悩めるひとりファミリー (1)

ちょうど一昨年の12月に購入したP902i。使い続けて2年が経ちました。新しもの好きの私が、2年間も同じケータイを使っているのは珍しいことだ…と言っても良いかも知れません。

ただ、振り返ってみると、ここ数年間では「ちょっと気になる」端末はいくつかあったものの、強力に購買意欲をそそるものは出てこなかったんですよね。そもそも、P902iを購入したときも、先代の不具合で買い換えを余儀なくされたわけですし。もちろん、この間に購入したZERO-3[es]は別ですが、あれはいろいろな意味で携帯電話とは別物です。

P902i・天然木カスタムジャケット

もう一つ、新機種の購入意欲を鈍らせた原因がこれ。天然木製のカスタムジャケットです。純正品のカスタムジャケットよりもかなり高価で、やや厚みもあり、しかも不透明なので着信表示LEDが点灯してももう一つ面白味がないんですが、やっぱり「本物」の質感が嬉しいですね。このカスタムジャケットへの愛着が増すごとに、買い換えに慎重になって行きました。

それでも、やっぱり不満は出てくるものです。一番気になっていたのは、バッテリーの持ちが悪いこと。紫緒に言わせれば「普段からケータイをいじりすぎだよ」ということなんですが、出先で交通機関の乗換経路を調べたり、パソコンから転送されるメールをチェックしたり…という程度で、自宅に帰り着く前にバッテリーが切れてしまいます。さすがにくたびれてきたかな?と思いますね。もしこれが仕様だとすれば、私にはスタミナ不足です。


そんな中で、弟・ささっちが今月ソフトバンク・X01Tを購入。晴れてスマートフォン生活をスタートさせました。スマートフォンの先輩ユーザーとしては、もちろん歓迎はするわけですが、このことが私にはちょっと影を落とすことになりました。

それまではNTTドコモの端末を使っていた彼ですが、今回、彼だけではなく妻・ぶんたさんも一緒にソフトバンクの端末に換えました。彼らとしては、ソフトバンク利用の家族同士なら通話無料の「ホワイト家族24」がありますから、当然の選択かも知れません。

一方、私は彼ら2人と一緒にファミリー割引を利用していた(紫緒は私の[es]となら24時間通話無料のウィルコムを使っていますから)んですが、これでファミリーはひとりきりに。それを「ひとりファミリー」と言って強がってはみたものの、要するにファミリー割引は崩壊です。1998年12月からNTTドコモユーザーで、現在10年目の私。「いちねん割引」24%+ファミリー割引25%でほぼ半額に割り引かれていた基本料金が、一気に1.5倍に跳ね上がることになります。現在の料金プランは基本料金3,780円のプランSSですから、値上げ分に相当する25%は945円。結構馬鹿になりません。


ぶんたさんからの「ホワイト家族24になりましょうよ」との誘いを、「社長が嫌いだから」と一蹴してしまった私。しかし、そんな大人げない理由で却下してしまうのもひどい話なので、改めていろいろ検討してみることにしました。P902iのバッテリーのこともありますし、2年も経つといろんな面で基本的な能力が向上していますから、機種変更はしてみようかな?と思っていましたしね。もちろん、一番安価な選択肢はNTTドコモを解約してウィルコム一本で行くことなんですが、公私ともに郊外に出かけることがかなり多い私にとって、携帯電話はどうしても手放せません。

この冬の商戦から、携帯電話の売り方はちょっと変わりました。これまでは、端末の販売価格を大幅に値引きして(「0円ケータイ」なんてものもあるわけで)、高めに設定された月々の利用料で値引き分を回収する…というシステムが続いていました。しかし、このシステムは総務省から「端末価格と通信料金が一体となっている事案が多数存在し、利用者から見て負担の透明性・公平性が十分確保されているとは言えない状況にある(平成19年9月21日報道資料)」と指摘され、端末価格と通話料を明確に分離した料金体系を部分的にでも導入するように、携帯電話各社に要請がありました。各社の対応が、ここにきて始まった…というところです。

この対応が各社で全然違うのが面白いですね。 NTTドコモは、今回の要請を機に、端末価格を高く設定する一方で月々の支払い金額を抑えた「バリュープラン」を前面に押し出し、従来のシステムを変えようとしています。一方、auは指摘されたのでとりあえず…と「シンプルコース」を用意はしたものの、基本的には従来通りのシステムである「フルサポートコース」を中心にしています。

ソフトバンクは、既に分割払いでの販売やホワイトプランなどの月々の支払いを抑えた料金体系を導入しているためか、特に動きはありませんでした。彼らにしてみれば、「総務省に言われる前から私たちはそうやっていた」と言いたいのでしょう。ちなみに、分割払いという方法はウィルコムも導入済みです。

それぞれのシステムの違い、各種割引サービスと共に、期間限定で展開されているキャンペーンも含めると、一番得なのはどこなのか?というのは、かなりややこしい話になります。理解するまでにかなり手こずった…というより、実際のところ理解できたのかどうかもかなり疑問なんですが、かなり長いお話になりそうなので、この続きはまた改めてということにします。


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