昨年末の私に続いて、つい先日妻・紫緒の携帯電話の「2年縛り」が明けました。2年前にウィルコムからNTTドコモへの大移動を行ったときに彼女が選んだのは、ソニーエリクソンの「Cyber-shotケータイ」・SO905iCS。ソニーのデジカメのブランドを冠したその名の通り、光学3倍ズームレンズなどカメラとしての機能に大きくこだわった機種でした。気に入って購入したはずなんですが、2年間使っていた彼女の感想は「一刻でも早く機種変更したい」。かなりのストレスが溜まっていたようです。
理由は、一番期待していたはずのカメラにありました。画質はともかく、操作に対する反応がとんでもなく遅いんです。私もSO905iCSを借りて写真を撮る機会が何度かありましたが、まずカメラの起動にかなり待たされます。そして、カメラとしての動作も、すべてが緩慢でした。特に致命的なのが、シャッターを押してから記録されるまでのタイムラグ。一呼吸待ってからシャッター音が再生され、その後撮影される…という感覚です。
人間が「リアルタイムに反応している」と感じる遅延速度は、せいぜい0.01秒以内…という話もありますが、それを引き合いに出す気にもならないくらいの桁違いの遅さ。これでは、特に娘のように動きの激しい被写体を思い通りに撮ることは不可能です。全く使い物になりません。光学系にこだわるだけで「カメラにこだわった」と思っていたとしたら、実にお粗末な話です。
こうなってくると、カメラなら我慢できるものの携帯電話としては重く大きな筐体も、不満の種の一つになります。特に、近年の携帯電話は持ち運ぶ形態のときの厚みは10mm台が当たり前。最厚部で24mm、重量145gというのは、使えないカメラ機能が「お荷物」となっている点も考えると、もうあり得ないレベルです。紫緒は、こんな状態でよくもまあ2年間我慢してくれたと思います。
そんな彼女が、「2年縛り」明けと同時にドコモショップに赴き、次のパートナーに指名した機種はF-02B。前回の反動なのか、ケータイとしては実に普通のスタイルの折りたたみ型です。
私の使っているF-03Bとは数字が1番違うだけ…ということになりますが、同じ富士通製で、昨年の秋にF-03Bよりも一足早く巷に登場した製品になります。防水・防塵性能と充実した機能を、明らかに女性受けを狙ったデザインに包み込んでいます。
彼女が4色の中から選んだ色は「Folli Follie Gold」。単なるカラーバリエーションではなく、ギリシャ生まれのファッションブランド・Folli Follie(ふぉり・ふぉり)とのコラボレーションによるスペシャルモデルです。本体にキラキラの石(2カラットのキュービックジルコニア、だそうです)がはまっていたり、特製のストラップが付属していたりして、お値段も少々高めになっています。
F-02Bの製品カタログによると、Folli Follieのブランドコンセプトは「アフォーダブルでファッショナブルなラグジュアリー」だそうです…が、これでは読んでも何がなにやらちんぷんかんぷん(汗)。「『オシャレで豪華』を、手頃なお値段で」とでも言ってくれれば、ずっとわかりやすいんですが、グローバルなファッションブランドとしてはそれはNGなんでしょうか。財政危機のギリシャ経済にも、もしかしたらほんのちょっぴりでも貢献できるかも知れません。
カタログの写真や店頭でのディスプレイを見ると、ずいぶん小さい印象を受けるF-02Bなんですが、実はF-03Bとはほぼ同じプロポーションを持っています。カタログに記載されている寸法の数値や、同じ3.0型のメインディスプレイを持つことを考慮すれば、実は当たり前のことなんですけどね。
そして、同じなのは単にサイズだけではありません。私のF-03Bと並べてみると、いろんな部分が実によく似ています。天板の縁のカーブの度合い、サイドボタンや拡張端子の配置、カメラ周りの造形…ヒンジ部の形状などはまさにうり二つです。
さらに、端末を開いてみると液晶画面周りやボタンの大きさや形状、配置に至るまで全く同じ。F-02BとF-03Bは、防水機能などの筐体の基本設計は共通で、内蔵デバイスのグレードや外装デザインの味付けを変更した兄弟モデルだといえそうです。…いや、ちょっと訂正。徹底的に女性向けのデザインにこだわったF-02Bは、お兄さんではなくお姉さんでしょうね。
外観だけでなく、ソフトウェアの方でも共通点はかなり多くなっています。文字入力も同じATOKが採用されていますし、モーションセンサーを使った操作も同じように可能です。もちろん歩数計も装備。女性ユーザーが中心になるであろう(NTTドコモのユーザーアンケートによると、9割以上が女性だそうです)F-02Bの方が、この機能のアピール度は高そうです。既に紫緒も「今日の歩数は?」と気にしながら歩いているようです。
彼女は取扱説明書を読むよりもとりあえず触ってみるタイプのようで、操作方法を私によく訊いてきます。そんなときには、自分のしている方法を教えればほぼ正解にたどり着けます。「姉弟」機種を使っていると、こういうところは便利です。
一応説明書を読んだり、本体内蔵の「使いかたガイド」で調べたりしてから訊いてほしい気もするんですが、特に端末を操作してヘルプを見る…という考え方はなかなか受け入れにくいのかな?とも思います。そもそも、操作の仕方がわからないから困っているわけで、そのためにさらに何か操作をしなくてはならないのでは本末転倒なのかも。人に優しい機器のデザインはどうあるべきなのか…なかなか難しい問題です。
先代では大問題になっていたカメラの機能については、今のところ問題はあまり感じていないようです。もちろん、カメラ機能もF-03Bとほぼ同じ仕様(最大画素数は違いますが)になっていて、リアルタイムとまでは言えないものの、まあまあ許容できる速度で反応してくれます。
元気に走り回る娘の姿を追いかけるときには、指定した被写体を狙ってピントを合わせ続ける「トラッキングフォーカス」が結構便利です。一方で、顔認識オートフォーカスや笑顔を判定してシャッターを切る「スマイルファインダー」機能はあまり使う機会がありません。被写体がこちらをじっと見てくれている状況なら、自分の好きなタイミングでシャッターを切れるわけですから。…まあ、このあたりは「何を撮るか」で大きく変わってくるのでしょうけどね。
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