最初に回るだけ?

昨日・29日に、劇団四季のミュージカル「キャッツ」を見に行ってきました。この企画、昨年から続いている劇団四季ツアーの集大成とも言えるもので、もちろんミュージカルの師匠・Jonathan氏の会員先行予約を使ってチケットを確保していただいています。

この予約が始まったのは、何と「オペラ座の怪人」を見に行くより前、2005年の9月。1年近くも前のことで、「来年のことを言うと鬼が笑う」どころの話ではなかったわけですが、それでも20人を大きく超えるメンバーが集まりました。そして、こんなに先の話でも座席予約が殺到してしまうのがすごいところ。チケットの確保にはかなりご苦労があったようです。いつも本当にありがとうございます。


「キャッツ」といえば、全身タイツで怪しいメイクをした人たちが歌い踊る作品…程度のイメージしかなかったのは以前の私。さすがにこれだけいろいろとミュージカルを見せていただくと、ちょっとはわかるようになってきます。「オペラ座の怪人」でも有名なアンドリュー・ロイド=ウェバーの代表作の一つで、T・S・エリオットの子供向けの詩から発想を膨らませ、猫たちの世界を生き生きと描いています。ロンドンで初めて公開されたのは1981年です。

日本で、この作品を劇団四季が初演したのは1983年のことです。基本的に上演期間を区切らない「ロングラン公演」は、このときが日本演劇界では初。現在はすっかり当たり前となったチケットの電子発券システムも、「キャッツ」のためにチケットぴあとして初めて導入されたものだそうです。劇団四季にとっては、存続できるかどうかの経営危機に立たされた状況からの大勝負だったのだそうですね。もちろん、成功したからこそ現在の劇団四季があり、私はこうしてミュージカルを楽しむことができたわけです。


今回の席は、1階席4列目の「S席回転席」という場所です。4列目…というだけでもとんでもなく良い場所だと思いましたが、問題は「回転席」というところ。Jonathan氏に聞いてみると、「公演中に座席が回るんです」とのことだったんですが、聞いただけではどこがどうすごいのかイメージできませんでした。キャッツ・シアターの座席図を見ると、円形のステージに沿って回転席が設定されているので、たぶん舞台ごと回るんだろうな…ということだけはわかったんですが。

キャッツ・シアターは、その名の通り「キャッツ」を演じるために建てられた劇場です。現在は、東京・五反田の劇場でロングラン公演中です。これまでに全国各地で「キャッツ」が演じられ、数多くのキャッツ・シアターが建てられてきました。別にわざわざ劇場を丸ごと建てなくても、どこかを借りれば良いのに…と思ってしまうわけですが、最初はロングラン公演のために長期間会場を借り続けられなかったんですね。その後、常設の劇場での公演も、地方公演も行われています。

キャッツ・シアター外観

それでも、特設の劇場には「全てを好き勝手に作ることができる」という、演出家にとっては最強の魅力があります。キャッツ・シアターに行くと、これがよくわかります。真っ黒な壁に黄色く光る巨大な目が印象的な外観、同じく黒を基調にしたロビー内から劇場内に入ると、そこは猫たちが集まるゴミ捨て場。人間が捨てる、見慣れたいろんなゴミが転がっています。ただ、どれもとにかく大きいんですよね。一抱えもある空き缶、高さ1m近くある魔法瓶。やかんが転がってきたら押しつぶされそうです。とにかく、造形には実に気合いが入っています。


開演前には、回転席は他の座席とステージを挟んで反対側にありました。構造上の都合で仕方なくのことだと思うんですが、回転席に行くためにはステージの上をちょっとだけ通ることになります。回転席のチケットを持っていないと、ステージには上げてもらえません。さりげなく豪華な特典です。これで後ろのS席と料金が同じ(1万円以上するわけですが)だなんて、ちょっと得した気分ですね。

4列目は回転席の一番後ろの列。会場係の方に座席まで案内してもらいました。観客席の反対側ということで、観客席が非常によく見えます。ゴミで飾り付けられた(という表現もちょっと変ですが)劇場全体が見渡せます。このアングルはなかなか体験できませんよね。座席の後ろには、荷物を置くのにちょうど良いスペースがありましたが、「後ろには荷物を置かないでくださいね」と注意を受けました。よく見ると、座席との間に溝が。ここを境目として座席が回るようです。荷物を置いてしまうと、一緒にゴミにされてしまうかも。気をつけましょう。

開演時刻の1時を過ぎても、なかなか照明が落ちません。どうなっているのかな…と思っていたところ、突然後方に何かの気配を感じました。振り向くと、何とそこには猫がいてこっちを見ています。さっき荷物を置かないように言われた場所です。もちろん劇団員が扮しているわけですが、四つんばいでこっそりと歩く様はまさに猫そのものです。これにはびっくりしました。


