欲張って初詣

2011年が始まって、1週間が過ぎました。成人の日に「ハッピーマンデー」が適用されるようになって以来、ここには必ず3連休がやってくるようになりました。年末年始の休暇でなまっている身体を、1週間働いた後にひとまずリフレッシュできて、しかも次の週は火曜日からスタートとなりますから、徐々にエンジンをかけていくことが出来ます。正月明けの3段ロケットといったところでしょうか。

もっとも、それが我が家にそのまま当てはまる話か?となると、そう簡単ではありません。一昨年と去年は、この3連休を帰省先から下田に戻るのに使っていましたから、気がつくと使い切っていた…というのが実際でしたが、今年は自宅の浜松にじっと腰を据えていられます。3連休があると、ついついこれを有効に使ってどこかに行けないか考えてしまうんですよね。

結局、今年は土曜日・日曜日と初詣をハシゴすることになりました。あまり欲張っていろいろな場所でお願いをしすぎると、神様もご機嫌を損ねてしまわないかな?ともちょっと思ったんですが、神様はそんなケチなお方ではないはずですから、きっと大丈夫です(笑)。


土曜日・8日の目的地は伊勢神宮。去年は元日に詣でている、日本神道の総本山です。実は、今年も元日に行ってくる計画案もあったんですが、諸般の事情で今年は1週間後のこの日に延期していました。

交通手段は今年もマイカーで。相変わらず週末は高速道路を上限1,000円で利用できますから、小さい子どもを連れて行かなくてはならない私たちにとっては非常にありがたいですね。伊勢市内の混雑を避けるために、パーク・アンド・バスライドが実施されているのも去年と同じ。ただし、去年は1,500円だった駐車料金は、1,000円に大幅値下げされていました。もしかすると、500円玉を取り扱わなくてはならないのを嫌ったのでしょうか?

年明けから1週間が過ぎたと言うこともあってか、外宮行きのシャトルバスはなく、内宮行きのみとなっていたので、今年は内宮のみの参拝としました。人出はさすがに多かったものの、去年の元日のときと比べればずいぶん穏やかです。すし詰めになった人波の中を歩くことはほとんどなく、無事参拝を済ませることが出来ました。

去年は参拝だけでほとんどエネルギーを使い尽くしてしまい、あとは帰ることしか考えていませんでしたが、今年はまだ少し余裕があったので、おかげ横町まで足を伸ばしてみました。内宮から門前を歩いて数分行ったところにある、昔ながらの街並み、細い路地の様子が復元されている一角ですね。ちょっとしたテーマパーク的な風情も漂っていますが、基本的に門前町の商店街ですから、入場料を取られたりするわけではありません。

太鼓櫓で獅子舞が演じられていたり、通りに出店があったりして、正月らしい雰囲気でいっぱいでした。ちょっと休憩したかったので、おかげ横町の中ではちょっと異彩を放つ洋館の2階、洋食屋の「はいからさん」に入りました。ここでは、コーヒーの上に抹茶が載せてある「抹茶珈琲」なるものを注文。正直なところ「怖いもの見たさ」だったんですが、東西文化は意外にしっくりと融合しています。甘い和菓子と抹茶珈琲の渋みがちょうど良い味わいでした。



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帰り道は、駐車場に割引券があったのを見つけて、久しぶりに伊勢湾フェリーに乗ってみました。駿河湾フェリーに乗ったときもそうでしたが、交通費では高速道路利用よりずいぶん高く付いてしまうものの、船に乗っている間は身体を休められるのが嬉しいところですね。ストレスのかかる渋滞とも無縁です。チャイルドシートから解放された娘も上機嫌でした。

もう一つ期待するのが時間短縮効果なんですが、伊良湖岬から浜松に向かう国道42号線は、信号こそ少ないものの、意外にカーブも多い普通の2車線の田舎道で、海岸近くを走っているのにも関わらず、海もあまり見えません。沿道にあるのも数軒のコンビニ程度。豊橋市で国道1号線と合流するまでに1時間少々かかります。フェリーに乗っている55分に、乗船までの待ち時間も含めると、ほとんど短縮はされていないことになりますね。

こうなると、あとはフェリー乗船という体験にプレミアム感を求めたくなりますが、こちらの方もどうも微妙。船が老朽化してきているのか、妙に振動が気になりました。昔は、伊勢湾フェリーは浜松から伊勢・志摩方面に旅行するための当たり前の手段で、フェリーに乗ること自体に特別なイベント感があってワクワクしたものなんですけどね。幼少の日の憧れが崩れ落ちた感覚がちょっと残念でした。



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日曜日・9日は、小國神社(おくにじんじゃ)を詣でました。こちらは、厄除けだんごでもお馴染み法多山(はったさん)などと並び、静岡県西部を代表する初詣スポットの一つで、周智郡森町にあります。

浜松の自宅から小國神社までは約30km。順調にいけば車で1時間そこそこの行程になりますが、そう計算通りには行きません。以前、1月3日に行ったときには、神社まであと5kmのところから大渋滞でほとんど車が動かず、3時間以上かかったことがあります。1週間も過ぎたので、ずいぶん渋滞は緩和されているのでは?と思っていたんですが、その考えは甘すぎました。この日も渋滞は4km近く連なっていて、ここを通り抜けるだけで1時間半を費やしてしまいました。

小國神社の参道はそれほど長くありません。駐車場からなら一直線に300mも歩けば、本殿にたどり着けます。伊勢では抱っこし通しだった娘でしたが、ここではほとんど自分の足で歩ききってくれました。実は、伊勢神宮で「娘がもっと外出先で歩いてくれますように」とささやかなお願いをしたんですが、もしかすると早速聞いてもらえたのかも知れません。


この日は、正月飾り等をどんど焼きしてもらうために持っていきました。既に多くのお飾りが山盛りになっているところに、投げ挙げるように置いてくれば、あっさり用事は終わりです。ちょっと面白かったのは、ビニール製のお飾りやお札は分けるように指示されていたこと。ビニール製のものを燃やすとダイオキシンが排出されてしまうため、だそうです。昔ながらの儀式を大事にする神社でも、昨今は環境への配慮は無視できない話になっているんですね。

伊勢神宮ではお札をもらってきましたが、小國神社ではお札の代わりに熊手をもらって帰りました。熊手は、「幸せをかき集める」という縁起物ですよね。誰かに幸せを運んでもらうのをお願いして待っているだけでなく、自らかき集めるアクティブな姿勢(笑)が感じられるのが、熊手の好きなところです。さて、今年の私たちは幸せをかき取ることが出来るのでしょうか。…ともかく、かき集めようとしないことには始まりませんね。それが大事です。


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