この週末は、WPC TOKYO 2006に行ってきました。日経BP社が主催する、パソコンやデジタル関連機器の展示会です。まだ発売されていないような各社の新製品を実際に目で見て、ものによっては手で触れてみることが出来ます。
私がこの手のものが大好きなのは、SSK World内のいろいろな記事を見ていただければ良くおわかりかと思います。普段から、もの選びにはダイレクトな感覚が大事だと思っていますからね。前から一度は行ってみたいと思っていましたが、浜松から新幹線に乗って出かけるのはさすがに大変です。しかし、今来ているつくばからなら、東京は距離的にも、時間的にも、経済的にもそれほど遠くありません。せっかくなのでちょっと覗きに行ってみよう!と思ったわけです。
入場料は「2,000円」とアナウンスされていましたが、実は事前登録さえしておけば無料で入場することが出来ます。登録には特別な資格や条件が必要なわけでもなく、Webサイトや携帯電話で簡単に登録することができます。パソコンで登録すると、バーコードが表示された確認画面が出てきました。これをプリントアウトして持っていきます。ケータイの場合は、QRコードが表示された画面を画面メモで保存しておくのだそうです。
会場は、有明の東京国際展示場…というよりも、「ビッグサイト」と言った方が皆さんにもよくわかりますよね。「よくひっくり返らずに立ってるよなぁ」という独特なスタイルの巨大な建造物は、遠くから見てもよく目立ちます。
受付でプリントアウトして来た紙を渡すと、「名刺をいただけますか?」と聞かれました。しばしばIT関係では突っ込んだ記事を書いている私ですが、これは全くの趣味。普段は全然違う仕事をしています。何だか気恥ずかしくて、思わず「こういうのとは全然関係ない仕事なんですが…」と答えたところ、「それで結構ですよ」と言われたので、とりあえず1枚渡しました。
すると、その名刺を何かに入れて、私の方に返してきました。見ると、それは首からかけるIDカード。名前などを書き込む代わりに名刺を使ったんですね。まあ、私の名刺は個人的趣味で顔写真を入れたり、連絡先のQRコードを入れたりしていますから、遠目から見ればかなり業界人っぽく見えたかも知れません。風貌もかなりアキバ系な自信がありますし(笑)。
中に入ると、ものすごい人の波。見回してみると、背広の上下をきっちりと着込んだ人が多いようです。基本的に製品の見本市ですから、仕事で来ている方が多いはずで、こうなるのは当たり前ですよね。それでも、いかにもカジュアルな服装で来ている人たち、さらには学生服姿の人たちも結構見かけました。
ウィルコムのブースでは、発表されたばかりのW-OAM対応W-SIMや、これを組み合わせて販売される「9(ないん)」の実物が展示されていて、実際に手にとって操作することも出来ました。「9」を持った印象は、一言で言うと「ちっちゃいなぁ」。その筐体内にぎっしりと部品が詰まっているのか、手に持つとちょっと「ずっしり」感があります。
同じくウィルコムのブースでは、私も持っているZERO-3[es]に使える周辺機器として、miniSD型の無線LANカードとBluetoothカードも展示されていました。どちらも、装着すると筐体から5mmくらい飛び出して、[es]の場合にはminiSDカードスロットの蓋が閉まらなくなってしまいます。しかし、より低消費電力で電波を遠くに飛ばそうとするとアンテナを外に出すのが有効で、こうするしかなかったのだとか。何を優先するかがポイントですね。
広大な会場の4分の1近くを占めているのが、マイクロソフト社のブース。来年初頭に登場する予定のWindows Vistaと2007 Officeを大々的にアピールする展示になっていました。ブース内にいくつも設けられたステージでは、この新しいOSとオフィスアプリケーションパッケージのデモンストレーションが繰り広げられ、200台以上のパソコンで実際に来場者が操作できるようになっていました。
私も、Windows Vistaや2007 Officeに実際に触れてみました。Windows VistaのRC1版は、既にダウンロードで入手していましたが、自作デスクトップ機にインストールしてみようとしても何故かうまく行かず、もどかしい思いをしていました。ですから、動くWindows Vistaを見るのはこれが初めてでした。
新しいものに触れると、どこかワクワクするような気持ちがあるものですが、Windows Vistaからは全然それを感じませんでしたね。ウィンドウ枠から背景が透けて見えたり、それらが3次元アニメーションで動かせたりする新しいインターフェース・Aero Glassは確かに綺麗です。でも、変わったのは見栄えだけで、肝心の中身がどう変わったのかが全然伝わってきません。プレステ2登場以降、ひたすら派手な演出で勝負するようになったコンピュータゲームの姿と重なって見えます。一部のIT系サイト記事には「Windows Vistaの『眺望』はハリボテかも」のような論調もありましたが、共感せざるを得ません。
Windows XPが出てから5年も経つのに、OSで出来ることはそれほど変わっていないような印象を受けます。「出来ること」とは言っても、細々としたユーティリティソフトを増やして欲しいわけではありません。パソコンをもっと万人に使いやすい道具にするために、アプリケーションの基盤であるOSが出来ることはまだまだあるはずです。Windows Vistaでは、ファイル管理や検索にもっと劇的な新技術が投入される計画があったのだとか。これこそまさにOSの用意するべき機能です。
初めて見に行ったWPC TOKYOでしたが、正直なところちょっと期待外れでした。来年からも行こう!とは思いませんでしたね。まあ、一度見ておけばどんなものかがわかるわけですから、全然損したとは思っていません。実際に触れることが出来る…という見本市のメリットはちゃんと享受できましたからね。
そんな風に感じたのは、普段からIT関連の記事はインターネットでこまめにチェックしていますから、初めて見るものが少なかった…ということもあるかも知れません。また、出展企業の顔ぶれや展示商品が自分の趣味と合わなかったこともあるかも知れません。例えば、レッツノートシリーズをモデルチェンジしたばかりの松下電器は展示を出していませんでした。もっとも、これにはちゃんと理由があったと思っているんですが…これについてはまた場所を改めてご紹介しようかと思っています。
「Weekend」を冠してはいるんですが、今回WPC TOKYOに行ったのは20日の金曜日。まあ、週の最後ですからWeekendでいいですよね(笑)。背広姿の人が多かったのは、それが理由かも知れません。もっとも、この日は10月下旬とは思えないくらい暑くて、上着は脱いで肩に掛けている人も多かったんですが。
この日は、有明の会場に向かう前に秋葉原に寄ってあるアイテムを探しましたが、残念ながら何処に行っても売り切れでした。探していたのは、日本シリーズに向けての秘密兵器(!)。この件についてもまた改めてお話しする機会があると思います。
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