私の所属している浜松フロイデ合唱団では、今年も12月に催されるベートーヴェン「第九」演奏会に向けて、私たちと一緒に歌ってくれる団員を募集しているところです。初心者大歓迎。毎回の練習にしっかり参加すれば、7月からの半年間の練習でちゃんと歌えるようになります。ご興味のある方は是非ともご参加ください。
今年は、特に若手の団員をもっと増やそう!ということで、これまでになかったいろいろな広告手法を活用しています。その中でも一つの目玉になっているのが、ZAZA VISIONへの広告。浜松市の中心街・鍛冶町通りに面した複合施設、ザザシティ浜松の中央館に、221インチの大型ビジョンが設置されています。このZAZA VISIONで、1時間に1回程度、15秒のスポットCMを流せることになりました。ZAZA VISIONを見る可能性のある歩行者は、平日で85,000人、休日には125,000人と推定されています。合唱団のCMが流れる時間はほんの一部とはいえ、広告効果は絶大です。
CMの映像は、合唱団で用意しなくてはなりません。専門の業者に頼めば、綺麗なものを作ってもらえるわけですが、宣伝広告費も限られている(すでに放映するためにかなりのお金を払っているわけですし)中で、映像は自前で用意することになり、それを事もあろうに私が作ることになりました。合唱団関係でも、私は結構いろいろなものを作っているんですが、これだけ多くの人の目に触れるものを作るのは初めて。責任重大です。
手元には動画は全くありませんでしたが、演奏会の音源と、ホームページ素材用に撮影した写真があります。そこで、演奏会の音源をバックに、写真を拡大・縮小・平行移動させながらスライドショーを映し、これにナレーションを重ねることにしました。ナレーションはさすがに自前では聞くに堪えないと思い、合唱団員の方にお願いして、バリトンの甘い声で吹き込んでいただきました。もちろん、「女性よりは低音の男性の声の方がインパクトがあるのでは?」と思ったからこそなんですが。
これに、編集のために前後1秒ずつの無音部分を追加して、DVDに焼き込んだものを広告代理店の人に見ていただきました。「自作ということでどんなものが出てくるのか心配していたが、これを見て安心した」と褒めていただきました。プロの方からいただいた言葉だけに、とても嬉しかったですね。もちろん、掛け値なしで受け止めるのも問題があると思いますが。
この映像では、ナレーションは「今こそあなたの出番です。浜松フロイデ合唱団」だけで、文字情報も合唱団名と「団員募集中」以外は電話番号とWebサイトのURLだけ…と、非常にシンプルにまとめています。イメージ重視で、気になった人がコンタクトを取ってくれることを期待しているわけですが、それだけではありません。この時期、浜松の中心街では各地にポスターを掲示したり、情報誌やバス、電車内などに広告を載せたり…という活動を並行して行っています。これらを見て、「あっ、ZAZA VISIONでやってたヤツだ」と思ってくれればしめたものです。
契約期間は6月と7月…ということで、6月1日の木曜日の夕方、仕事が終わってからZAZA VISIONを見に出かけました。実際にどんな風に流れるのか気になったんですよね。ところが、1時間半待っても合唱団の広告は1度も流れません。心配になって、広告代理店の人に電話しました。ZAZA VISIONの運営サイドに連絡を取っていただいたところ、広告が本格的に流れるのは映像を全部入れ替える土曜日・3日からだとのこと。このあたりの事前確認が甘かったなぁ…と反省しつつ、出直すことにしました。
3日の午後に、再びZAZA VISION前で待ちました。すると、5分くらい待ったところで、それまでポップで軽いBGMばかりだったところに、いきなり第九の重厚な大音響が。私の作ったスポットCMが、週末の繁華街のど真ん中で放送されたんです。もう、足が震えるくらい嬉しかったですね。しばらく他のCMも見ていましたが、私たちのCMのような「紙芝居」スタイルのものが結構ありました。思っていたよりも見劣りしませんでしたね。
無事放送はされたものの、もっと大事なのはちゃんと見てもらっているのかどうかです。ところが、「放送された」という事実だけで舞い上がってしまい、放送中に周りに目を配るだけの余裕がありませんでした。ただ、他のCMが流れている間に通行人の様子を見ていたんですが、じっと見ている人、歩きながら見ている人(よそ見してるとぶつかっちゃいますよ)、無視して通り過ぎる人…と、いろいろな人がいます。
全員に凝視させるのはまず無理だと思いますが、少なくとも音は全員のところに届きます。この点で、BGMに使った第九の演奏はかなり効果があるはずです。先にも触れたとおり、CMの中であんな曲を使う事例はほとんどありません。かなり目立ちます。もっとも、年末に近づくと他のいろんな人たちがBGMに第九を使いますから、状況は一転しますが。
それ以上に大事なのは、これを見て「一緒に歌ってみよう」と思ってくれる人がどのくらいいるかです。もちろん、これ単独の効果で入団希望者が殺到するとは思っていませんが、先にも触れたとおり、他の広告媒体との相乗効果ですからね。7月11、12日に予定されている入団説明会で、「ZAZA VISIONを見ました」と言ってくれる方がひとりでもいれば十分に成功だと思っています。まずは、こんな合唱団があるんだ…と認知してもらうこと。演奏会により多くの方に足を運んでもらうためにも、そこから始めなくてはなりません。
浜松市の中心街ど真ん中、ザザシティ浜松に設置されている大型ビジョン・ZAZA VISIONで、私も参加している浜松フロイデ合唱団の団員募集CMが流れています。現在、毎時03分前後にZAZA VISION前に行けば見ることができます。ただし、毎週末に映像の編成は入れ替えられるそうなので、来週末には時間帯が変わっているのではないかな?と思います。
このCM映像の制作を担当することになったわけですが、自分の作ったものが多くの人々に見ていただけるのは、緊張もするもののやっぱり嬉しいですね。こうした「モノづくり」をする者にとっては、作品を仕上げるだけでは全然足りなくて、やっぱり「見てもろてなんぼ」です。プロはもちろん見てもらわなくては話になりませんが、見て欲しい気持ちはアマチュアでも変わらないんですよ。
オリジナル作品ではなくても、ステージに立ってパフォーマンスを見せる立場ならその気持ちは同じです。7月2日には、浜松混声合唱団の演奏会が控えています。いよいよ本番まで1ヶ月を切りました。単なる自己満足ではなく、お客様に気持ちを伝えられるようなステージにしていくために、これからの期間が大事です。「発表会」にとどまらない、「演奏会」と呼ぶのにふさわしいものを目指して、頑張っていきたいですね。
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