そうして私たちの脇から現れた猫たちが少しずつ中央に集まり始めたころに、ようやく照明が落ちて真っ暗になりました。そして、座席が回り始めます。しばらく光の演出が進む間に、座席は180度回転。他のお客さんたちと同じ側に収まりました。いよいよ、猫たちのショーが始まります。…このあと舞台は2時間以上続いたわけですが、座席が回ったのはこのとき1回だけ。「回転席」と謳うくらいだから、もう少し回る場面があるのかな?と思っていたんですが、これについてはすっかり拍子抜けでした。

しかし、回転席が多くの四季ファンの皆さんの羨望の的になっているのは、このたった半回転だけが理由ではありません。既にいくつか回転席ならではの「特典」はご紹介しましたが、この席の醍醐味は、開演した後で次々と明らかになります。この辺りについては、また回を改めてご紹介したいと思います。すぐに公開しますのでお楽しみに。


劇団四季のミュージカル「キャッツ」を見に、東京に出かけました。タイトルと今日のWeekly SSKの内容を見ると、何だか私がマイナスイメージを持ったような印象を受けたかも知れませんが、もちろんこれは単なる前振り。四半世紀の間人気を集め続けているのにはちゃんと理由があります。また続きは書きますので、もうちょっとお待ちください。

今回も、いつものように参加者を募って、「クルマで観劇ツアー」を企画しました。8人を集めることができたので、1BOX車をレンタカーで借りることに決めました。前回は、とにかく8人乗れるヤツを…ということで適当に決めたわけですが、今回は車種にこだわってみました。去年試乗してからすっかり気に入っている日産・セレナ。当然借りた先は日産レンタカーで、「新型セレナに乗りたいんですが」と指名しました。

もう一つ今回こだわったのがETC搭載車であること。「オペラ座の怪人」ツアーから10ヶ月が過ぎ、レンタカーにおけるETCの装備環境はずいぶん変わりました。既にトヨタレンタカーは乗用車全てに装備、他社も配備を進めています。

日産レンタカーで「ETC付きを指名できませんか」と探してもらったんですが、パソコン端末によるオンライン検索では、ETCの有無が確認できないのだとか。他の店舗に電話で在庫状況を問い合わせながら、ETC付きの車を探していただきました。ETCの有無を端末に表示するのが先か、全ての車に標準装備するのが先か。後者になってほしいものですね。ともかく、おかげさまで今回もETC限定の割引をいろいろ利用できました。交通費はかなりお得になっています。


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コメント

“最初に回るだけ?” への5件のフィードバック

  1. かば姉のアバター
    かば姉

    今回も長丁場の運転、お疲れ様でした。
    キャッツ観劇が楽しかったのはもちろんですが、八人旅も楽しかったですね!

    ところで、S.S.Kさんのお気に入り猫は見つかりましたか?(笑)

  2. Jonathanのアバター

    今回も往復の車の運転有難う御座いました。
    皆で行くと本当に楽しいですね。
    紫緒さんプロデュースのプラネタリウムもよかったなぁ~
    また企画した折には一緒に観劇(感激)しましょう!

  3. S.S.K.のアバター

    個性的で魅力的な猫が多くて、誰がお気に入り…というところまではなかなか言えないですね。ラム・タム・タガーがライバルであることだけは認識しましたが(無謀?)。

    今回の「クルマで観劇ツアー」も、観劇以外にもいろいろ盛り上がって、とても楽しかったですね。またの機会があれば、是非是非ご一緒したいと思っています。やっぱり大きな1BOX車が欲しいなぁ…と思ったりして(笑)。

  4. かば姉のアバター
    かば姉

    タガーがライバルですか…確かに無謀です(爆)
    ラム・タム・タガー、かば姉が前回見た時には白い衣装でした。ミュージカルの師匠であるジョナサンによれば、以前はエルビス・プレスリーをイメージしていたそうですよ。
    今は誰がモデルか知ってます?そう還暦過ぎてもロックシンガーのミック・ジャガーなんですって!(もちろんジョナサン情報…笑)
    なんだか、わかる気がする…(汗)

    スキンブルシャンクス(列車の猫さん)を観ていたら、S.S.K.氏はこの猫に近いかな?って…勝手に思いましたっけ!

  5. S.S.K.のアバター

    ミック・ジャガーですか。なるほど、ジャガーもネコ科ですからまさにぴったり。…というのはともかく、エルビス・プレスリーもそうですが、ロック・ミュージシャンたちの突き抜けた格好良さには、ちょっと憧れますね。最近流行りの「ちょいワルオヤジ」も、これに通じるものがあるような気がします。

    そういえば、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」でジョニー・デップが海賊ジャック・スパロウの役作りの参考にしたのは、ミック・ジャガーの相方(笑)のキース・リチャーズだそうですね。ワールド・ツアー前の休暇中に、南の島で木から落っこちて、脳震盪で入院してツアーを延期させてしまった…というニュースがあったのを思い出しました。ちょいワルどころではない困ったオヤジですが、突き抜けた格好良さはさすがです。

    私はスキンブルシャンクス?…それは相当誉めすぎですね。あんなに細かいところまで気は回らないし、あんなに頼りがいはないし。ついでに言うなら、あんなにスリムでもありません(涙)。

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