ソニーから、先に予告されていた「VAIO New Ultra Mobile」こと新しいVAIO Pシリーズが発表されました。写真を見ると、一見何が変わったのかよくわかりません。確かに、外観のデザインはずいぶん雰囲気が変わったんですが、長形3号の定型封筒サイズの筐体にタッチタイプできる十分なサイズのキーボードと超横長のディスプレイを搭載した基本的なスタイルは、初代から変わらず全くそのままです。
しかし、よく見るとディスプレイの両脇、ヒンジ付近に何かがくっついています。これは、右側にあるのがタッチパッド、左側にあるのはクリック用の2個のボタン。両手でヒンジ部分をつまんで、ちょうどニンテンドーDSなどで遊ぶようなスタイルで基本的な操作ができるようになりました。もっとも、これは富士通のLOOX Uがほぼ同じ位置にポインティングデバイスを装備しているのを真似しただけ…とも言えます。まあ、良いと思ったものは、揉め事にならない範囲でどんどん取り入れるのも一つのやり方です。
しかし、それだけでは終わらないのがVAIOの底力です。ちょっと面白いのは、地磁気センサーや加速度センサーを内蔵したこと。これらは、携帯電話に搭載されることが増えてきたデバイスで、携帯電話と同様に地図アプリケーション上で自分の向いている方向を表示したり、傾けることで操作したり…ということができるようになります。もともと加速度センサーはハードディスクの保護用(衝撃を感知したらヘッドを退避するんですね)に内蔵していたのだそうですが、SSD専用設計の新VAIO Pでも新しい活躍の場を得たようです。
基本的な機能も、順当にパワーアップしています。CPUは、最高で2.13GHz動作のAtom Z560を搭載できるようになり、この場合にはビデオ機能が高速化されたチップセット・US15Xも組み込まれます。3G携帯電話回線の通信機能とモバイルWiMAXが、アブない改造をしなくても同時に内蔵できるようになりました。
実は、標準のSバッテリーでもカタログ値で6時間動作できるようになったのも注目のポイント。これなら、運用方法次第ではLバッテリー要らずで、厚さ19.8mmのスリムな筐体をそのまま生かせます。バッテリー容量自体もかなり増やされているようですが、ちゃんと他でシェイプアップしたのか、最終的なサイズや重量には影響を与えていないのは大したものです。
スタイルはキープしたままですが、中身の方は丁寧に弱点をフォローしつつ、さらにいろいろと新機軸も取り入れ、すっかり別物になっていますね。自分の中での「ほしいエネルギー」が増幅されました。う~む、悩むなぁ…。
パナソニックからも、レッツノートの2010年夏モデルが発表されました。こちらも、4機種展開の全ての機種で、外見は全く変わっていません。そして、中身の方は…というと、こちらも見事なまでに変わりませんでした。拡張メモリスロットに2GBのメモリを挿して、「全機種メモリー4GB搭載」を前面に出しているほど。変わったのは型番くらいのものです。RシリーズへのモバイルWiMAX内蔵も実現しませんでした。
頑ななまでのキープコンセプトは、レッツノートの持ち味ではあるわけですが、それにしてもさすがにこれはちょっと悲しくなります。それでも、新機軸が組み込まれるときにはちゃんと私たちを驚かせてくれるのがパナソニック。そのときをもうしばらく待て、ということなのでしょう。
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