「悩めるひとりファミリー (1)」の続きです。ささっち夫妻がソフトバンクに乗り換えたことで、乗換も含めて根本的に携帯電話の料金プランを見直してみようと思った私。しかし、調べれば調べるほど中身はややこしく、一概にどうするのが一番得だ…とは言いにくいようです。
そこで、とにかく試算してみよう!ということで、最近の私の利用状況を考えて、毎月音声通話を20分、パケット通信を100,000パケット利用する…と設定し、ソフトバンクの他にauも加えて、各社の料金プランで月々いくらになるのか、ちょっとソロバンを弾いてみました。かなり巨大な表になりますが、ご覧ください。
なお、毎月の利用料だけでなく端末購入を含めて考えなくてはならないので、仮想的に購入機種を選んでいます。NTTドコモの場合は905iシリーズが全て同じ価格なのでこれを使いました。ソフトバンクでは、ちょっと気になる機種と言うことで、小型軽量、薄型の高級感あるスタイルに豊富な機能を盛り込んだ821SH(シャープ製なのが問題点ではありますが)を想定しています。auには、正直なところ現状で欲しい機種がない状態なんですが、Bluetoothも搭載したハイエンド機として、W54Tを想定しました。
NTTドコモ | au | ソフトバンク | |||
バリューコース選択のため買い換え | 905iに買い換えてベーシックコース選択 | auフルサポートコース | auシンプルコース | 新スーパーボーナスの利用 | |
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月額利用料 | |||||
音声通話プラン | タイプSSバリュー | タイプSS | プランSS | シンプルプランS | ホワイトプラン |
基本料金 | 2,100 | 3,780 | 3,780 | 1,050 | 980 |
無料通話分 | 1,050 | 1,050 | 1,050 | 0 | 0 |
基本料金割引 | ひとりでも割★50 | 誰でも割 | – | – | |
割引率 | 50% | 50% | – | – | |
通話料 | 840 | 840 | 840 | 630 | 672(*1) |
うち無料通話分 | -840 | -840 | -840 | 0 | 0 |
音声通話計 | 1,050 | 1,890 | 1,890 | 1,680 | 1,652 |
パケット通信割引プラン | パケ・ホーダイ | ダブル定額ライト | パケットし放題 | ||
通信料 | 4,095 | 4,410 | 4,410 | ||
ネット接続サービス | iモード | EZ WINコース | S!ベーシックパック | ||
料金 | 210 | 315 | 315 | ||
月額利用料計 | 5,355 | 6,195 | 6,615 | 6,405 | 6,377 |
端末購入価格 (2年間継続して利用すると仮定) |
|||||
仮想購入端末 | 905i | 905i | W54T | W54T | 821SH |
価格 | 58,800 | 58,800 | 43,050 | 43,050 | 71,520 |
コース別割引 | 0 | -15,750 | -21,000 | 0 | -52,800 |
割引名称 | – | ベーシックコース割引 | フルサポートコース割引 | – | 新スーパーボーナス特別割引(*2) |
キャンペーン割引 | -11,550 | -8,400 | -8,400 | 0 | 0 |
割引名称 | 冬割+3ヶ月間基本利用料割引 | 冬割 | 冬SALE | – | – |
割引後価格 | 47,250 | 34,650 | 13,650 | 43,050 | 18,720 |
1ヶ月当たり | 1,969 | 1,444 | 569 | 1,794 | 780 |
総計月額 | 7,324 | 7,639 | 7,184 | 8,199 | 7,157 |
*1 : ささっち家への通話は全通話の20%と仮定
*2 : 端末価格の支払い及び新スーパーボーナス特別割引の適用は3ヶ月目以降
音声通話の方からもう少し細かく見ていきましょう。まず際だつのは、NTTドコモ・バリューコースの安さ。何しろ、ひとりでも割★50を適用すれば、タイプSSバリューは1,050円の基本料金で1,050円の無料通話付きです。そして、基本料金980円で「安い!」というイメージを持たれているソフトバンクは、無料通話分が付いていないので、私のように月々の使用量がゼロではないもののあまり多くない…というパターンでは、タイプSSバリューの後塵を拝してしまうことになります。それでも、きちんと2番手につけてはいるわけですが。
