サッカーのワールドカップ・ドイツ大会は、現在予選リーグの試合が繰り広げられているところです。月曜日・6月12日に行われた日本代表×オーストラリア代表の試合は、1対3でオーストラリア代表の勝利。日本代表は、今晩の対クロアチア代表戦に勝てば、3戦目の対ブラジル代表戦に希望をつなぐことができますが、そうでなければ決勝トーナメントへの進出はほぼ絶望的になります。
先にブログのネタにしたとおり、対オーストラリア代表戦はTOHOシネマズ浜松で行われたパブリック・ビューイングで観戦しました。後半の残り10分くらいまで、日本代表が1対0でリードしていたわけですが、オーストラリア代表が1点返して同点に。さらに1点を取って逆転しました。ロスタイムにもう1点を追加され万事休す。1点ずつしか取れないサッカーで、あの時間帯に2点差を付けられては致命的です。逆転された辺りから客席はややあきらめムード。3点目が入った後はすっかり静まりかえっていました。
試合の終わった後で、「日本の先制点は先にファウルがあったので無効だった」とか、「後半のプレーで日本にはペナルティーキックが与えられるべきだった」とか、審判の判定に関する話が次々に出てきました。後からビデオを見ると、確かにそんな気はするわけですが、過ぎてしまったことを今更言われても仕方ありません。ビデオのように巻き戻してそこからやり直すわけにはいかないんですから。いろいろ慰められても、恨み節が出るばかりです。
その対オーストラリア代表戦から、今日の対クロアチア代表戦まで6日間。マスコミでは、いろいろな報道がされてきました。一様に口を揃えて叫ばれるのが、「今回ばかりは負けられない」の言葉。先に触れたとおり、この試合に勝たないと後がない…と言っても良い状況ですから、彼らの論調は理解できないこともありません。
しかし、私はこの表現は好きではありません。「負けられない」という表現は、その裏に「負けるかも知れない」というイメージを持っていると思います。確かに、クロアチア代表はヨーロッパでも有数の強豪チームで、日本代表にとってはかなり厳しい試合です。それでも、選手たちは常に勝とうとして試合に臨んでいるわけで、応援する側が「負けるかも知れない」ではあまりにかわいそうすぎます。
まあ、それ以前に「負けられない」では引き分けを許容しているわけで、現在日本代表が置かれている状況としては緊迫感が足りないと思いますが。月曜日に3点取られたせいで、得失点差に持ち込まれた場合にも負ける可能性が高くなっています。もっと正確に言うなら、今日の日本代表は「勝つしかない」でしょう。
それ以上に問題だと思うのが「今回ばかりは」の方。今回でなければ負けてもいいんですか?…そんなはずはありません。世界各国の強豪が勢揃いしているワールドカップです。実際に勝てるか、勝てないかは別として、どの試合でも勝ちに行くのが、各地域の代表として厳しい予選を勝ち抜いてきたチームの使命です。「負けてもいいや」と臨むのは、アジア予選で敗退してしまったチームに対しても、各地区の予選を勝ち抜いて、誇りを持って戦っている相手チームに対しても失礼でしょう。
だいたい、まだたった3度しか出たことのない新興国・日本にとって、そんなに余裕のある試合はありません。初戦の対オーストラリア代表戦では、「勝たなくてはならない」という表現をよく見かけましたが、その裏には「勝てる試合だ」という意識が見えたような気がします。これは「負けても良い試合」と裏腹になる考え方ではないでしょうか。ワールドカップの試合に重要度の差なんかありません。楽勝の試合なんかありません。
日本代表を引っ張る中田英寿選手は、残り2試合で勝ち点をどう取りに行くか?と聞く報道陣に対して、「なぜ、負けとか引き分けを考えないといけない。常に目の前の試合を勝ちに行かないと」と言い返しました。そうなんです。選手はどの試合でも全力で勝ちに行っているんです。
今日もいつもの通りに勝ちに行く日本代表を、みんなで応援しましょう。これを書いている今は午後9時59分。日本代表対クロアチア代表戦、間もなくキックオフです。
ワールドカップサッカーの予選リーグ・日本代表対クロアチア代表の一戦。記事を公開した後で試合をテレビ観戦しました。結果は0対0の引き分け。日本代表は負けなかったんですが、勝つこともできませんでした。今日も選手たちは全力で90分間走り回ったと思いますし、実際に良い場面もいくつかあったんですが、あと一歩押し込めませんでしたね。
決勝トーナメントに進出するためには、次のブラジル戦にとにかく勝つしかありません。状況はさらに厳しくなりました。しかし、負けなかったおかげで、可能性がゼロにならなかったのも確か。「次の試合、勝つことだけを考える」…今日もファインセーブを連発した川口能活選手の言葉は、他の選手たちの気持ちも代弁していると思います。実力では明らかに及ばないであろうブラジル代表が相手であることは、妙な勝算を考えずに、純粋に挑戦できるだけ逆に有利かも知れません。信じて、応援しましょう。
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