日本人がパソコンを使っていく上で切っても切れない存在なのが、「日本語入力システム」と呼ばれるプログラムです。皆さんは、普段からキーボード上からかなやローマ字で文字を打ち込み、これが当たり前のように、ほぼ自動的に漢字交じりの文章に変換されていくわけですが、よく考えてみるとこれは実に高度な処理作業です。
もっとも、日本語対応のOSを使っている限りは、これは標準で組み込まれていることが当たり前なので、今どきのパソコンユーザーの皆さんにとっては、そうしたプログラムを意識する機会は少ないのかもしれません。しかし、私あたりになるとパソコンというものに向き合ってもう20ウン年。漢字コード表を引きながら1文字ずつに対応する数値を探して入力していく頃も知っています。まさに隔世の感がありますね。
OS標準品以外の日本語入力システムとして、おそらくもっとも有名なのがATOKでしょう。ジャストシステム社が、日本語ワープロソフト「一太郎」の文字入力用システムとして開発を続けてきたものです。かなり初期の頃からワープロ機能の部分と文字入力の部分が分離されていて、一太郎を使っているとき以外でもATOKの入力環境を利用することができました。
私も、もう10年以上の間、自分のパソコンでの日本語の文章入力は基本的にATOKを使って行っています。職場のパソコンでは、Microsoft Officeに付属しているMS-IMEを使わざるを得ないんですが、操作方法が異なるだけでなく、目的通りの漢字にたどり着くまでに時間がかかり、実にストレスが溜まります。裏を返すと、それを感じさせないATOKの変換がいかに賢いか…ということかも知れません。それにしても、MS-IMEのしばしばおバカさを露呈してしまう変換は何とかならないものでしょうか。
ずいぶん大昔に一太郎を購入して以来、ATOKは一太郎のバージョンアップ版の付属品として入手してきました。最近は、毎年2月になるとバージョンアップが行われていましたが、2008年、2009年は購入せずに、ATOK2007を使い続けていました。ほとんど使わない一太郎を買うのは何だかもったいない気がしてきたこと、そしてATOK単品だとバージョンアップ製品は買えず、10,000円近い価格で通常版を買わなくてはならないことが理由でした。機能の向上も、だんだん実感しにくくなってきましたしね。
2008年になって、ATOKには新しいライセンス方法が登場しました。月額制のライセンスです。1ヶ月につき300円で、常に最新版のATOKを利用することができます。毎年最新版をパッケージやダウンロードで購入するよりも割安になります。さらに、1年分をまとめ買いする「スターターパック 1Year版」なら、もう少し割り引かれた価格で購入できます。
先月から、この月額版ライセンスでATOKを利用しています。最新バージョンのATOK 2009と同じ機能を利用できるようになりました。最新版が登場すれば(また来年2月頃でしょうか)、その都度入れ替えて利用できることになっています。月に2回程度インターネット経由でライセンス確認をしているようですが、同時に使用しないことを条件に10台までのPCにインストールすることができるので、自作デスクトップにも、レッツノートにもインストールしています。
この月額版ATOKは、ジャストシステム社のWebサイトからダウンロードしてインストールすると、ライセンスキーを入力する前は30日間使用できる「体験版」として動作する仕掛けになっています。MS-IMEの文字入力に不満を持ったことのある方は、是非使ってみることをおすすめします。月々300円を支払うだけの価値はあると思いますよ。
そういえば、ダウンロードすると最初は体験版として機能し、ライセンス番号を購入すると期限付きの利用権が入手できる…というのは、ウイルス対策ソフトと全く同じですよね。ソフトウェアを「カネ」にしていくためには、こういうスタイルの方が合理的な気がします。
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