auも含めて並べてみると、実は基本料金最低のコースでは、通話料自体はどのキャリアを選んでも全く同じ21円/30秒。一般的に「ドコモは高い」と言われることが多いようですが、自由競争の世界ですから、最終的に落ち着くところは限界近くでの横並びということになるのでしょうね。確かに昔はNTTドコモが一番高かったのでしょうけど…最初に付いてしまったイメージの刷り込みは恐ろしいものです。
次はパケット通信。「1,050円からの定額」というのが売りになっているauのダブル定額ライト(と、これより20円安いラインからスタートするだけで基本的には同じソフトバンクの「パケットし放題」)ですが、この両サービスでは、52,500パケットを使ったところで上限額の4,410円に達してしまいます。52,500パケットは約6.5MB。テキストメールのやりとりだけでこれだけ使うのはなかなか大変ですが、画像や音声、動画をフルに活用している人なら、意外に早く使い切るはずです。こうなると、NTTドコモのパケ・ホーダイの方が定額4,095円でわずかに安いんですよね。
実は、ネットサービスへの接続の基本料でもiモードは他より105円安く、パケット定額制料金と合わせて420円お得と言うことになります。音声通話と合計した月額利用料を比べても、NTTドコモが私の場合は割安…ということになります。
次に、端末の購入価格の方を見ていきましょう。2年間継続利用することを仮定して、総額を24分の1にして月額を算出していますが、これはNTTドコモとソフトバンクの分割払いの標準的な分割回数が24回になっていること、一括払いで購入する場合でも2年間の継続利用を前提とした割引サービス(「ひとりでも割★50」や「誰でも割」)が用意されていることが理由です。
月額利用料でぶっちぎりの安さを見せたNTTドコモのバリューコースですが、端末価格は最も高い水準に設定されています。もっとも、24回の分割払いにしてしまえば月々2,000円程度。基本料金の値下げ分に近くなります。他社の端末も、これまでよりも「本来の価格」はかなり高く設定されていますが、それぞれに値引きの方策を用意しています。
NTTドコモやソフトバンクの場合は、分割払いが基本で支払い金額の設定はキャリア側が握っていますから、どの店で購入しても、ポイントサービス等の割引は別として基本的にこの価格が動くことはありません。しかし、auの場合は一括払いのみで各店舗で独自に割引が設定できるので、店舗によって価格がかなり異なります。ここでは、地域の全店舗で行われているキャンペーンのみを適用してありますが、自宅近くのauショップでは「MNPなら全機種0円」という豪快な(笑)キャンペーンが行われていました。これでは比較のしようがありません。
端末価格自体は、今回並べた中ではソフトバンクの821SHが最も高く設定されています。しかし、ソフトバンクには分割払いの場合に月額利用料を大幅に割り引く「新スーパーボーナス特別割引」がありますから、これを考慮に入れれば、実質的にはこれまでと同様か、もしかするとそれ以上の値引きがされていることになります。
月額利用料と端末価格を合計した月々の負担額を見ると、思っていた以上に各社近接した数字になりました。バリューコースに力を入れているNTTドコモと、フルサポートコースを中心にするauの考え方の違いが、価格差になって明確に現れましたね。各社とも、方法はそれぞれ違うものの、なりふり構わないディスカウントで勝負に出ている…ということは確かです。
改めて並べてみると、余計に迷う材料を増やしてしまっただけのような気がします。ただ、金額面で大差がないということは、決め手になるのはそれ以外の面…たとえばサービスエリアの広さ、サービスや購入後のサポートの内容、端末の魅力などになってくるのではないかな?と思います。結局私はどうしたのか?…結果はまた近日中にお知らせします。お待ちください。
今回の売り方の変更は、「端末価格が安い方が良いか、月額利用料が安い方が良いか」という切り口で語られることが多いようです。私は、このどちらかを選ぶとすれば、月額利用料が安い方が嬉しいですね。毎月払っていくものですから、負担感が少しずつ蓄積していくのでしょうか。
もちろん、端末価格も安い方が嬉しいんですが、携帯電話は技術の粋を集めた超ハイテク製品です。本来なら、0円でバラまくのはもちろん、2~3万円でも安すぎるような気がしています。適正価格は、たぶんソフトバンクの出している定価の値札レベルなのでしょうね。製品の質に見合う出費なら、私は納得できます。高いお金を払って購入すれば、何年間でも大事に使おうとする気持ちも出てきますしね。
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