なかなか明けない東海地方の梅雨ですが、それでもいよいよ夏本番です。気温もどんどん上がります。冷たい飲み物がおいしく感じられるようになりますね。
コーヒーも、アイスで飲みたくなることが増えてきます。しかし、コーヒーにこだわるあまり、コーヒーは豆の状態でしか保管していない(さすがに焙煎はしてありますが)我が家の場合、アイスコーヒーを飲もうとするとちょっと頭をひねることになります。
普通に熱湯から抽出する方法でアイスコーヒーを淹れる場合、重要なポイントは抽出した熱いコーヒーをできるだけ早く冷やすこと。これを実現するためには、保温機能がついている普通のコーヒーメーカーやサイフォンは使えません。普通のドリッパーでコーヒーを落とし、下のポットに氷を入れておくことになります。ただ、この場合氷が溶けてコーヒーが少なからず薄まってしまうのが悩みの種です。
エスプレッソマシンから、氷を満たしたグラスの上にコーヒーを直接落とす方法もあります。もともとが非常に濃いエスプレッソなら、氷が溶けて薄まっても、アイスコーヒーとしてちょうど良いくらいにはなってくれます。これは、最近はファミレスのドリンクバーなどでもお馴染みの方法ですよね。私もよく愛用しています。
これとは全く違う考え方で淹れるコーヒーもあります。熱湯ではなく冷たい水を使う水出しコーヒーです。これなら後から冷やす必要はなく、出来上がったものはすでにアイスコーヒー…ということになります。
とはいえ、別に水出しコーヒーはアイスコーヒーを淹れるための方法というわけではなく(実際、水出ししてから温めてホットで飲む場合もあるわけで)、水を使うのにはそれなりの理由があります。水を使うと、熱湯と比べて豆の中から苦み成分が溶け出しにくく、まろやかな味わいのコーヒーになります。一方で、コーヒーらしい香りではやはり熱湯抽出に分があるような気がしますね。
水出しコーヒーは「ダッチコーヒー(Dutch coffee)」と呼ばれます。なぜオランダ?となるわけですが、これはかつてオランダの植民地であったインドネシアで、現地産の苦みの強い豆でコーヒーを淹れるために考案されたから…ということのようです。
水出しコーヒーでは、冷水を何時間もかけてゆっくりとひいた豆の上に落としていきます。このために作られた「水出しコーヒーメーカー」は、皆さんも喫茶店などで見たことがあるかも知れませんが、コーヒーサイフォン以上に化学実験器具っぽさの漂う、なかなか大げさな仕掛けです。個人でも一応買えないことはありませんが、エスプレッソマシン以上に値が張りますし、相応の置き場所も必要です。
もうちょっとお手軽に水出しコーヒーを楽しめるのが、ひいた豆を水中に浸けて一晩ほど置く方法。これなら、特別な装置は要りません。この方法のための「水出しコーヒーバッグ」や「水出しコーヒーサーバー」といった商品も売られていますが、我が家では100円ショップなどで売られているお茶パックにひいた豆を詰めて、普通の水差しに入れています。豆を直に入れてもいいんですが、後が面倒ですからね。
あとは蓋をして、冷蔵庫に入れて一晩放っておくだけ。翌朝には美味しい水出しコーヒーが出来上がっています。お好みで豆の分量や放置時間を調節してみましょう。普段から時間に余裕のない方、器具のメンテナンスが面倒な方にもお勧めです。
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