槇原敬之がCHEMISTRYをプロデュースして、今月発売されたばかりの新曲「約束の場所」…実はCHEMISTRYはあまり好きではないのでまだ聴いていなかったんですが、この曲にちょっとした騒ぎが持ち上がっています。漫画家の松本零士氏が、彼の代表作の一つ「銀河鉄道999」の中の台詞と、この曲の歌詞の一部が酷似していると主張したんです。問題の部分は以下の通り:
「約束の場所」:
夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない
「銀河鉄道999」:
時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない
確かに字面を見るとそっくり。しかし、じっくり読んでみると、「時間」と「夢」が入れ替わっていることと、後半部分の言い回しの変化で、文章全体の意味はかなり変わってくるような気がします。おそらく、前後の文章まで含めればもっと意味は変わってくるのでしょう。
芸術作品を作る端くれとして言わせてもらうなら、自分のオリジナル作品が「盗作」と言われるのは最も辛いことです。同じことを表現したいために、あえて借用する手法はあるわけですが、そうでもない限りは、他に同じ表現があることを知っていて使うのは、プライドが許さないはずです。しかも、言いたいことは全く同じではないのですからなおさらのこと。
槇原サイドが言うように、「記憶上のものを使用したかもしれない」と言うことはあるかも知れませんが、少なくとも故意に盗用したとはとても考えられません。たまたま同じになってしまった…という、出会い頭の事故のような気がします。それでも、彼はやっぱり松本氏に謝るしかないとは思いますけどね。
ところで、松本氏側は「私のスローガンのような言葉」で「彼が知らないわけがなく、勝手に使うのは盗作」とコメントしていたようですが、これにはちょっと首をかしげてしまいました。私は言われても全然わかりませんでしたからね。「銀河鉄道999」は、かつてテレビアニメで毎週見ていた筈で、そんな大事な台詞がアニメ版でカットされているとは思えません。何度も繰り返された台詞でもないようですし、それを「知らないわけがない」とまで言い切ってしまうのは、さすがに少々自意識過剰気味では?と思ってしまいました。
それよりも、いつも言うことなんですが、真似された側は怒るよりもむしろ喜んだっておかしくないと思うんですよね。それは、自分の作ったものの影響力がいかに大きいかの表れなんですから。一応「そっくりだ」と主張しておいて、それから笑い飛ばすくらいの度量があっても良いのでは?
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