桃色歌合戦?

2008年がやってきました。当方、喪中につき年賀のご挨拶とは行きませんが、今年もSSK Worldをどうぞよろしくお願いします。今まで通り、週に1度はどこかが変わるWebサイトにしていきたいと思っています。

昨日の大晦日は、例年通りNHKの紅白歌合戦を見て過ごしました。去年亡くなったZARDの坂井泉水が、映像でのバンドメンバーとの競演で「紅白初出演」となりました。また、美空ひばりの「愛燦燦」が、作詞・作曲の小椋佳とのデュエットで披露されました。この2曲は、紅白のチーム分けに入らない特別企画だったそうですね。どちらも、平井堅の「見上げてごらん夜の星を」と同じように、故人のパフォーマンスに周りが後から音を重ねているわけですが、どんなに技術が進歩しても越えられない壁を感じてしまいました。

この2曲に限らず、紅白の色分けに疑問を持つような場面がいくつも見られました。もともと、DREAMS COME TRUEやmihimaru GTのような男女混成グループはどっちに入るんだろう?という話はあるわけですが、どうもこれは「紅組」と決まっているようですね。紅組の絢香と白組のコブクロのコラボレート曲「WINDING ROAD」も、絢香の出番で披露されました。混成グループでは、前面に立つのが女性…ということが多いので、仕方ないのかも知れませんね。

白組のトップバッター・美川憲一の出番には、「桃組」の応援団・IKKOと真島茂樹が登場しました。「身体は男性、心は女性」という皆さんにスポットが当たることが増えましたね。「オネエキャラ」という一言でくくられることが多いわけですが、「彼女」たちはそれぞれの本業で確たる実績を残しているからこそ脚光を浴びているわけで、単なる色モノとして語るべきではないと思います。最も考えさせられたのは、性同一性障害を公表して歌手活動をしている紅組・中村中(なかむら・あたる)の出演でしょうか。「友達の詩」は、彼女ならではの心情を歌った切ない曲です。

今回の審査結果の発表は、東京タワーのライトアップの色で行う…というとても奇抜な演出でしたが、私には「ああ、そういえばこの番組は紅組と白組の対抗戦だったのか」と思い出させる場面となりました。素晴らしい音楽作品の数々に、どちらが優れているか評価を与えるのは不自然な気がします。そもそも、対抗戦にする必要はあるのでしょうか?…以前から感じていたそんな思いをさらに強くする、今回の「紅白」でした。


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