新しくなった我が家の自作パソコン。その秘めたパワーの大きさはともかく、使い方の面での最大の特徴が、私と妻が共用で使っていることです。それも、単に1台のパソコンを共用しているというだけでなく、マルチユーザー環境をセットアップして使っています。
マルチユーザーというのは、その名の通り複数のユーザーが使うための環境。管理者権限を持つ状態で、コントロールパネルから新しいユーザーアカウントを追加すれば、マルチユーザーの設定自体はすぐに出来上がります。
この状態では、電源を入れてWindows 7を起動すると、いきなりデスクトップ画面が表示されるのではなく、ユーザー名とアイコンの並んだログオン選択画面が表示されます。そして、アイコンを選べばそれぞれのユーザー専用のデスクトップ画面が表示されることになります。
デスクトップの壁紙やそこに並ぶアイコン、Webブラウザのお気に入りや記憶されたパスワード、かな漢字変換システム(IME)の設定など、ほとんどの設定がユーザーごとに保存されています。マイドキュメントの内容も、ユーザーごとに切り替わり、他のユーザーの「マイドキュメント」は基本的に見えなくなります。普通に使っている限りでは、他のユーザーと共用していることは意識する必要はありません。全てのユーザーが共有している「パブリック」なドキュメントもありますから、状況によって使い分けることができます。我が家の場合は、例えば撮り溜めたデジカメ写真のデータがパブリックです。
新しいパソコンへのデータの移行にはWindows転送ツールを使ったことだけ触れて説明を端折ってしまいましたが、これも転送したいユーザーでログオンしたデスクトップ上で、それぞれの環境を転送したわけです。作業自体はシングルユーザーのときと全く同じ。実にシンプルです。
ユーザーを切り替えたいときには、スタートメニューのシャットダウンボタンの横にある矢印をクリックすると、「ユーザーの切り替え」という選択肢が出てきます。これを選ぶと、先ほどのログオン選択画面が現れて、わざわざログオフしなくても他のユーザーのデスクトップ画面を呼び出すことができます。どちらもログインを済ませた状態なら、切り替え速度も十分高速です。
マルチユーザー環境ということで気になっていたのが、Microsoft Officeなどのライセンスにシビアなソフトウェアがどう動作するのか?でした。両方のユーザーのデスクトップで同時にWord 2007を起動していても、全く障害はありません。同時に使用しているわけではありませんから、問題がないといえばなさそうです。
しかし、片方のユーザーが使っている最中にもうひとりのユーザーがリモートデスクトップで操作したらどうなるんでしょうか。リモートデスクトップサーバーにはなれないHome Premium版のWindows 7では検証のしようがないんですが…。
これとは別の理由で、両方のユーザーが同時に起動できないソフトウェアもあります。例えば、我が家のプリントサーバー用の仮想USBプリンタポートを実現するユーティリティは、同時に起動することができません。仮想USBプリンタポートは、仮想とはいえひとつのアプリケーションが占有する必要があるので、排他制御をしているのでしょうね。
とりあえず、今のところはマルチユーザー環境を問題なく利用できています。2台分をウマいこと1台にまとめることができたようです。使っていくうちに何か問題は見つかるかも知れませんが、ともかく何も考えずに行ってみましょう。トラブルがあれば、またそのときに考える…ということで。
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