SHINJO劇場 vs オレ竜

日本プロ野球では、セ・リーグ、パ・リーグ共にリーグ優勝チームが決まりました。セ・リーグの方は、優勝した中日ドラゴンズも含めてまだリーグ戦の日程が残っている状況ですが、「日本一」を賭けて争われる日本シリーズは来週末・21日にナゴヤドームで開幕することが決まっています。


パ・リーグでは、リーグ戦を1位で通過した北海道日本ハムファイターズがプレーオフも勝ち抜きました。今年から、リーグ戦1位チームに最初から「1勝」のアドバンテージが与えられることになりましたが、私はその分を差し引いてもまだ下位から勝ち上がるチームの勢いは侮れないな…と思っていました。実際に一昨年も去年も、リーグ戦で下位のチームがプレーオフの中で成長しながら勝ち進み、日本シリーズに駒を進めたわけですし。

しかし、3勝のうち1勝が既にあるということは、1勝すればもう王手。さすがにこれは決定的な差でしたね。実際にそんな展開になった第2ステージは、結局ファイターズの2連勝で終了。第1ステージを勝ち抜いた福岡ソフトバンクホークスは、ホームグラウンドの福岡ドームに持ち込むことすら出来ませんでした。過去2回はリーグ戦を首位で終えながら日本シリーズには進めなかったホークス。どうも彼らにはプレーオフの勝利の女神は冷たいようです。

ファイターズと言えば、やっぱり忘れてならないのが「SHINJO効果」ですよね。4月に早々と「今シーズン限りでの引退」を表明したSHINJOこと新庄剛志選手。ファイターズに大きく貢献した彼の花道に、是非優勝を…とチームメイトが意気込んだのも確かでしょうけど、その勢いだけで勝ち抜けるほどリーグ戦は甘くありません。もともと優勝できるだけの地力を蓄えていたチームが、彼の引退宣言をきっかけに花開いた…とは言えるかも知れません。

ペナントレースを制した第1幕、プレーオフを勝ち抜いた第2幕。そして、ファイターズの「SHINJO劇場」はいよいよ44年ぶりの日本一を目指して最終の第3幕を迎えます。どんな結末が待っているのでしょうか。少なくとも、まだまだ楽しませてもらえることだけは間違いないと思っています。さすがに、「やっぱり引退するのや~めた」という大どんでん返しはないでしょうけどね。


一方のドラゴンズは、私がアメリカに行っている間に優勝へのマジックを点灯させ、圧倒的リードを保っていた…はずでした。しかし、ここから阪神タイガースが怒濤の追い上げを見せ、結局優勝決定はシーズン終了ギリギリに。ペナントレースの緊張感を終盤まで保ってくれた…という意味でも、優勝したドラゴンズだけでなくタイガースの追い上げには拍手を送りたいところです。追い上げられたとはいえ、ドラゴンズの方も極端に失速したわけではありません。むしろ、普通に勝ち続けていたからこそタイガースの追い上げが脅威になったとも言えます。

実はこの「普通に」というところが大きなポイント。これまでにも何度かドラゴンズの優勝は見てきたわけですが、落合監督の「オレ竜」ドラゴンズの優勝パターンは、これまでのドラゴンズとはちょっと違う気がしています。優勝するような年には、神懸かり的な大逆転で勝ちを拾う試合がいくつかあったものですが、今年はそんな試合を全然思い出せません。むしろ、大事な局面でも淡々と、勝つべくして勝ってきた試合が印象に残ります。山本昌投手のノーヒットノーランはまさに象徴的ですね。

期待された活躍の出来なかった選手はいましたが、一方で嬉しい誤算もありました。故障などで離脱した選手もありましたが、何とかカバーしてきました。選手の一人ひとりがレベルアップを図っていたからこそ出来たことです。今年のドラゴンズは、優勝できる実力を蓄えて、これを十分に(十二分に、ではなく)発揮してリーグを制したと言えそうです。

