人間というものには、どういう訳か「先っぽ」に憧れる性質があるようです。75歳にして世界最高峰・エベレストに登ってしまった三浦雄一郎氏のような根性は、さすがに私は持ち合わせていませんが、出かけるときには、ついついそこにある「先っぽ」を目指したがります。例えば日本一高い富士山の頂上、日本最北端の宗谷岬…他にもいろいろあります。
この週末の目的地は、伊豆の先っぽ。伊豆半島最南端の石廊崎です。伊豆以外から行こうとすると、かなり大変な道のりになりますが、下田の我が家からなら距離はせいぜい20km弱、車で40分くらい。家で昼食を済ませてから出かけました。これまでに目指した先っぽと比べると、あまりにもお手軽です。
とりあえずナビに目的地を入力して走り始めました。下田から石廊崎に行くには、国道136号線を走り、南伊豆町・日野の交差点を右折せず直進して県道16号線に入り海岸線沿いに走る…というのが常識的なルートだと思いますが、ナビは何を血迷ったか(苦笑)、下賀茂温泉あたりまで国道を進み、山道を越えて石廊崎に南下する「走雲峡ライン」経由のルートを指示。それでも、県道には黄色い矢印の規制表示が出ていましたし、せっかく案内されたのだから…と指示通りに走ってみました。
しかし、走雲峡ラインは予想していた以上の細くてカーブの多い山道。海を見るドライブのはずが、周りに見えるのは森ばかり。新緑の時期で、これはこれで楽しむべきなのでしょうけど、なんだか損した気分で走り抜けました。時間も1時間近くかかってしまいましたし。
車で行けるのは、遊覧船も発着する石廊崎漁港のところまで。そこからは、1kmほどの遊歩道を歩いていくことになります。前半は石畳の上り坂、後半は下りになりますが、最後の最後で急な階段があります。「ベビーカーでも行けるよ」と聞きましたが、娘を抱っこひもで抱えて歩くことにしました。
石廊崎の最先端はまさに断崖絶壁。まさにその場所まで歩いて行くことができます。岬の先端から下をのぞき込むと、海の青さと深さに吸い込まれそうになります。そして、太平洋を望むと地球の丸さが実感できます。まあ、この写真で水平線が丸く見えるのは、単にレンズのせいで歪んでいるだけだと思うんですけどね。
その先端には何があるのか?…何と、こんなところに神社の祠があるんですね。この熊野神社は縁結びの神様だとか。
そしてもう一つ、断崖絶壁に張り付くように石室(いろう)神社の社殿が建っています。数十メートルしか離れていないんですが、一応別の神社らしいですね。富士山の山頂にも浅間神社があるわけですが、こうして人がなかなかたどり着けないような先っぽには神様がいるんだ…という古来からの思想は、理解できる気がします。
石廊崎といえば、もう一つ忘れてはならないのが石廊埼灯台ですね。神社のある先端よりも一段高い場所に立っています。近くで見るとこぢんまりした灯台で、中を見学できるわけでもありませんが、実に絵になる灯台です。
往復2kmの起伏のある道を、娘と荷物を抱えて歩くとさすがに汗だくになります。それでも、辛いとは全然思いませんでした。伊豆半島有数の景勝地として有名な石廊崎ですが、名前に負けない、訪れた私たちをがっかりさせないスポットでした。娘がもう少し大きくなったら、今度は遊覧船に乗って海から見上げてみたいですね。
もちろん、下田までの帰り道は海岸沿いの県道を走りました。やっぱり海が見える方が楽しいですね。残念ながら、カーブは結構多いので、運転手はあまり景色を見ている余裕がありませんが。
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コメント
“伊豆の先っぽ” への2件のフィードバック
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伊豆は景勝地の宝庫ですね〜
ますます訪れてみたくなりました。
お魚も美味しいんだろうなぁ(^_^)/▼☆▼\(^_^) -
かば姉さんへ:
誇大広告抜きで、伊豆半島は景勝地だらけですよ。まだまだ行っておきたいところばかり。毎週末に出かけても回りきれないかも、です。
魚と言えば、先日、ご近所から釣ったお魚を分けていただいて、塩焼きにして食べました…残念ながら刺身にさばく技能は持っていなかったので(汗)。もちろん、とても美味しかったですよ。
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