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S.S.K. Loves Mackey

プレイリスト「We Love Mackey Original」を作ってみたときに、弟のささっちからリクエストされて、ついでにこんなものも作ってみました。私の選ぶ槇原敬之ベスト曲集、名付けて「S.S.K. Loves Mackey」です。

市販されるベスト曲集では、大ヒットしたシングル曲をどう当てはめていくか…なんてことも考えなくてはなりませんが、個人的セレクトですから、そんなしがらみ(笑)は全くありません。ささっちからは「偏った選曲大いに結構です」というリクエストを受けたんですが、そんなことを意識しなくても、彼の楽曲、あるいはカバー作品のほとんどを聴き込んでいる私が、シンプルに気に入ったものを選ぶだけで、思い切り偏ったセレクションになるのは自明です。


私がどんな曲を選んだのか、ここでちょっとご紹介しましょう。どうしてこんな選曲になったのか、各曲についての解説も付けてあります。

1. LOVE LETTER
(from 7th Album「UNDERWEAR」: 1996/10/25)
オープニングナンバーは、実は「We Love Mackey」でもアルバム曲が2曲も選曲されている、隠れた(と言うほどでもないか)名曲揃いのアルバム「UNDERWEAR」からの選曲。「何回も 何回も/書き直した手紙は/ずっと僕のポケットの中」という女々しさこそが、槇原敬之の真骨頂。そして、この後もついついそんな曲ばかり選んでしまっている自分に気付いたりして。

2. 君の後ろ姿
(from 16th Album「Personal Soundtracks」: 2008/11/19)
一転、ずいぶん新しい作品からの選曲。これまた、「夢の中の/君にさえ好きだとは言えずにいる」という超奥手な男の子が主人公になっている。そのあまりにも消極的すぎる姿勢に、もしかして歌詞の中の「君」は女の子のように見せて実は男の子なのでは?という勘ぐりさえしてしまうほど。このアルバムには、他にも社会的な「大きな障害」のある恋愛を連想させる作品が収録されている。

3. PLEASURE
(from 10th Album「太陽」: 2000/11/29)
彼の例の事件からの復帰作になったアルバム「太陽」から。それまでになく激しさを感じる歌詞もさることながら、超高音域でファルセットを多用した緊張感のあるサビが聴きどころ。自分で歌うのは相当難しい曲で、奴はただ帰ってきただけではない!という気合いを感じたのを思い出す。

4. 花水木
(from 5th Album「PHARMACY」: 1994/10/25)
この曲は、もう「5月でまた1つ年をとり」という歌詞に尽きる。同じ5月生まれの自分を投影してしまい、誕生日が来るごとについ聴きたくなってしまう曲。別れの曲というよりも、いつまでも大人になりきれない自分へのもどかしい思いに共感しているような気がする。

5. 君の名前を呼んだ後に
(29th Single : 2003/5/21)
よく見ると、14曲中でシングル音源なのはこの曲だけ…というのは、選曲基準の偏り具合を良く表しているかも(苦笑)。2曲前の「PLEASURE」と同じようにほぼファルセットで歌いきるサビだが、こちらは一転して繊細で美しい。マッキーの歌ってどんどんウマくなっていったんだなぁ、と確認できる作品。

6. Dance with me.
(from 15th Album「悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。」: 2007/11/7)
「悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。」は初期のアルバムを彷彿とさせる長いタイトルが印象的で、娘が生まれた直前に発売され、産院の病室でもヘビーローテーションしていた作品。この曲はサビのメロディー、そしてハーモニーの進行が大好き。サビで歌詞が「僕らの父ちゃんと踊ろう」「お尻も忘れずに」と聞こえてしまうのはご愛嬌。

7. 太陽
(from 10th Album「太陽」: 2000/11/29)
「太陽」のタイトルナンバーは、あまりにも重いテーマの流れる曲。落ち込んだときに何故か聴きたくなり、そしてついつい涙してしまう。それ以上多くは語らないでおこう。

8. revenge
(from 7th Album「UNDERWEAR」: 1996/10/25)
別れた彼女に対して「全部忘れてやる」と連呼するのは、もちろん忘れられないから…という、またしても女々しさ大炸裂のナンバー。実はAメロとサビは全く同じメロディーを1オクターブ変えてあるだけという、作曲テクニックとしてもおもしろい仕掛けがある。ちなみに、徳永英明の「最後の言い訳」も同様の構造でできている(全く同じモノを繰り返しているわけではないが)。

