのが現在のパソコンですが、それでも各社独自の技術で差別化を図れる部分はまだまだ存在します。そして、実は現在レッツノートの強みになっている部分はまさにそこなんですよね。
ちょっと足りない
さて、今回の話題はレッツノート本体のことではなくて、これを持ち運ぶためのバッグのお話。前にもご紹介したとおり、私がレッツノートを運ぶときに最も愛用しているのが、スウェーデン・ボブルビー社のバックパック、PEOPLES DELITEです。ABS樹脂製のハードシェルが強烈な存在感を放っていますが、その見た目のイメージ通り、外からの衝撃から精密電子機器であるレッツノートを堅固に守り抜きます。
プライベートの外出ではもちろん、通勤でも、仕事で出張するときでもこのPEOPLES DELITEは実に重宝しています。ビジネススーツとはさすがにマッチしないデザインのような気もしますが、やっぱり大事なアイテムを守ってくれる信頼感がありますから。
ただ、日帰りなら全然問題ないんですが、これが泊まりがけになるとかなり厳しくなります。持ち運ぶ鞄の数はできるだけ減らしたいところですから、着替えなども試しに詰め込んでみるわけですが、この前の2泊3日の東京行きではさすがに無理でした。もう一押し…なんですけどね。PEOPLES DELITEの容積はカタログ値で10~15リットル。パソコンと周辺機器だけなら十分なのかも知れませんが、一般的なバックパックとしては頼りなさを感じます。
パーツ交換という発想
実は、ボブルビー社からはこんな目的にも答えてくれる新しい製品が出ています。PEOPLES DELITEよりも軽量な1,600gで、しかも容量は約1.5倍の22リットルまで増やせるMENTOR(めんたー)です。オプションのGYM BAG、SNACK BOX(こちらは既に持っていますが)を装着すれば、合計の容量は実に32リットル。これだけあれば、泊まりがけの遠出でも大丈夫です。レッツノート一式どころかデジカメも一緒に放り込んだ上で、着替えも持って行くことが出来ます。
しかし、MENTORの販売価格は2万円台半ば。ほとんど同じような製品をもう一つ買うのも何だかもったいないなぁ…と思ってしまうところなんですが、話はそう簡単には終わりません。実は、MENTORに使われているハードシェルはPEOPLES DELITE用と全く同じ形のものなんです。ということは、今使っているPEOPLES DELITEのハードシェルを流用して、他の必要なパーツだけ買ってきて交換すれば、MENTORに組み替えられることになります。
「組み替える」という発想からして、鞄の世界ではまず考えられませんよね。組み替えたり、改造したり、あるいは色を塗ってみたり…そうしたDIY的アプローチができること自体が、ボブルビーのハードシェル製品の魅力の一つです。
どこがメリットなのか
思い立ったが吉日。というわけで、東京行きの時に自由が丘のボブルビー・コンセプトストア東京に立ち寄り、相談しながら必要なパーツを買い込んできました。とは言え、結局ハードシェル以外のパーツは全て買い込むことになります。背中に当たる部分であるハーネス、GYM BAGとそれを固定するための新しいサイドブレード、蓋の固定用のプラスチックパーツ。ネジ類は一応流用できるんですが、ナイロン入りのロックナットで固定している都合上、新しいものに換えています。
価格は2万円近くかかり、フルセットでの購入と比較すると総額自体は抑えられたものの、結局割高になっています。まあ、普通に東急ハンズなどで売っているフルセットには、私のハードシェルと同じオリーブグリーンのモデルがありませんから、そこはプラスのポイントなんですが。こだわりを反映できる…という点では自作パソコンと似ています。
組み替えてみましょう
分解したPEOPLES DELITEからは、そのハードシェルのみを流用することになります。先に購入して取り付けてあった、SNACK BOXを取り付けるアダプタも流用することになります。それでは、実際に組み替えてみましょう。
なお、前にも触れているとおり、ネジを締めるために、星形の断面を持つ棒レンチであるトルクスレンチ(T-25)が必要です。ナットの側は、普通のM5サイズのナットを留めるための、内径8mmのスパナやボックスレンチが使えます。L字型の棒レンチとボックスレンチがあると便利です。
最初に、ハードシェルに蓋を留めるためのプラスチックパーツを、新しい仕様のものに交換します。次に、ハードシェルとサイドブレードの間にハーネスを挟み込む形で、側面をネジとナットで留めます。
その後で、ハーネス底面のプラスチックパーツと布を挟み込む形でハードシェルの底面を留めます。この底面のネジを回すのが、隙間が狭くてちょっと面倒です。順番はこの通りでなくても良さそうですが、作業性を考えるとこれが一番のような気がします。
使い心地は変わったのか
これで完成。レッツノートの「鎧」が、MENTOR仕様に生まれ変わりました。底面サイドの紐を引っ張ることで、全体の厚みを調整して容量を増減させる仕組みになっています。そのままでは詰めるか、広げるかの2段階しかありませんが、紐の長さを変えられるようにちょっと改造すれば、微妙な調整も出来そうです。
SNACK BOXの取り付け方はこれまでと全く同じ。GYM BAGは、新しいサイドブレードに設けられた穴に、バンドを引っかけるだけで取り付けられます。GYM BAGは空っぽで取り付けると収まりがあまり良くないので、荷物の増減に対応するために小さく丸めて普段から中に忍ばせておき、いざというときに取り付けると良さそうですね。
実際にものを入れてみると、容量の増加を実感できます。特に、底面の部分が広がるおかげか、詰め込みにちょっと無理が利くようになった気がします。一杯に詰め込んでも型くずれしないのであまりカッコ悪くならない…というのも、ハードシェルの意外な長所だと思っています。また泊まりがけで出かけるのが楽しみになりましたね。
番外編・革の鎧
ところで、「鎧」と言えばもう一つ。マイレッツ倶楽部で11月に限定販売されていた、Rシリーズ専用の本革製インナーバッグも買ってしまいました。マイレッツ倶楽部での本体購入者特典で、割安価格での提供でした。それでも16,000円もしたんですが。
「Let’s note」ロゴが型押しされ、ボンネット構造のトップパネルをイメージした縫い目が入った、ダークブラウンの気品漂う「革の鎧」です。2方向から取り出せるデザイン、傷からの保護にこだわった裏地…と、とんでもなく気合いの入った製品です。こちらもかなりお気に入りで、メインの鎧を使わない場面で活躍してくれます。高級感がありすぎて、使うのが何だかもったいないなぁ…という気もしますけどね。
いつもレッツノートを持ち運ぶのに使っている、あの「鎧」が新しくなりました。それも、新しく買ったのではなく「アップグレード」というところがミソ。部品単位で購入して交換する…というノリを楽しめるのは、やっぱり根本的に何でもバラしたりまた組み立てたりするプロセスが好きだからでしょうね。ともかく、これで「TOKYO散財Night」の宿題がひととおり片付いたことになります。
ところで、CF-R4本体の方には特にトラブルもなく絶好調です。正直なところ、このコーナーへのネタ作りにちょっと苦労している状態。それだけ完成度が高いことの裏返し…ともいえるわけですが、それも何だかつまらないですよね。だからといって、トラブルが発生してしまうとものすご~く困るわけですが。贅沢な悩みです。
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