2月になると、伊豆には桜の季節がやって来ます。いちばん有名なのは河津桜でしょうか。…と書いたのは先週のことでした。やっぱり一番有名なところは外せませんよね。今回は河津桜を紹介させてもらいましょう。
河津桜は、オオシマザクラとヒカンザクラの自然交配で生まれた品種といわれています。全国で広く植えられているソメイヨシノよりもやや濃いめのピンク色の花を、1月末頃から楽しむことができます。河津町の町の木にも指定されていて、町内では至る所に植えられています。今年も2月7日から3月10日までの日程で「河津桜まつり」の開催中です。この時期の伊豆観光最大の目玉…と言っても良いでしょう。
水曜日・11日は祝日で仕事は休み。この日に河津桜を見に行きました。熱海に行ったときに少々懲りたので、今回は電車で河津に向かうことにしました。例によってお出かけはのんびり昼頃から。伊豆急下田駅からだと河津駅まではたったの3駅、15分ほどの短い旅です。
河津駅に着くと、ホームではたくさんのお客さんが電車の到着を待っていました。私たちが降りると、電車の中になだれ込みます。階段を下りて改札に向かうと、向かいの下り線ホームから大量の人たちが降りてきて、大渋滞になっていました。さすがに全国レベルの観光地です。
駅から出てちょっと歩くと、河津川沿いの桜並木に着きます。河津桜が一番たくさんまとまって植えられている場所ですね。この時期だと、さすがにまだ満開とは行きませんが、十分お花見が楽しめるところまで開花は進んでいます。
今回も、娘に歩く練習をさせるつもりで行ったんですが、ここは熱海を超える人の波。密度が高すぎて、好きなように歩かせる余裕がありません。仕方ないので、私が抱きかかえて歩きました。しかも、娘は途中で疲れてしまったのかお昼寝タイム。寝てしまうと、突然体感重量が増すんですよね。ベビーカーも持って行けば良かったんですが…。家に帰ったら、筋肉痛でちょっと大変でした。
桜並木からちょっと足を伸ばすと、河津桜の原木が立っている場所に行くことができます。案内に沿って歩いていくと、ごく普通の民家の庭先に着いてしまうのにはちょっとびっくりします。そして、ここにも人がたくさん。2車線の街道沿いで、車道に人がはみ出さないように交通整理が行われていました。
この家の住人・飯田さんが早咲きの桜の木を見つけ、ここに植えたのが昭和30年頃だそうです。新種の桜であることがわかり、「河津桜」と名付けられたのは1974(昭和49)年のこと。意外に歴史は新しいんですね。現在は樹齢50年を超えているであろう原木は、立派な大木になっています。すでにほぼ満開に近く、華やかで堂々とした姿を見せてくれます。
河津桜の原木と反対側にちょっと足を伸ばすと、峰温泉の大噴湯公園があります。今月オープンしたばかりの、新しい観光スポットです。
伊豆半島には数多くの温泉がありますが、この「大噴湯」はその中でももっとも派手なものの一つかも知れません。1926(大正15)年に掘り当てられて以来、毎分600リットル、100度Cの熱湯が噴出しています。そのまま噴き上げさせると高さ30mにもなるのだそうですが、普段は噴き上げ口を絞りお湯を利用しています。
もちろん温泉としても重要な大噴湯ですが、その派手なビジュアルも観光資源として活用しよう!ということで復活させたわけですね。1時間おきに、1分ほどの短時間ですが噴き上がる姿を見せてくれます。
間近で見る30mの水柱はもちろん迫力たっぷりなんですが、気になるのは周囲にかなりの水しぶきが飛んでくること。100度Cの熱湯も落ちてくる間にすっかり冷めて、かなり冷たいので要注意です。ビニール傘が置いてはありますが、来客の人数と比べると全然足りません。USJの「濡らすのもサービスのうち」に通じるものを感じました。
公園の敷地内には足湯があります。ここまで3km近くを歩いてきましたし、ちょっと浸かってきました。身体が温まって気持ちよかったですね。他にも、桜まつりの開催されている一帯にはいくつも足湯があります。「足湯巡り」をしてみるのも一つの楽しみ方かも。
この週末は所用で浜松に帰省していて、今日下田に戻ってきました。帰り道はいつものように国道414号線を南下しましたが、修善寺あたりから河津市街まで、対向車線の車の流れはほとんど途切れませんでした。あの物寂しい天城越えの山道で渋滞が起こっていたほどです。明らかにこれは「河津桜渋滞」ですね。現地ではほとんど車の必要性は感じないはず(無料のシャトルバスもあります)ですし、やはり自家用車よりも公共交通機関で来られた方がよろしいかと思います。
河津桜の見頃はまだまだこれから。私からわざわざ言うまでもなく、お勧めの観光スポットです。一足早い春を感じていただければと思います。
コメントを残す