悩み抜いたひとりファミリーが出した結論は、「このままNTTドコモとお付き合いし続ける」でした。金銭的にはっきりとした差が見られない以上、勝負になるのはサービスの質の部分になる…というのが前回までの話なんですが、この部分を見ても各社で明確な違いが感じられなかったんです。ただ、サービスエリアの広さ、ネット接続サービスによるコンテンツの量と質などを見ると、NTTドコモに一日の長があると思えます。
また、前回にも少し触れた、「端末価格が安い方が良いか、月額利用料が安い方が良いか」という面で、NTTドコモのバリューコースは強力です。分割払いだと月額は他のパターンとそれほど違いはありませんが、一括で支払えばいきなり翌日からお得なバリュー生活が始まります。もちろん端末購入そのものは高価な買い物になりますが、高度な情報機器への対価としては納得できるかな?と思ったわけです。
もう一つ考慮したのが、既に8,400ポイント貯まっていたポイントサービス。これを使えば、バリューコースの一括払いでも、従来の機種変更価格と大差ないレベルまで金額が下りてきます。契約10年目で、ドコモプレミアクラブにも入っている私の場合、ポイントの貯まり方もかなり早いんです。これを使えば、今後もかなりお得な価格で機種変更ができるはずです。
バリューコースを利用するためには、最新機種である905iシリーズを購入する必要があります。新しもの好きの私にとっては、これはむしろ望むところなんですが、問題はどの905iを選ぶか。気になっていた機種は2つありました。一つは、縦にも横にも開くWオープン型筐体で、およそケータイに内蔵できるモノはすべて取り込んだ超ハイエンド機のP905i。そしてもう一つは、905iシリーズとしての高度な機能のほとんどを、折りたたんだ状態で12.9mmという薄さに収めたN905iμです。
デザイン面では、高級感があって、胸ポケットにもすんなり収まってしまう薄さのN905iμが大幅リード。しかし、N905iμには905iシリーズの看板機能の一つであるワンセグ放送の受信機能がありません。また、P902iの持っていた機能で、私が注目していたBluetoothも内蔵していません。その点P905iはシリーズのキャッチフレーズ「ALL IN」を見事なまでに体現した「全部入り」。後になって「この機能が付いていれば良かったのに」と思うことはまずなさそうです。
ただ、ワンセグ受信機能については、全く必要性を感じていませんでした。いくら受信が無料だとはいえ、ローカル放送のコピーだけを、最低限の解像度でしか見られない現在のワンセグ放送は、せいぜい暇つぶしの一部。データ通信も分量を気にせず定額制で利用できるわけですし、ワンセグに情報としての付加価値があるとはとても思えません。将来的に独自放送が始まればまた別なんですけどね。むしろ、相当迷ったのはBluetoothの方。しかし、あんな記事を書いたばかりではありますが、利用できる環境が全然整わない中で、優先順位は低くなりつつありました。
そこで決め手になったのが、かば姉さんがP905iを購入したこと。後から同じ物を買うのは嫌だったんですよね。どうしても使いたい!と思ったら、貸してもらってFOMAカードを差し替える…という手もありますし(笑)。気になる機能が2つ省かれているのと引き替えに、私は高級感のある薄さを手に入れることにしましょう。
こうして、我が家にやってきた新端末はN905iμでした。本体色はいつもはシルバーやブラックを選ぶことが多い私ですが、今回は「Venus Gold」と銘打たれたメタリックゴールドです。Dr.コパによると今年のラッキーカラーは金・銀・赤・白…ということだったので(笑)選んでみました。シンプルにしてゴージャスさを感じるデザイン、品のある華やかさが印象的です。こういうものに魅力を感じるようになってきたのは、私がそれだけオトナになってきた…と言うことなのでしょうか。
先にもちょっと触れましたが、ドコモポイントによる割引を利用して、一括払いで購入しました。N905iμは他の905iよりもちょっとだけ安価なこともあり、価格は3万円台になりました。ちなみに、分割払いを選んだ場合には、月々の支払額が均等に減らされるわけではなく、最初の数ヶ月分の支払いにポイントが使われる形になるそうです。
最大のセールスポイントはその薄さ。先代・P902iだって、当時の90xiとしては決して厚い方ではなかったはずなんですが、並べてみると愕然とします。N905iμを折りたたんだ全体の厚さは、P902iのキー側の厚さ程度しかありません。カメラのある部分はもう少し厚いんですが、それでも両者の差は歴然としています。
液晶画面の差も圧倒的です。「フルワイドVGA」と称される480×854ピクセルの画素数は、QVGA(240×320ピクセル)のP902iと比較すると実に5倍以上。ここまで細かくなると、さすがに小さな文字が5倍並んでもあまり嬉しくありませんが、フォントがなめらかになって字が読みやすくなっているのは良いですね。
筐体が薄いこともあり、個々のキーのパーツが独立していないシートキーが採用されています。操作性に不安がありましたが、これが意外にクリック感もあり良好。キーの間に立てられたリブ(LEDライトが点灯している部分)が、誤操作の防止に役立っているようです。
充電台は、N905iμが立った状態で差し込まれる、これもシンプルながら気の利いたデザイン。筐体を開いた状態でも充電台に立てられます。これに接続する充電器は、以前のFOMA用のものがそのまま使えます。ただし、海外での利用には、新しい100~240V対応充電器が必要だそうで、これを買い増すかを窓口で訊かれました。一昨年のアメリカ行きで借りたN900iGと同じように、905iシリーズは海外でもそのまま使えるようになったので、こういう話が出てくるんですね。当面は海外渡航の予定もありませんから、充電器は買い足していません。
P902iよりも前には、ずいぶん長い間Nを使っていましたし、現在のPとNの操作性はもともとよく似ていますから、乗り換えても比較的わかりやすいはず…なんですが、新機能もいろいろ増えていますし、実際には覚えなくてはならないことがかなり多いです。相変わらずマニュアルが分厚くて、読み進めてはいるものの、なかなか全貌がつかめません。実際に使ってみる中で、またいろいろとレポートしたいと思います。
ところで、私がN905iμを買いに行ったのは、かなり強く雨の降る日だったんですが、ドコモショップの店員さんが、商品の入った手提げの紙袋に、すっぽりとビニール袋で雨よけをかぶせてくれました。おかげで、全く中身は濡らさずに持ち帰ることができました。高価な買い物ですし、こうした細かい気遣いは嬉しいですね。他のキャリアの販売店でも、同じようなサービスはしてくれるのでしょうか。ちょっと気になるところです。
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