看板のある強み

積志ウィンドアンサンブルの第25回記念定期演奏会に行ってきました。合唱を始めてから、何故か合唱ではなくて吹奏楽の演奏会を聞きに行く機会が増えました。この「積志ウィンド」は、かば姉さんの娘さんが所属している…という縁で、昨年から定期演奏会を聞きに行っています。私たちの合唱団と同じように、毎週社会人の皆さんが集まって練習に取り組んでいます。

吹奏楽のコンサートというと、3ステージ構成の最初に吹奏楽のスタンダードな曲を、第2ステージに多くの人たちにお馴染みの曲を取り上げ、最後に本格的な曲を持ってくる…という、昨年も出かけた浜松交響吹奏楽団の演奏会のような構成が普通のようです。しかし、積志ウィンドの定期演奏会は実に真面目。吹奏楽のために作られた曲だけでステージが構成されています。ですから、私にとってはよく知らない曲ばかり。今年は、たまたま別の演奏会で聴いたことのある曲もありましたが、それ以外は全て知らない曲でした。

ところが、アンコールからはこれが一変して、良く聞き覚えのある曲で私たちを楽しませてくれます。一番盛り上がったのがサンダーバードのテーマ。思いっきり弾けた演奏で最後を締めます。積志ウィンドのアンコールではすっかりお馴染みの曲だそうです。客席の皆さんもすっかりご承知のようで、この曲が出てくるまではアンコールが続きます。この曲が終わらなくては幕が下ろせない…というところでしょうか。特に今年は記念演奏会でしたしね。

去年も、この曲の登場で大変盛り上がったのを思い出します。でも、どうして手拍子が起きないんでしょう?…真面目なステージだったので、お客さんたちも(私を含めて)遠慮してしまったんでしょうか。来年は先頭を切って手拍子を入れてみようかな?と思っています。


7月2日に浜松混声合唱団の演奏会が終わったことには、前々回のWeekly SSKでも触れました。この「浜混」は、もう20年以上もの間、毎年夏に演奏会を開き続けている(厳密に言うと例外もあるんですが、毎年同じメンバーが歌い続けています)んですが、古くからの団員さんは「定期演奏会」という呼び方をとても嫌います。「毎年当たり前に演奏会をできるなんて思っちゃいけないんだよ」という話を聞きましたが、もう少し実績に自信と誇りを持っても良いのではないでしょうか。

…と、それはともかく、浜混の演奏会では、昨年からちょっと新しい試みをしています。ブログでも紹介しましたが、アンコールのときに客席の皆さんと一緒に歌っているんです。今年も、アンコールに2曲歌ってから、副団長のマイクなしでの挨拶の後で、全員で「花」を歌いました。「♪春のうららの隅田川~」のあれですね。一応歌詞カードは挟み込まれていましたが、皆さんにはお馴染みの曲。客席で合唱の低音パートを口ずさんでいた方もいたようです。

合唱団の演奏会のアンコールで客席も一緒になって歌う…という演出は、全国的に見るとそう珍しくもないようですが、浜松周辺の演奏会では見かけません。2年続けてやってみたわけですが、お客さんたちからの反応はなかなか良いですね。直接に「最後にみんなで歌うのは楽しいね。これからもやってよ」なんてお話も伺いましたが、ステージの上にいて客席からの歌声を聴けば、喜んでいただいているのは伝わってきます。ステージと客席が一体になれる、楽しい時間を作ることができたと思っています。

最初は、こんな演出をしてもみんな歌ってくれないのではないか?なんて心配する声もありましたが、取り越し苦労だったようです。合唱団の中でも、今後アンコールではこれを続けていこう…との声が上がっています。これから3年、4年と続けていけば、「みんなで歌うアンコール」は浜混の看板イベントになるかも知れません。それが他の合唱団にも「あれ、いいよね」と伝わっていったりすると、これまた楽しいですよね。


