ここ数年で国内に広まってきた電化製品に、「電気ケトル」と呼ばれるものがあります。従来使われてきた電気ポットと同じように、熱湯が欲しいときに使う道具ですが、電気ポットとは異なり保温機能は持ちません。欲しい分だけの熱湯を、その都度沸かして使うことになります。少々の時間待たされますが、保温する分の電気は要らないことになりますから、省エネルギーになります。欧州では以前からメジャーなアイテムだそうですね。
このジャンルでは、取っ手が外せる鍋でも有名なティファールの製品に人気がありますね。紫緒の実家でもティファールの「アプレシア」を使っています。ピンク色のかわいいポットが、コーヒー1杯分(140ml)の水を約1分で沸騰させます。
我が家では、コーヒーサイフォンでもお馴染み、ハリオのパワーケトル・EPK-12Wを使っています。1リットルの水を約6分半で、最低限度の500mlなら3分半ほどで沸騰させる性能を持っています。ハリオ自慢の耐熱ガラス製ですから、中で水が沸騰していく様子がよく見えるのが面白いところです。衛生面でもガラス容器は有利ですね。
普通のやかんを使ってガスコンロで沸かすよりは早く沸きますし、電気ポットと比べても私は全然不便は感じていません。ただ、現在は娘のミルクを作るために電気ポットの方も低めの温度でスタンバイさせていますから、電気代が安く済む利点は実感できていないんですけどね。
電気ケトルのことを書いているうちに、「私のエコライフ」と題して書いた記事を思い出しました。環境に配慮した生活について考えてみたこの記事は、もう4年半も前のものです。その後、環境に対する配慮は、あらゆる面においてますます重要な課題になっています。今や、これを抜きにしては人類には未来がない…ということが、人類共通の認識といっても言い過ぎではないでしょう。
二酸化炭素などの温室効果ガス、有害な化学物質等の排出を抑えたり、資源の無駄遣いを防いだりするためには、個人レベルでの取り組みも非常に大事です。しかし、現実的には、私も含め多くの人たちは自分が生きていくことで精一杯です。「eco」な取り組みと、一人ひとりの「ego」との間で、どのように折り合いを付けていくのかがポイントになってくるのだと思います。
「私のエコライフ」でも、環境を保護しようとする意識を高めるより、得なこと、あるいは楽なことを選ぶとそれが環境保護につながる…というアプローチの方がうまくいくのではないか?という趣旨の話をしました。ego→ecoが直結する図式が作れれば理想的なんですが、これは非常に難しいことです。これらを結びつけていく方法が求められます。
ecoな生活は、たいていの場合個人に対しては何らかのマイナス要素を強いることになります。「私のエコライフ」でも例に挙げた省エネルギーへの取り組みは、光熱費の減少という実益につながる点で、比較的ecoとegoの距離が近い優等生なんですが、これに伴って生活が不便になるのが普通です。このマイナス分を何らかの方法で抑えたり、補ったりしていかないと、なかなか浸透していきません。
egoへの影響を、技術革新で少なくしていく取り組みも大事ですよね。電化製品が使わないときにもリモコンの待ち受けなどの目的で消費している、いわゆる「待機電力」が一時期やり玉に挙がりましたが、各社の取り組みでずいぶん削減されているようです。先に挙げた電気ケトルも、「egoへの影響を最小限に抑えたeco商品」といえそうです。
環境に優しくない行動にペナルティーをかける手法もあります。例えばレジ袋の有料化がそうですね。生協のスーパーマーケットでは、既にレジ袋は1袋10円で販売されています。初めて行ったときには、「10円いただきます」と言われてかなりムッとしましたが、怒っても仕方ないので、今では生協に行くときには自分の買い物袋を持って行きます。もっとも、普段は24時間営業をしている別のショッピングセンターに出かけるので、生協はあまり利用していないんですけどね。
ecoな生活に貢献するものの一つとして、最近気になっているのが電気自動車。スバルのR1e、三菱自動車のi MiEVが、それぞれ来年の一般向け発売を目指して開発の終盤にさしかかっているようです。遠い未来の技術だと思っていた電気自動車は、思いの外早く身近なところに現れそうです。
大容量の電池を電源に、モーターを回して走る電気自動車は、走行時には二酸化炭素を全く排出しません。もちろん、発電する段階では二酸化炭素を排出している訳なんですが、トータルで考えればガソリンエンジン車よりも排出量は少なくなるのだそうです。
電気モーターは、エンジンと比べると幅広い回転数で回転力を引き出すことができますから、動力性能としてはエンジンを上回る場面があります。試乗記事を読み漁ってみると、「クルマとしての走る楽しさ」という面でガソリンエンジン車よりも高い評価を得ています。また、燃費の安さも魅力の一つ。深夜電力で充電すれば、ガソリンを大幅に下回ります。
現状の問題点は、百数十キロという連続走行距離ですが、近所に買い物に行くなどの使い道なら、これでも全然問題ありません。毎晩帰宅した後で家庭用電源につないでおけば、翌朝には充電完了…という運用もできます。むしろ問題になりそうなのは販売価格。R1eもi MiEVも100万円台後半の値札が付きそうです。軽自動車としては相当高価ですよね。
電動車両普及センターでは、ハイブリッド車や電気自動車の購入に対して補助金を交付しています。Webサイトで概要を読んでみましたが、決定的な問題点が一つあります。車の所有権が本人のところにないと補助を受けられないんです。大多数の人は、分割払いで車を購入しますが、この場合は販売店が所有権を留保していることがほとんどですから、補助は受けられません。これでは、個人向けには使えません…というより、個人向けには使って欲しくないのかも?と思ってしまいます。
個人的には、未来的なデザインのi MiEVのパッケージングにはかなり興味があります。紫緒は、iのデザインが結構お気に入りのようです。問題点がクリアできるのなら、乗ってみたい気はしますね。
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