今晩は、これからワイン会に出かけます。月に一回、浜松市内の酒屋・エスポアごとうさんが主催しているワイン会で、毎回いろんな料理屋さんを渡り歩いて、美味しい料理に合ったいろいろなワインを楽しむことができます。少し前に、純和風の料亭で開かれたことがあります。「和食にワイン?」と思ったわけですが、意外にぴったりのワインがあるものです。
ワイン会の最後は、赤ワインで締めることが多いですね。葡萄の皮も一緒に絞って入れる赤ワインは、独特の渋みと旨味、甘みのブレンドが魅力です。果実の部分だけで造る白ワインも、爽やかな飲み口が魅力なんですが、比べると赤ワインはやっぱり「オトナのワイン」という感じがします。
赤ワインといえば、「ポリフェノールが多く含まれる食品」として近年脚光を浴びましたよね。もともとは、フランスの人たちが脂肪分の多い食生活でも心臓病の死亡率が低いのは、赤ワインを常飲しているからではないか?というところから研究が進められ、抗酸化作用を持つ成分として脚光を浴びたのがポリフェノールだったそうです。この学説に基づいて、日本では1990年代以降赤ワインブームが起こり、「ポリフェノール」という単語がずいぶん身近になりました。
ポリフェノール(polyphenol)は「たくさんの(poly)フェノール(phenol)」の意味で、複数のフェノール性水酸基(ベンゼン環やナフタレン環に水酸基(-OH)がくっついた構造)を持つ植物成分の総称です。…と書いてもちんぷんかんぷんの方が多いかと思いますが、そういう化学成分の仲間があるんだ、程度に思っておいて良いでしょう。
数多くのポリフェノールが知られていますが、代表的なものにはお茶やワインなどに含まれるカテキン、ブルーベリーや紫芋の色素であるアントシアニン、そばに含まれるルチン、大豆に含まれるイソフラボン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などがあります。効能も実に様々です。健康をテーマにしたテレビ番組や雑誌などではお馴染みの名前が多いですよね。
ポリフェノールの抗酸化作用自体は化学構造上明らかなんですが、実際にフランス人の心臓病がこのおかげで抑えられているのかどうかは、議論の余地があるようです。この学説を最初に提唱したのが、フランスの一大ワイン生産地であるボルドーにある大学の先生だった…というところからして、ちょっと胡散臭さも感じてしまいます。
ポリフェノールを多く含んだ食品として有名なものに、チョコレートに使われるカカオ豆があります。これを根拠に、カカオ豆の含有率を示して健康食品としてのイメージを打ち出したチョコレートを、店頭でよく見かけるようになりました。甘いお菓子の代表格で、「食べ過ぎちゃダメよ」と言われそうなチョコレートで健康になれるなら、こんなに楽なことはありませんよね。
明治製菓の「チョコレート効果」ブランドで、こんな楽しいお試しセットが売られていました。カカオ分の含有率が63%、72%、86%、99%の小さな板チョコが1枚ずつ入って、組になっています。面白そうなので、買ってきてちょっと味見してみることにしました。
含有率63%のものは、普通のビターチョコレート。72%のものはちょっと苦みが強いかな?という「本格派」ビターチョコレートといった趣です。しかし、これが86%になると一変。カカオ成分の苦みが表に出てきて、粉っぽい口当たりが気になります。99%になると、とにかく苦い。もうこれは「チョコレート」とは呼びたくないですね…一言で言えば「良薬口に苦し」でしょうか。
食べやすい甘いチョコレートを大量に摂取すると、今度は糖分の摂りすぎが心配になります。赤ワインの場合でも、当然アルコールが入っていますからカロリーは高くなりますし、飲み過ぎで肝臓を患ってしまっては全然意味がありませんし…。美味しいものをたっぷり食べて健康に…というのも、そう簡単には行かないようです。
先にも触れたとおり、ポリフェノールには数多くの仲間があって、多くの植物には普通に含まれています。特に意識しなくてもある程度は摂取できているはずで、後は分量とお手軽さの問題…ということになりそうです。健康ブームの中で、いろんな食べ物に含まれているポリフェノールを探し当てて、順番に脚光を当てながら回しているだけ?という気もしなくはありません。
「健康」という言葉に人々が敏感になって、そこにつけ込んだ商法がいろいろとまかり通っているわけですが、裏を返すと現代の人々はそれだけ不健康を自覚しているんでしょうね。そう言う私自身も、かなり不健康の自覚がありますが、商売に単純に乗るよりも、自分でできることはちゃんとしてみたいと思っているところです。
ボジョレー・ヌーボーをブログの話題にしてしまうくらいですから、もちろんワインは好きです。冷蔵庫の野菜室にはワインのボトルがいくつも入っています。でも、これが増えたのもつい最近なんですよね。昔から、自宅で一人でお酒を飲むことはしませんでしたから。紫緒から「ワインセラー買おうよ」と言われているんですが、どうするのかは未定です。
今日の話題にした「お試し版・チョコレート効果」。包み紙の裏側にある原材料を見ると、「CACAO99%」だけは材料に砂糖とココアバターが入っていません。本当にカカオ成分の固まりなんですね。苦くて当たり前です。それでも、包み紙にはちゃんと「乳成分を含む製品と共通の設備で製造しています」と書いてあるのが目に付きました。アレルギーも現代社会の抱える厄介な問題の一つです。
それにしても、あの苦さには参りました。ちょうど生クリームが冷蔵庫に入っていますから、溶かしたチョコとこれを混ぜてミルクチョコレートに再生してしまいましょうか?
コメントを残す