さあ行こう、次の光へ

既に各所で話題にしているとおり、この4月から浜松に引っ越してきたわけですが、引っ越しと言えば切っても切れないテーマの一つが、インターネットの利用環境をどう移行するのか。過去にも、環境の変更については何度か話題にしているわけですが、毎回違った意味で頭を使う羽目になります。

下田に住んでいたときには、家にはADSL回線を引いていたわけですが、その前に浜松に住んでいたときには超高速の光回線を使っていた私が、どうしてADSLに「戻った」のか?というと、単に「それしかなかったから」。下田市には、まだ個人ユーザーが光ファイバーを自宅に引き込むサービスが一つも存在しません。私にとっては、ミスドがないこと以上の衝撃でした。

「最大47Mbps」のADSLでしたが、実際には下りが6Mbps前後。100Mbpsがほぼ額面通りに出てしまう光ファイバーからの移行だと、速度差は明らかに体感できました。まあ、それで頑張るしかありませんでしたから、文句を言うのはすぐにやめてしまいましたが。


そんな私でしたから、引っ越し先を浜松に決めたときには、また光ファイバーを引きたい!と思ったわけなんですが、一つ問題だったのが、引っ越し先がギリギリになるまで決まらなかったこと。住所が確定しないことには、回線の申し込みができません。住所によって、どのサービスが提供されるのかが変わってしまいますから、これは仕方のないことなんですが。

先にお話ししているとおり、3月27日(土)に転居先の契約が内定しました。光ファイバー回線を提供する通信事業者やインターネットプロバイダ各社では、Webサイトからの回線開設の申し込みを受け付けていますが、これらの場合、申し込みフォームに入力を済ませてから実際に手続きが進むまでにどうしてもタイムラグがあります。返答が来た頃には既に4月になっている恐れもあります。そこで、各社のWebサイトで情報を確認しておいてから、旧回線の撤去を依頼するNTT西日本の116番通話で、同時に手続きを依頼することにしました。

ちなみに、ADSL回線の契約そのものはフレッツ・ADSLではありませんでしたから、異動の内示日にプロバイダの@niftyへ利用終了の連絡をしてありました。こちらは、ADSLモデムを取り外して製造元に宅配便で送り返せば作業は終了。あっさりしたものです。


開設することになった光回線は、「フレッツ光ネクスト」。かつてはNGN(Next Generation Network ; 次世代ネットワーク)と呼ばれていたものが一般向けサービスとして始まったもので、「ネクスト」というネーミングもこのあたりを意識したのでしょうね。

インターネット接続サービスとしては、宅内引き込みが双方向とも最大100Mbps、局までは1Gbpsを共有…ということで、一昨年まで使っていたフレッツ・光プレミアムとほぼ同じなんですが、ネクストの「次世代」たるゆえんは、音声通話や動画配信など、常に一定以上の速度を確保したい通信に対応できる仕組みも備えていること。いろいろな通信から放送まで含めて、すべてをインターネットと同じIPネットワークに統合してしまうことこそが、そもそもNGNの狙っているところです。

そんなわけで、フレッツ光ネクストではIP電話である「ひかり電話」の併用が前提になった仕組みになっていますし、テレビに接続するビデオ・オン・デマンドのサービスも積極的に宣伝されています。ひかり電話は前にも使っていたわけですが、当時と比べると発信できる番号がちょっと増えていたりして、着実に銅線の置き換えに向けて進んでいるようです。今回も、最初から音声通話はひかり電話で行くつもりでした。

さすがに、月々の負担も考えると、テレビサービスまで同時に導入…とまでは行けませんでしたね。IPネットワークからの動画配信には、放送系のサービス、ビデオ・オン・デマンド系のサービス…と、意外に選択肢があります。衛星放送も含めた中で、利用は改めて検討しましょう。


116に電話したときに、フレッツ光ネクストの開通日は4月8日(木)に決まりました。年度明けのいちばん忙しいであろう時期に、2週間もかからずに工事をしてくれるわけです。何ヶ月も待たされた頃を考えると、ちょっと信じられません。ひかり電話を利用するということで、電話の開通も同日まで延びてしまうことになりましたが、電話番号の方は先に決まりますから、引っ越しに伴う他のいろいろな手続きには問題ありません。

午後に工事に来る…ということで、この日私は半日休暇を取って家に向かったんですが、私が家に着く前に妻の紫緒が立ち会ってくれて、工事は終わってしまいました。業者の方は、私が帰ってくるまで15分ほど待っていてくれて、一通り説明してから帰って行きました。相変わらず皆さんは忙しいはずなんですが…工事そのものの所要時間が短くなって、余裕が出てきたのかも。

フレッツ光ネクスト+ひかり電話用ホームゲートウェイプレミアムの頃は、ひかり電話を使うと3つの箱がずらりと並ぶことになったんですが、ネクストの場合は「ホームゲートウェイ」というひとつの箱にすべての機能が詰まっています。裏側から光ファイバーが入り込み、4ポートのイーサネット用と2ポートの電話用のモジュラージャックが装備されています。

もう一つ大きく変わったのが、壁に「光コンセント」が設置されるようになったこと。従来は、壁からONUまで光ファイバーが直につながっていて、室内で位置を動かすのには相当気を遣いましたが、今回はずいぶん楽になっていますね。ホームゲートウェイにつながる光ファイバーの長さは5mあり、しかも十分柔らかくなっています。

早速ネットワークの設定を済ませ、まずは通信速度を確認しました。NTT西日本の専用速度測定サイトでは、さすがにプレミアムの導入時ほどの衝撃的な数値は出てきませんでしたが、それでも70~80Mbpsの結果が返ってきます。他の速度測定サイトでも、出てくる結果は変動しますが、フレッツ回線がボトルネックになっているような状況は全く見られませんでした。相変わらずの「プレミアム感」です。


ひかり電話の通話品質の方も、銅線の電話と全く変わらない使い心地が確保されています。もしかすると、音質はそれ以上かも知れません。そもそも、ネクストらしさを発揮できるサービスの一つであるはずで、できて当然…ではあります。

ただ、これとは全く別の面でちょっとした問題が起きています。電話番号を伝えたときに、相手から再確認を求められることが激増したんです。一度、妻から電話番号を聞いた業者が、私の携帯電話に「奥さんは数字を間違えてませんか?」と確認の電話を入れてきたことがあります。「大丈夫ですから、電話してみてください」と返事しておきました。それにしても、実に失礼な話です(苦笑)。

平成の大合併で巨大化する前の旧浜松市では、かつて市外局番が「0534」だった名残で、電話番号は「053-4xx-xxxx」となっているのが普通でしたが、今回我が家に割り当てられた番号は、053の直後の数字が4ではありません。これが原因で、大きな違和感を生んでいるようです。

銅線の電話からひかり電話に移行するときには、同じ番号での移行ができるようになっていますが、新規にひかり電話を開設するときには、専用の新しい番号が割り当てられることになり、こちらは既に「最初は4」ルールが成り立たなくなっているのだそうです。私自身も、116で最初に割り当てられたときに「4じゃないんですね?」と思わず聞き返してしまったほどですから、他の皆さんが不審に思うのも仕方ないかも知れません。

もともと、市内局番の上位のケタは地域によってある程度近い番号になっていて、電話番号でおおよその住所も推測できたんですが、浜松市でも「40x」「41x」などの比較的新しく割り当てられた番号ではこれが難しくなっています。時が経てば、最初が4ではない番号も違和感なく受け入れられるようになっていくのでしょうね。


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