今日は、浜松混声合唱団の演奏会を聴くために、アクトシティ浜松の中ホールに足を運びました。SSK Worldには何度も登場していますが、夏にはこの演奏会で歌い、そして年末には浜松フロイデ合唱団でベートーヴェンの「第九」を歌っている皆さんは、浜松で私が大変お世話になった仲間たちです。もちろん、今回もこの日のために下田から駆けつけました。
1984年に「浜混」が誕生してから、今年で25年になります。激動する社会の中で、四半世紀の間、多くの時間と労力を費やし、本業でもない活動を途切れさせずに続けていくのは並大抵のことではありません。創立当時から歌い続けている団員もいますが、ほとんどはそれよりも後で加わったメンバーです。さらに、私たちも含め、かつてステージに立った元団員たちが、当日の演奏会運営のボランティアなどで支えています。多くの人たちの力の上に、今日の演奏会があります。
今日は会場内の整理のお手伝いをしました。全席自由席のホール内で、空いている座席をお客さんに案内したり、詰めて座ってもらえるようにお願いしたりする役割でしたが、座席がどんどん埋まっていくのを見ているのは嬉しいものです。2階席も含めてほぼ満員。毎年、団員の皆さんがポスターを貼って回ったり、チラシを配ったり、一人ひとりが口コミで宣伝活動をしてお客さんを集めているわけですが、1,000人強の中ホールの客席を埋めるのは容易なことではありません。長年の活動が、多くの人々に認知されてきた面もあるのではないでしょうか。
今年もステージは3部構成。第1ステージでは、皆さんにもお馴染みの曲を、女声合唱、男声合唱も取り混ぜながらいろいろな形で聴かせてくれます。第2ステージは、「第九」演奏会のソリストとして共演したこともあるテノール・小貫岩夫氏によるゲストステージでした。
そして、第3ステージは、団員たちがこの半年間一生懸命練習した、今年一番歌いたい、一番聴いてほしい作品を披露します。ここ数年は日本の合唱組曲を歌っていますが、年々曲の難易度が上がっているような気がします。今年歌われた「幼年連祷」もかなりの難曲で、練習ではとても苦労したようです。聴いていると、ついつい「譜面はどんな風になっているんだろう?」と考えてしまいますね。まだ歌っている側の感覚が抜けきっていないのかも知れません。
細かいことを言えば、どうも完全にはハモっていない(不協和音程でも独特の「ハモリ」は感じ取れるものです)箇所もあった気がしますが、破綻しているようなことはなく、ステージをちゃんと仕上げてくれました。強弱の表現にも苦労の跡が感じられましたね。特に、弱い音で音程を保ち、表情を付けるのはとても大変なんです。
毎年新しい作品に挑戦していくことで、合唱団としての「歌唱力」は年々進歩していると思います。しばらく合唱団からは離れてしまっていますが、またいつか復帰したときに皆さんのレベルにどれだけついて行けるのか。「幼年連祷」の全5曲を聴き終えたときには、そんなことを考えていました。
アンコールの最後で、会場の皆さんと一緒に歌う曲を用意するのもこの演奏会のお馴染みの演出になりました。今年は「見上げてごらん夜の星を」。坂本九の代表曲の一つ…と説明する必要もないくらいのスタンダード・ナンバーですよね。実は、この曲は私たちの結婚式の二次会で出席者の皆さんから歌ってもらった曲。そのときのこともちょっと思い出しました。
もちろん、曲そのものはよく知っているわけですが、この日のキーはオリジナルよりも低く、どちらかというと女性向け。合唱団ではテノールで歌っていた私にはちょっと低めでした。しかし、問題はそれ以前のレベル。きちんと腹の底から声を出すことが全然できていません。そんな自分に気がついて愕然としました。去年「大きな声で歌っていたから見つけた」と話してくれた団員さんとは、残念ながら今年はお話ができませんでしたが、今年は紫緒の声はともかく私の声は彼女のところまでは届かなかったかも知れません。
「客席に座っているからうまくいかない」という次元の話ではありません。実際に、ピアノの弾き語りをしながらでも素晴らしい声で歌える人は何人も知っています。どうしてできなくなってしまったのか?…これはもう、実際にそうやって声を出すことが減ってしまったからとしか考えられません。娘の前でいろいろな歌を歌うことはあるわけですが、合唱で歌うときほどは気合いが入っていない気がします。歌を聴かせるのを教育として考えれば、これでは全然ダメですよね。
このままでは、合唱団に復帰できたとしても、技術的なことを偉そうにどうのこうの言う以前に、発声法を一からやり直さなくてはなりません。情けない限りです。私の側には発声にはこだわりを持っている紫緒という先生がいますから、リハビリには手抜きは許されないと思っています。とりあえず、娘に聴かせる歌からもっと本気で腹筋を使うことにしましょう。ずっとそれを続けていけば、再びステージに立つその日までには、何とか元のレベルにまでは戻せるかも知れません。
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