9. 印度式
(from 8th Album「Such a Lovely Place」: 1997/11/27)
槇原敬之といえば、ポップでキャッチーなサウンドの作り手というイメージが一般的だが、実はこんなコテコテの怪しいテクノ(爆)もアルバムにはときどき入れている。おそらくこれまでの全ての作品でも最もイカれた作品がこれ。妻の紫緒を始め、実はこの曲が「最も好きな槇原敬之」というヘビーなファンは意外に多い。

10. Anywhere
(from 15th Album「悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。」: 2007/11/7)
槇原敬之のアルバムでは、しばしば収録曲のモチーフを転用したイントロダクションのインスト曲が収録される。この曲は、サビの部分がアルバムのイントロダクションのモチーフとして使われただけでなく、同じフレーズが同アルバム収録曲「Circle of Rainbow」にも登場し、さらには次のアルバム「Personal Soundtracks」のオープニングナンバー・「Taking The Central Course」にまでチラリと顔を出すという、珍しいほど良く使い回された曲。

11. in love again?
(from 17th Album「不安の中に手を突っ込んで」: 2010/6/30)
最新アルバム「不安の中に手を突っ込んで」からの選曲。前奏や間奏に出てくるモチーフが、彼の最も尊敬するアーティストのひとりであるカーペンターズの「Top of the World」そのものなのがツッコミどころ。年齢を理由にして気持ちを伝えようとしない女々しい男が主人公なのは相変わらず。

12. 僕は大丈夫
(from 2nd Album「君は誰と幸せなあくびをしますか。」: 1991/9/25)
あの「どんなときも。」の直前に収録されている曲。フルオーケストラのゴージャスなアレンジをバックに「僕は大丈夫」と言われても…これはどう聞いたって大丈夫なわけがない(爆)。歌詞や曲だけでなく、アレンジで心境をうまく表現しているのが楽しい。

13. 君は僕の宝物(Renewed)
(from Best Album「Best LOVE」: 2010/1/1)
もともとは1992年の3枚目のアルバム「君は僕の宝物」のタイトルナンバー。このアルバムも、学生時代にダビングしたテープがすり切れるほど良く聴いた思い出がある。

14. 僕が一番欲しかったもの(Renewed)
(from Best Album「Best LIFE」: 2010/1/1)
オリジナルは2004年のアルバム「EXPLORER」からの先行シングルとして登場。努力が報われないなぁ…と感じるときに聞きたくなる曲。そんなときには、「太陽」と同じで、聴いているとつい涙が出てくる。「We Love Mackey」とかぶっているのはこの曲だけで、ここからは外そうかとも思ったが、それでもやっぱり外すわけにはいかない…という、こだわりと思い入れのある曲。


最初に、とにかく好きな曲をリストアップしてみたところ、50曲以上も挙がってしまい、そこから減らしていくのに苦心しました。当初の段階では、あの「どんなときも。」や「世界に一つだけの花」などもリストに入っていました。もっとも、選定理由は大ヒットしたからではありません。「どんなときも。」には打ち込みサウンドの練習台だった思い出がありますし、「世界に一つだけの花」は彼の曲が彼自身の歌声とは離れたところで評価され、2000年代を代表する曲の一つにまでなった、売上という単純なレベルでは語れない作品です。

そこから1枚のCDに収められる80分以内くらいに絞り込む中で、残っていくのはどうしてもシングルカットされていない「知る人ぞ知る」という曲になってきます。「カルトなまきはらヲタク」を自認する私としては、そういう曲こそ、より多くの人に知ってほしいと思うんですよね。

ささっちからは、「『僕は大丈夫』の曲順にやられた」との評価をもらいました。曲順にもこだわりましたから、これは嬉しかったですね。先の「We Love Mackey」の例でもわかるとおり、曲順が私たちに与える印象の違いは結構大きなものがあります。私がここで曲データそのものを配布するのは大問題なので、是非皆さんにも何とかして(笑)音源をかき集めて、この曲順で聴いていただきたいですね。


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