積志ウィンドのサンダーバードも、これ抜きでは語れない…という意味で、彼らの看板と言っていいかも知れません。お客さんたちがそれの出てくるのを楽しみにしているような「看板」があると強いですよね。それを楽しみに、また次回も来てくれる固定客が増えることにつながります。実際、今日の積志ウィンドでも、あのかなりマニアックな(それでも吹奏楽通のかば姉さんにとっては「かなり軽い」と感じられたそうですが)演目の割には客席はかなり埋まっていました。もちろん、サンダーバードだけでこれだけのお客を集めているわけではなくて、彼らの長年の活動が評価されているのでしょうけど。

浜混の演奏会も、ここ数年は満席が続いています。いろいろな要因は考えられますが、浜混の毎年開いてきた演奏会の内容を気に入っていただいた…ということもあると思います。「浜松混声合唱団」の名前自体も、もしかすると看板になりつつあるのかも知れません。

もちろん、そのことに甘えるのはダメ。毎年、入場料をいただいて聴いていただくお客さんたちに満足していただけるようなステージを、真剣に作って行かなくてはならないでしょう。合唱団の名前だけでなく、その姿勢そのものが看板として評価してもらえているのならば、こんなに嬉しいことはありません。とても大変なことですが、実績に自信と誇りを持って、これからも続けていけると良いですね。

積志ウィンドアンサンブルの第25回記念定期演奏会に行ってきました。社会人のメンバーが毎週練習に取り組んで、クオリティの高い演奏会を目指す…という彼らには、私たちの浜松フロイデ合唱団・浜松混声合唱団と良く似たものを感じて、一方的に(笑)親近感を持っています。

「看板」の一つとして例に挙げた「サンダーバード」のテーマですが、公式Webサイトで見ると、最初にテレビで放映されたのは1966(昭和41)年なんですね。もう40年も前です。もちろん、その後何度も再放送があったので、私たちもあのいかにもアメコミ的な人形劇はよく知っているわけですが。多くの人たちによく知られた「看板」を作るには、どうしてもある程度の年月が必要になります。継続は力なり…ですね。


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コメント

“看板のある強み” への3件のフィードバック

  1. かば姉のアバター
    かば姉

    昨年に引き続き、演奏会を楽しんでいただけたようでよかったです。

    私が知っている吹奏楽団は、必ずと言っていいほど伝統的に受け継がれ、演奏会を締め括る一曲「看板」としての十八番(オハコ)を持っていますよ。
    その曲が聞きたくて、毎年演奏会に足を運んでしまうんですが…。

    積志ウィンドは、浜混やフロイデと同じように自主運営組織ということで活動の仕方もよく似ていますね。
    うーん平均年齢は親子ほど違うけど…(汗)

    いい刺激を貰った演奏会でもありました。

    これに懲りずにまた機会があったら足を運んでくださいな!

  2. 水上紫緒のアバター
    水上紫緒

    演奏会、面白かったですよね。
    堅苦しくもなく、アットホームな雰囲気の素敵な演奏会だったと思います。
    一曲がその団体の代名詞になるというのは確かに憧れます。第九といえばフロイデ合唱団!と呼ばれるようになりたい。そして「みんなで歌うアンコール」は、ぜひ浜混の看板にしたいものですね!

  3. S.S.K.のアバター

    久しぶりにかば姉さん以外からのコメントをいただきました。紫緒さん、どうもありがとうございますm(_ _)m。もちろん、かば姉さんもいつも^2どうもありがとうございます。積志ウィンドの演奏会には、また伺いたいな…と思います。

    浜松フロイデ合唱団は、基本的に「第九」1曲しか歌いませんが、浜松混声合唱団はこれまでずいぶんたくさんの歌を歌ってきました。その中で「持ち歌」になっていくような曲があるといいな…と思っていますし、実際に、そうなりつつある曲もいくつかあります。折に触れて繰り返し歌いながら、持ち歌が育てていけると良いですね。

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