4月になりました。多くの人たちにとって、4月は新しい年度を迎えるという大きな節目になります。暦の上での年越し以上に、具体的に様々な影響を受ける…という方が多いのではないかと思います。
そもそも、この「年度」というのは、暦年とは異なった区切りで1年間を数え始めることを指すわけで、別に区切られる場所は4月に限ったわけではありませんが、官公庁の会計年度や学校の年間カリキュラム等は4月から始まる年度で動いていますから、私たちはどうしてもこれに合わせることになります。
私の職場でも、基本的には4月1日付で人事異動等の辞令が出ます。…もちろん、必要に応じて、適期・適材・適所の異動も存在はするわけですが。去年大移動を食らったばかりということもあり、今年は私自身は異動無しだったんですが、上司や同僚が何人か異動となり、代わりに新しいメンバーが入ってきました。担当の細かい配置換えはあるものの、基本的に自分の仕事自体はそれほど変わっていませんが、顔ぶれが替わると職場の雰囲気はずいぶん変わるものです。
実は、それ以上に大きな変化と感じたのは、自分の机の場所が移動したこと。壁際を向いていたのが、部屋の中央を向くように変わり、ずいぶん見晴らしが良くなりました。心なしか、部屋が広くなったようにも感じます。同じ場所にいても新鮮さを感じられる、実にありがたい環境で、心機一転、また頑張っていきたいと思っているところです。
職場での話に限らず、様々な場所で4月開始の年度区切りを感じることができます。私たち家族の住むテラスハウスでは、空き部屋がぐっと増えました。引っ越し業者のトラックが駐車場に停まり、段ボールや家具が大量に運び出されているのも結構見かけます。
私たちがこの家に来たときも、いくつか既にあった空き部屋から好きな場所を選べる状態でした。私たちと同じように、4月1日からの異動で引っ越しを余儀なくされている方が多いのでしょうね。この週末あたりから、今度は空き部屋だった場所に新しい住人が増えていくのでしょう。仲良くお付き合いできる方が多いと良いのですが。出会いには常に期待と不安が同居しています。
住処が変わるのも、心機一転するのには良いきっかけになりますね。必要に迫られた場合に限らず、あえて引っ越してみるのもひとつの手になります。ただ、これに伴う作業があまりに多すぎて、引っ越しそのものに疲れてしまうことも結構多いのが難点ではありますが。
心機一転といえば、ひとつ気がついたのが私の元に届く広告メールの数々。先月11日からの「東日本大震災」(公式にこの呼称が決められたのだそうです)以来、無差別爆撃の迷惑メールを除き、私が購読している広告メールはほとんどが配信停止となっていました。
2週間が過ぎたあたりから、散発的に配信が再開されているものもありましたが、4月に入って「再開のごあいさつ」とともに配信が始まったものが結構多くあります。これで、ほとんどのものが従来とほぼ同じ状況に戻ったのではないでしょうか。もちろん、メール内容には「心からお見舞い申し上げます」とか、「商品の配送が遅延する可能性があります」とか、明らかな変化がありますが。
震災後の復旧、復興に向けた状況が、月が変わって、あるいは年度が替わって劇的に進展したわけでもないと思うのですが、いつまでも落ち込んでいるわけにも行きません。どこかで区切りを付けなくてはならない…というよりも、多くの人たちがそろそろ区切りを付けたいと思っていたところに、年度替わりというのはちょうど良いタイミングだったのかも知れません。
そういえば、テレビに映っている政治家の皆さんが、4月1日から作業服を脱ぎ始めました。単に着るものを変えただけ…ではありますが、こんなことでも区切りを付けて心機一転を演出する効果があります。「見た目から入る」のは、悪く言われることも結構ありますが、意外に大切なことです。
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