今日は、アクトシティ浜松の大ホールで開かれた、浜松フロイデ合唱団のベートーヴェン「第九」演奏会を聴きに行きました。たびたび話題にしていますが、浜松に住んでいた頃に大変お世話になった合唱団の皆さんの、今年の集大成の晴れ舞台です。
今回も、ただ聴きに行くだけではなく、少しでもお役に立ちたいので、演奏会運営のボランティアに参加しました。夏の浜松混声合唱団のときと同じように、演奏が始まる前だけのお手伝いにさせてもらいましたから、演奏は客席で聴けます。ステージの上からはこれまでにも何度か、あとは主催者事務室で1度聴いているわけですが、客席で第九を聴くのは、浜松フロイデ合唱団以外のパフォーマンスを含めても初めて。楽しみにして出かけました。
当日だけ参加のボランティアといえども、「Staff」と書かれた名札をぶら下げて歩いていますから、来場されたお客様からいろいろな質問を受けることがあります。私は団員としての経験もありますから、たいていの質問には答えられると思うんですが、お手伝いにだけ来ていただく方は、質問内容によっては戸惑うでしょうね。私と同様にボランティアで参加した紫緒は、「シャンパンを飲めるところはありますか?」と訊かれたのだとか。こんな質問にもちゃんとお答えした彼女は、合唱団員歴では私よりも先輩です。
開演5分前に客席に滑り込んで、そのときを待ちました。見回してみると、私たちの座った1階席から最上段の4階席まで、空いている席はほとんど見あたりません。ほぼ満席です。近年チケットの売り上げは毎年のように伸びていて、今年は当日券や中学生の無料招待席の確保にも苦労したようですね。チケットの販売方法にもそろそろ見直しが必要なのかも知れません。団員へのチケット「責任枚数」の割り当てが軽減できれば、参加の敷居はさらに低くできると思うのですが。
第一楽章が始まってすぐに感じたのは「いつもと音が違う」ということ。各パートの音量バランスがずいぶん違って聞こえます。聴いている場所が違うわけですから、聞こえてくる音が変わるのは当たり前なんですが、特に背後で絡み合っている副旋律がずいぶん細かく聞こえてきます。コンサートホールは客席で演奏を聴くように作られているわけですから、そこで聴くときの条件が最も良いのは当たり前ですね。
腰を据えて全楽章を聴いたこと自体ずいぶん久しぶりでした。第4楽章で合唱団の出番が来るまでは、1時間くらいオーケストラだけの演奏が続きます。さすがにプロたちの演奏ですから、十分に楽しませてもらえます。個人的には、ティンパニの激しい連打が続く第2楽章が好きですね。
これが、第4楽章になるとそうも言っていられなくなります。夏の演奏会とは違い、演奏されている曲は毎年同じ。この曲の難しさも、それを克服するための団員の皆さんの練習も知っていますから、どうしても人ごとでは聴けないんですよね。上手く歌えるだろうか?と、ステージの上に立っているとき同様に…いや、それ以上にドキドキします。
第九の合唱のポイントはだいたい知っているつもりですから、「難所」にさしかかる前にはついつい身構えてしまいます。何とか乗り切れたり、ちょっと残念(苦笑)だったりするわけですが、歌うのに必死なステージ側とは違い、こちら側の緊張は相当なものでした。とはいえ、不快感は全然ありませんでしたけどね。この緊張感こそがライブの醍醐味でもあります。この日のステージに全てをかけた思いが伝わってきました。そんな思いを共有できたのは、やっぱり嬉しかったですね。
演奏会の始まる前や終わった後に、団員の皆さんとお話しすることができました。また、今日は客席にいた元団員の皆さん、ボランティアとして参加していた皆さんとも、いろんな話で盛り上がりました。まるで、成人式会場で久々に会った中学時代の同級生のようです。
もっとも、合唱団の「同級生」は実際にはかなり年が離れていることも結構多く、これがまた楽しさを増幅してくれます。合唱団という場がなければ、一生話をする機会なんかなかったかも知れない皆さんです。こうした人のつながりは大事にしていきたいですね。そして、いつかは浜松に戻って、また歌を歌いたいと思っています。
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