3月になりました。2月はあっという間に過ぎてしまいましたね。「1月よりも3日短い」というだけでは説明できない気がします。熱海梅園にはもう一度行ってみようかと思っていたんですが、気がつけばすっかり盛りを過ぎてしまいました。南伊豆や河津の早咲きの桜も、緑の葉がかなり目立つようになりました。2月末にして、伊豆では早くも春の観光シーズンが一段落です。
そんな2月の最後、28日の土曜日に、1月に積み残してあった宿題を片付けに出かけました。東伊豆・稲取で開催されている「雛のつるし飾りまつり」です。3月末まで開催されていますが、娘の桃の節句の前に是非行っておきたかったんです。
「雛のつるし飾り」は稲取での呼び名で、普通は「つるし雛」と呼ばれることが多いですね。我が家にもひとつありますが、布で作られた小さな飾りに糸を通してつり下げたものです。これを、桃の節句のひな壇飾りの両脇に飾ります。昔の庶民にとっては、贅沢品であったひな壇飾りの代わりとして、手作りできるものでお祝いしよう…という存在でもあったようです。50種類とも言われるいろいろな形の飾りがあり、それぞれに違った意味が込められているのだそうです。
稲取地区では、江戸時代後期から行われていた風習であることがわかっています。今では結構どこに行っても見られるつるし雛ですが、同種のもので歴史的な資料が残っているのは、稲取の「つるし」の他に山形県酒田市の「傘福」、福岡県柳川市の「さげもん」くらいのものだそうです。稲取地区が「雛のつるし飾り発祥の地」にこだわるのはわかる気がします。
祭りの期間中には、稲取の町の各地で展示が行われています。そのうちの一つが、1月に訪れた「雛の足湯」の隣に建っている文化公園「雛の館」。今回は、ちゃんと午後イチで到着して、真っ先に入りました。
館の中では、ひな壇飾りの周りに数多くのつるし雛が飾られています。飾りにはいろいろな色が使われているので、その奥行きのある配置も相まって、実に華やかな雰囲気になります。目を存分に楽しませてもらいました。
来場者はかなり多く、建物があまり広くなく距離がとれないこともあって、思ったアングルで写真を撮るのにも一苦労でした。室内もかなり暗めになっていますが、フラッシュを焚いてしまうとせっかくの雰囲気を削いでしまいます。写真を撮って帰りたい方には、ちょっとハードルが高いかもしれませんね。目にも十分に焼き付けて帰りましょう。
雛の館の隣で、ウサギが飼われていました。柵の中に入って、直接触れあうこともできるようになっています。館の中では、思うように歩き回れないこともあってちょっと不機嫌だった娘でしたが、ここでは大喜びでした。私たちもほっと一息です。
もちろん、足湯にも入ってきましたよ。前回ほどではありませんでしたが、高めの温度設定はやはり足湯の定番のようです。体が温まりました。
他の展示会場でも、それぞれに違った展示を楽しめました。「むかい庵」では、古い雛飾りを見ることができます。「岬の館」では、傘福とさげもんの展示(稲取と合わせて「三大吊るし飾り」なのだそうです)がある他、男の子向けのつるし飾りも見ることができます。鯉のぼりや刀、弓矢など、女の子向けのものとは違う飾りがぶら下がっているのがおもしろいですね。余裕があれば、できるだけ多くの会場を回ってみることをお勧めします。
今回は、紫緒と娘を乗せて車で走り回りましたが、稲取の町は入り組んだ狭い道が多く、かなり気を遣う場面も多いです。一応徒歩で回れないこともない範囲ですし、シャトルバスも運行されていますから、伊豆急で伊豆稲取駅まで来た方がよいかもしれません。
稲取から帰ってきて、我が家にもひな人形を出すことにしました。展示会場では、どこに行ってもつるし雛はひな壇飾りに添えられているものでした。押し入れの中にはちゃんとひな人形があるのに、眠らせたままにしておくのでは娘も人形もかわいそうです。
ただ、やっぱり七段飾りを組み立てる場所は確保できなかったので、今年は本棚1段分を使って親王飾り…ということで許してもらえないかな?と思っています。
明後日・3日には、3人でささやかなひな祭りパーティーを開くつもりです。この日を迎えられることに感謝しながら、娘の元気な成長を願うことにしましょう。
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