これまでは、リーグ戦で力を使い果たしたように見え、日本シリーズは大丈夫かな?と思わせることもありましたが、今年はまだ余力を残しているように見えます。最近はすっかり強豪チームのイメージが定着してきたドラゴンズですが、日本シリーズでは52年前に1度勝ったきり。生まれたばかりの東北楽天ゴールデンイーグルス以外では最も日本一から遠ざかっていたチームに、半世紀ぶりのチャンスが到来していると感じます。


日本シリーズに臨む両チーム。比べてみると、意外に似たところがあります。まず気付くのは、どちらも犠打数がリーグトップであること。長打力がないわけではありません(現に両チームとも本塁打王を輩出しています)が、1点を確実に取りに行こうとするプレーが多かったことがわかります。裏を返すと、1点が取れれば確実に勝てる展開に持ち込めるのが両チームの一番の強さだとも言えます。内野・外野のフィールディング能力の高さも、安心して9回を任せられるストッパーがいることも共通点ですね。

そうなると、あとはもともと持っている力はどちらが上なのか、その力をより発揮できるのはどちらなのか…ということになってくるはずです。もともと持っている能力が高いのはおそらくドラゴンズ、そして持てる力以上のものを出してくるのはファイターズ…と思っているんですが、最終的にどちらが上回るのかは全然読めませんね。個人的希望としては、ドラゴンズが4勝2敗でナゴヤドームに戻ってきて胴上げ…となって欲しいところです。


無事リーグ優勝を達成した我らが中日ドラゴンズ。相手は北海道日本ハムファイターズに決まりました。いよいよ来週末の21日から日本シリーズが始まります。再来週のWeekly SSKあたりで、球団にとっては半世紀ぶりの、私にとっては生まれて初めての日本一をお祝いすることは出来るのでしょうか?。とても楽しみです。

最初は、ここで大胆にも日本シリーズの勝敗予想をしてみようかと思っていたんですが、やっぱり身内(?)の話になると冷静な判断は出来ません。それでも、最後に挙げた「4勝2敗でドラゴンズ勝利」の希望は、結構現実に近いような気がしています。初戦で勝った方の勝ちではないかな?とは思っているんですが…。まあ、こうしていろいろと予想しているときが楽しいんですよね。

今年も日本シリーズは全戦ナイター。両チームとも本拠地がドーム球場だとはいえ、だんだん寒くなってくる中で選手たちにはかわいそうですが、おかげさまで私たちは仕事の終わった後に生中継を楽しめます。浜松にいれば全試合を大画面テレビで視聴できるはずなんですが、現在は研修中の身。つくばの宿舎では、自室にテレビがなく、ラジオの受信状況もかなり悪いので、実際にはどのくらい生中継を楽しめるのか不透明です。一応対策は考えているんですが、どうなることやら…また報告します。


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コメント

“SHINJO劇場 vs オレ竜” への2件のフィードバック

  1. かば姉のアバター
    かば姉

    4勝1敗で日ハム…だったらいいな(笑)

    テレビ観戦も楽しいんですが、ラジオ中継も好きですね。
    見えない部分をどう表現するか、アナウンサーの力量が試されたりしますが(笑)
    映像をテレビ画面で、音をラジオ中継で。なーんて楽しみ方もありますわね〜!。
    シンジラレナーイ!ハムとオレ竜。
    今週末が楽しみです

  2. S.S.K.のアバター

    私も「テレビ画面+ラジオ実況」は結構好きですよ。ちょっと実況がうるさすぎるかな?と思うときもありますけどね。特に、ラジオ中継は地元局のアナウンサーが地元チームを応援しながら、時には絶叫してしまったりして(笑)。

    ラジオ中継にも味がありますが、やっぱりテレビで見た方が状況がよくわかります。今泊まっている宿舎には自室にテレビがないんですが、日本シリーズを機に新兵器を導入して、見られるようになりました。でも、テレビを買ったわけではありません。これについては改めて別コーナーで報告しますね。

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