久しく映画館には足を運んでいません。しかし、別に映画や映画館が嫌いになったわけではなく、いろいろな事情でなかなか映画館に行けない状況にあります。せめて自宅で映画館の雰囲気だけでも楽しみたい…ということもあって、テレビを大きなものに買い換えたわけですが、これも娘の「おかあさんといっしょ」に占拠され、なかなか私には選択権が回ってきません(涙)。
それでも、たまにはテレビ放送やDVDで映画を見せてもらえることはあります。このたび、映画「魔法にかけられて」のDVDを観ました。昨年春の公開前からとても気になっていた作品です。
アンダレーシア王国の森の中で、動物たちと仲良く、楽しく暮らしている娘・ジゼル。王子エドワードと出会って二人は恋に落ち、結婚することになります。王子に王位を奪われるのを恐れた女王は、魔法の力を使い…
…と、ここまでは伝統的なディズニー・アニメーションの王道を行く展開。しかし、この後ジゼルが現代のニューヨークの実写世界(!)に送られてしまうところが、この作品のオリジナルたる要素と言ってよいでしょう。ジゼルを追いかけて、アニメーション世界のキャラクターたちが次々にニューヨークに現れて大暴れ(笑)します。
彼らは突然歌いだしたり(まあ、ミュージカル映画ではみんなそうなんですが)、動物たちにお掃除を手伝ってもらったり…と、アニメの中と同じように振舞うわけなんですが、ニューヨークでそれをやられては、相当アブナイ人たちと思わざるを得ません。だいたい、衣装からしてアニメの中そのままですから、実写になるとまるで仮装大会。ディズニー伝統の「おとぎ話」の世界を、ディズニー自身がある意味パロディーにしてしまったわけです。個人的には、エドワード王子のぶっ飛び具合が楽しかったですね。
もちろん、ディズニーがやるわけですからただの色モノに終わるはずがありません。実に真面目な作り込みがこれまた楽しいんです。特殊効果満載の部屋掃除のシーンもすごいんですが、圧巻なのは、セントラル・パークをまるでディズニーランドのようにしてしまったミュージカル・パレードのシーン。カラフルな色彩、一糸乱れぬダンスは見事です。
そして、ストーリーそのものも、現実的な思考にすっかり毒されて(?)しまったニューヨークの人たちと触れ合う中で、お互いが「真実の愛」の形を考え直す…という、ディズニー映画らしい王道パターンに帰着しているところが面白いですね。話の展開はわかったはずなのに、ついつい何度も見直してしまうDVDになりました。葵の御紋や桜吹雪が登場するとホッとしてしまう、時代劇のノリに似たところがあります。
ちなみに、この作品の中には往年のディズニーアニメ映画に敬意を表したシーンがいくつも仕掛けてあります。昔からのファンの方には、きっとニヤリとしていただきながら楽しめるはずです。
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