出張で東京都内に宿泊しています。たいてい、仕事のときは東京駅近辺…というより秋葉原近辺に泊まるんですが、今回も例に漏れず神田にホテルを予約しました。チェックインが遅くなったせいか、「シングルの部屋が埋まってしまった」とのことで、ツインの部屋にシングル料金で泊まれることになりました。ちょっと広々で、何だか得した気分ですね。
残念ながら今日はアキバ散策は中止。一日の疲れをゆっくりほぐして、明日に備える…つもりだったんですが、今日は一大ニュースが舞い込んだので、そうも言っていられません。早速レッツノート・CF-R4Gを鞄から取り出し、部屋のLAN端子に接続してネットサーフィンです。当たり前にネット接続ができるホテルがどんどん増えているのは、実にありがたいことです。
今月上旬にレッツノートの「2010年秋冬モデル」が発表されたときに、まるで最初から存在しなかったかのように置き忘れられていた、一番小さなレッツノート・CF-Rxシリーズ。本日、この空白を埋める発表がありました。やっぱり、パナソニックはとんでもない隠し球を抱えていたんです。
このたび登場するのは、「CF-J9」と銘打たれた新シリーズ。CF-Rxシリーズに近いB5版用紙クラスのフットプリントを持つ筐体の中に、最近のレッツノートの看板であるハイパフォーマンスを詰め込んでいます。CF-J9シリーズの登場に伴い、CF-Rxシリーズは終了となるのだそうです。
CF-R9では実現しなかったモバイルWiMAX内蔵も当然クリア。さらに、マイレッツ倶楽部ではFOMA HIGH-SPEED対応のワイヤレスWANまで内蔵した「無線全部入り」モデルが用意されます。
ディスプレイサイズは10.1型の16:9ワイド画面。これは、プロポーション自体はネットブックたちと全く同じなんですが、解像度の方は1366×768ドットとより高精細になっています。現在1280×800ドットのディスプレイを装備している兄貴分・SシリーズやNシリーズよりも、画素数は多いことになります。
そして、何よりびっくりなのはCPU。SシリーズやNシリーズと同じ標準電圧版のCore iシリーズを、本当にネットブック級サイズの筐体に詰め込んでしまいました。店頭販売モデルは、2.4GHz動作のCore i3-370Mを搭載したスタンダードモデルと、2.53~2.80GHz動作のCore i5-460Mを搭載したハイパフォーマンスモデルの2本立て。さらに、マイレッツ倶楽部限定の「プレミアムエディション」では、何と2.80GHz~3.46GHz動作のモバイルCore i7最上位モデル・Core i7-640Mを搭載しています。もはや「小さいから性能には妥協」は全く言い訳になりません。こんなものを製品化されては、Atomネットブック陣営はたまったものではないでしょう。値段以外では到底勝てません。
もっとも、スタンダードモデルのCF-J9Nは、Officeなしモデルなら実売で12万円前後が予想され、今までになく安価なレッツノートに仕上がっていますから、価格面でも結構おもしろい勝負になりそうです。もちろん、プレミアムエディションの全オプションてんこ盛りなら、30万円を軽く超えるんですが。
実は、今月上旬にRシリーズだけ発表されなかったときに、あのサイズに標準電圧版CPUを詰め込もうとして苦労しているのかな?と思っていました。そして、Rシリーズの設計そのままで実現するのは難しいだろうから、全くの新モデルが、兄貴分たちと同じワイド画面で登場するのかも?という予想…というよりは期待がありました。
ですから、今回のCF-J9シリーズの登場はそれほど意外ではなかったんですが、出てきた製品の仕様を見るとかなり意外な面が多くあります。というのも、頑ななまでに「ビジネスモバイル」を志向して突っ走ってきたレッツノートとは思えない設定がいくつもあるんです。
まず、店頭販売版の搭載OSがWindows 7 Home Premiumであるところからして、あまりにも「らしく」ありません。これまで搭載してきたProfessional版と違い、企業のドメインネットワークにはそのままでは接続できません。企業向けの端末一括管理のための規格・vProにも対応しませんし、セキュリティチップのTPMも搭載しません。
以前からレッツノートがこだわってきたタフ性能も、ちょっと実現方法が変わっています。最新世代の売りだった「耐荷重100kgf、動作中76cm落下」は、本体のみでは満たしません。その代わり、専用の革製ジャケットを標準装備して、これを被せることで実現しています。このジャケットのデザインが何種類か用意されていますが、これまたあまりにもビジネスモバイルらしくありません。むしろ、VAIO Pなどと同じパーソナルモバイルの香りが色濃く漂っています。
考えてみると、そもそも低価格の店頭販売モデルを用意したこと自体に、パーソナルに向けた視線を感じます。ジャケットによりタフ性能を補完したのも、本体にかかるコストを抑制したかった面があるようですね。
ジャケットを被せることで、重量が重くなり、厚みも増してしまう…という意見(ジャケット抜きでなら1kg以下の重量を実現しています)もあるかと思いますが、もともと本革製ケースに入れて持ち歩いている私の場合、全く問題は感じません。いくらタフだとは言っても、剥き出しのまま持ち歩いている人はそう多くないはずです。
特に、低価格化が筐体の仕上がりに与える影響が不安で、これについては実際に製品に触れてみないと最終的には何とも言えません。それでも、CF-J9シリーズは、現在のレッツノートへの流れを作った元祖であるCF-Rxシリーズを終了して引き継ぐのに値する、パナソニック渾身の新製品と言ってよさそうです。
ビジネスモバイルとしては後退した…といえる仕様もありますが、現在はパーソナルモバイルとして使用したい私にとっては気になりません。大事な基本性能はちゃんと押さえているどころか、さらに突き詰められていますから大歓迎です。
一時期はVAIO PやVAIO Xなどにもかなり興味がありましたが、CF-J9シリーズはモバイルノート買い換えの最有力候補に一気に躍り出ました。もっとも、多額の購入資金さえ用意できれば、なんですけどね。…宝くじ、当たらないかなぁ。ともかく、早くオータムジャンボ買いに行かなきゃ(笑)。
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