今日は、静岡県知事選挙の投票が行われました。投票日には、いつも朝早いうちに出かけて投票を済ませてきます。下田での私たちの投票所は、徒歩で10分少々のところにある公民館。妻の紫緒と、娘と3人で、お散歩がてら歩いて出かけました。娘にとっては初めての投票日。まあ、彼女にとっては「今日のお散歩はちょっと違うなぁ」という感覚なのでしょうけど。
小選挙区、比例代表…と次々に投票用紙を渡される衆議院議員の総選挙のような面倒なことはなく、1枚渡される投票用紙に、知事候補の名前を一人書いて、投票箱に入れればそれで終了。あっという間に終わりました。その後は、前日に出かけたフリマの後片付けなどもしながら一日を過ごし、夜の開票速報を待ちました。
このくらいの歳になると、知事選も何度か経験しているわけですが、今回は今までと全然雰囲気が違いましたね。私にとって、今回の知事選には二つの「初めて」がありました。
ひとつ目は、この選挙の結果で知事が交代することがはっきりしていたこと。今回の選挙は、前職の石川嘉延氏が、静岡空港の建設に絡んで地権者からの要求に応えて辞任したことに伴うものでした。先に県の行った測量結果に間違いがあった…というのがそもそもの原因で、これで知事が辞めなくてはならないのはなんだかかわいそうな気もしますが、ともかく石川前知事は空港開港のために最後には自らの職も賭して「刺し違えた」わけです。
石川氏は、まもなく4期目の任期を終えるところでした。つまり、在職期間はほぼ16年。それまでは、知事選といっても「石川氏の信任選挙」という色合いだったんですが、今回は一転して、それぞれ個性的な新人4人による選挙戦となりました。私たちの一票ずつが、「新しい知事」を選ぶことになります。もちろんそれは責任であり義務であるわけですが、私にとっては政治にちょっとだけでも参加できる嬉しさの方が強かったですね。
そう感じた方が多かったからなのか、今回の投票率は前回よりも15%ほど高く、6割に達しました。それでもまだ有権者の5人に2人は投票をしていないことになります。せっかくもらえる権利です。使わなくては損だと思うんですが。
そして、ふたつ目は別に知事選に限った話ではなく、実に個人的な話。今回の選挙は、私が初めて父親として迎えた選挙です。
これまでは、選挙があると、将来の日本をどうしていくのか?という、比較的大きなレベルの話を考えて自分の一票を決めていることが多かったんですが、今回は全く逆。妻と娘、私たち一家が一番幸せになれる選択はどれなのかを第一に考えました。
一見、考える範囲が狭くなって簡単なようにも思えますが、実際には全く逆。結果が自分たちに直接返ってくる可能性もあるだけに、実に迷いましたね。投票所に行って、投票用紙をもらって、鉛筆を手にして…という段階で、まだ誰の名前を書くか考えていました。
開票が始まってみると大激戦。結果は、浜松にある静岡文化芸術大学の学長だった川勝平太氏が、参議院議員だった坂本由紀子氏を得票数でわずかに上回り、新しい静岡県知事になりました。
川勝氏を支援したのは民主党などの国政の野党、坂本氏を支援したのは自民党など与党側…ということで、選挙運動の始まる前から、来るべき衆議院選挙の「前哨戦」として、全国的に注目を集めました。川勝氏の当選で、マスコミでは次は国政でも政権交代か?という論調が強まりそうです。
ただ、静岡県内にいて今回の選挙を見ていると、党派の話はあまり関係なかったような気がします。むしろ、16年間続いた石川知事の県政から、何かを変えてみたいと思った人が多かったのかな?と感じています。そう考えると、意外に影響を与えたのは、石川前知事が坂本氏の応援演説に積極的に立ったことだったのかも知れませんね。
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