先週に続いて家族の話になってしまい恐縮なんですが、今週は娘が1歳の誕生日を迎えました。身長は生まれたときの約1.5倍に、体重は約2.5倍になりました。写真を見比べてみると、ずいぶん大きくなったものです。
ことあるごとに触れていることですが、誕生日は1年を無事に過ごせたことに感謝する日だと思っています。とにかく、ここまで無事に育ってくれたことがとてもうれしいですね。もちろん、この先の方がずっとずっと長いはずなんですが。
誕生日当日には、市内のケーキ屋でバースデーケーキを用意し、近所のスーパーで寿司を買ってくるなどして、3人でささやかな誕生パーティーを催しました。部屋の電気を全て消して、ケーキの真ん中に1本のろうそくを立てて、"Happy Birthday to you"を歌いました。娘にとっては何が何だかわからなかったかも知れませんが、生まれてきてくれてありがとう、元気に育ってくれてありがとう…そんな思いを込めました。
ところで、この日にはパーティーの料理とは別に用意した食べ物がありました。それが、今日のタイトルでもある一升餅。その名の通り、2kgほどもある大きな丸い餅です。
一升餅は、1歳の誕生日をお祝いするための餅で、人間の一生と掛けて「一生餅」と書かれたり、「誕生餅」と呼ばれたりもします。これを袋に入れて背負わせることが多いようですが、餅の上に立たせる「踏み餅」をする地方もあるようです。「一生食べるのに困らないように」という思いがあるのだそうですね。
…と偉そうにうんちくを並べては見ましたが、実は私は紫緒から「一升餅、どうしよう?」と訊かれるまでこの風習のことを全く知りませんでした。思わず「何、それ?」と聞き返してしまったくらいです。
私自身には、一升餅の記憶がありません。…と書くと、そんなに小さな頃のことを覚えているわけがないだろう?と突っ込まれそうですね。でも、写真も一枚も残っていませんから、一升餅は背負わなかったのでしょう。写真が残ってさえいれば、きっと一度は母に「これ、なあに?」と訊いて、「いっしょうもち」というキーワードは頭に刷り込まれているはずです。
一方、一升餅の話を紫緒のご両親にしてみたら、すんなり話題がつながっていました。同じ地域の中でも、背負う家と背負わない家があるようです。最初は、節分の恵方巻きと同じように、ローカルな風習が誰かの策略で全国区にのし上がったのかな?と思っていたのですが、ついにその証拠を掴むことはできませんでした。
例によって、一升餅はネットショッピングによるお取り寄せです。品質と価格を秤に掛けて、数多くのお店から選べるのが良いところ。当日に宅配してもらえるのも魅力です。今回一升餅を注文した「伊富貴」さんは大阪の和菓子屋。2,000円台半ばのお値段で、名前に違わぬ一升餅に娘の名前を入れてもらえて、小さな背負い袋とお菓子2個まで付いてきます。
さて、問題の一升餅の様子は?なんですが、餅を背負わせた娘を立たせてみると、そのまま尻餅をついて座り込んでしまいました。何が起こったのかわからず、きょとんとした様子。初めてのことばかりですから、無理もないのかも。
紫緒は娘に派手にすっ転んで泣き叫んでほしかったらしいですね。といっても、決してそういう趣味があるわけではないと思います(笑)。あまり早く独り立ちしすぎると寂しいから…などと言って、しっかり歩ける子供でもわざと転ばせてしまう地方もあるのだそうです。おそらく、紫緒の実家での一升餅もこの流れに近いのでしょう。
これではつまらないから…ともう一度手を取って立たせてみました。今度は無事に(?)転んでくれましたが、それでもやっぱり泣きません。「強い子だなぁ」と、勝手に親バカな解釈をして喜ぶ私たち夫婦でした。
娘に背負わせた後の餅は、一口サイズに切り分けました。これを、本来なら親戚一同におすそ分けしたいところなんですが、遠い下田にいる身ではそれもままなりません。
とりあえず、切った餅は冷凍しておくことにしました。これなら、数ヶ月は保つはずです。12月になれば、浜松まで「第九」の演奏会を聴きに戻りますから、そのときに紫緒の実家にはお土産に持って帰ることにしましょう。
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