私の自作パソコンへのWindow Vista Ultimate 64bit版のインストールは無事終了しました。導入のために内部のパーツを大幅に交換(それでも「総取っ替え」にする必要はなかったわけで、私の趣味も入っていないと言えば嘘になりますが)させた「ワガママVistaちゃん」ですが、その選り好みの矛先は、タワーの内部だけでなく周辺機器にも及ぶこととなりました。
もっとも、これはVistaであることよりもむしろ64bit版であることが大きく作用したといえそうです。さすがにメインストリームを歩む後継OSですから、32bit版ならドライバにはあまり苦労しませんが、64bit版への対応はしていない…というものはかなり見かけます。ただ、あの超マイナーなWindows XP Professional x64 Editionにわざわざ対応していた機器は、たいてい64bit版のVistaにも対応しているようです。早くから64bit環境への対応を考えていたことが、ここで報われたような気がします。
64bit命令が実行できるCPUは既にかなり多く出回っているんですが、OSの64bit化は想定していた以上に遅々として進みません。OSが普及しないからドライバが揃わない、ドライバが揃わないからOSが普及しない…という悪循環を招いている気がします。もっとも、64bit版OSが普及しないのは仕方ない面もあります。「64bitでなくては」「64bitならでは」といったアプリケーションは、まだまだクライアント用途では限定的です。Vistaがなかなか普及しないのと根は同じところにあります。
結局、64bit版Vistaに対応できなかった周辺機器は、XPの64bit版にも対応していなかったあの2つだけでした。キヤノンのプリンタ・PIXUS 990iと、同じくキヤノンのスキャナ・CanoScan 8000Fです。どちらも32bit版XPの時代には現役バリバリだったんですが、寂しい限りですね。とはいえ、スキャナはもう5年前の製品。考えてみると、むしろ5年半も「最新版のOS」であり続けたWindows XPの方が、この業界では特異な存在かも知れません。
実は、プリンタの方は既に対策がちゃんと決まっていました。紫緒が持ってきた数少ない嫁入り道具(?)の一つに、これまたキヤノンのPIXUS iP8600がありました。実に8色ものインクでカラー印刷を行う、PIXUS 990iの直系の後継です。同じ方向性のものが2台あっても、片方しか使わないだろう…ということで、990iの方は売りに出しました。ちなみに売値は3,000円。思いの外高く売れたので、二人で回転寿司を食べに行ったら使い切ってしまいました(笑)。
iP8600の場合、ドライバはVistaのDVD-ROMに含まれていて、接続するだけで自動的にインストールされます。しかし、このドライバでは従来提供されていたドライバのすべての機能が使えるわけではありません。キヤノンのWebサイトから機能追加モジュールをダウンロードしてインストールすれば、「完全版」になります。
ただ、ひとつ問題なのは、iP8600で印刷したいときにどうしても一手間かかってしまうこと。ネットワーク共有プリンタに設定しておけば、使うたびにUSBケーブルをつなぎ替える必要はなくなりますが、今度はその都度つながっているパソコンの電源を投入する必要があり、これはこれで面倒です。このあたりを解決する素晴らしいソリューションが既に登場していますから、追って導入してみましょう。
残念ながら、スキャナの方にはそんなに都合のいい後継者は現れませんでした。ときどき紙原稿を読み込むだけならFAX複合機が使えるわけですが、連続して多くの原稿を読む機会が多いので、隣の部屋に置いてあるFAX複合機を使うのではずいぶん手間がかかります。それに、需要はずいぶん少なくなったとはいえ、フィルムスキャンにも対応できるようにしておきたいですし。
…と、いろいろな言い訳を考えた末に、新しいスキャナを購入しました。これまたキヤノンのCanoScan LiDE 600Fです。4,800dpiの高解像度で読み取りが可能なハイエンド機ですが、その割には劇的に薄い筐体が印象的です。何よりも、USBバスパワーでの駆動が可能なのは嬉しいですね。使いたいときに、スキャナとパソコンをUSBケーブルでつなぐだけですぐ使えます。
しかも、この薄さなのにフィルムスキャンもちゃんとこなします。このときには、専用のフィルム読み取りユニットを接続して使いますが、USBバスパワー駆動であることは変わりません。考えてみると、このユニットの透過光を使うときには反射原稿用の光源は不要になりますから、完全に切り替えてしまえば消費電力は大差なく、十分バスパワー駆動は可能なんですよね。
ちなみに、光源には反射用、透過用とも低消費電力のLEDが使われているそうです。RGBの3色とフィルムの傷検知用の赤外線を使い分けて、1列のセンサーのみでフルカラー原稿を扱えるようになっています。そんな複雑な構造になっていると心配なのが読み取り速度なんですが、これが意外に早いんです。反射原稿の読み取りなら、先代の8000Fを明らかに上回ります。フィルムの読み取りだとかなり遅くなりますが、これはもともと非常に遅かったので、大して気にしていません。
電子データが入手できない印刷物をちょっとOCRしてみるなど、スキャナの出番が増えました。これまでよりも気軽にスキャンを活用できる、便利なアイテムですね。
職場のパソコンでは、セットアップ後もさんざんワガママ放題にしてくれたVistaちゃんでしたが、我が家では注文が少々うるさかった(苦笑)以外には特に暴れることもなく、大人しく仕事をしてくれていました。…しかし、このまますんなりと終わらないのが「自作PCドタバタ日記」なんですよね。この続きはまた回を改めて。
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