手堅かったはずが

自作パソコン組み替えのためのパーツを調達し、さて、次は組み立て…となりました。前回も触れたとおり、今回は手堅いパーツ選びで、セットアップも苦労しないだろうと思っていました。しかし、そうは問屋が卸しません。「簡単な自作」なんて、本来は存在しないのでしょうね。
まず最初に迷ったのがケースの選択。既にある2個のケースのうち、どちらを使っても良かったんですが、悩んだ末により古くから使っているALTIUM S8 The Spirit of Japanの方を使うことにしました。
決め手になったのは、購入したときの価格の高さとそれに見合った高級な仕上げ、そしてもう片方のケースよりも圧倒的に高いメンテナンス性でした。7年前のケースですが、ガタなどは皆無で使用には全く問題ありません。放熱性能も、当時と現在ではそれほど要求されるレベルは変わりませんから大丈夫です。
BDR-206Dのブラックベゼルが浮いてます
唯一の不満は、ブルーレイディスクドライブのブラックのベゼルが思いっきり浮いてしまうことなんですが、これについては対策を考えてみましょう。ベゼルを分解して塗装してみるのもアリでしょうけど、もう片方のケース用の化粧パネルを加工して取り付けてみるのも面白そうです。


意外にコンパクトなCPUクーラー
まずは、マザーボードベース上にボードを固定し、その上にCPUとRAMを装着します。これまでの環境は、2台ともCPUから剣山のように無数の針状の電極が出ているPGAパッケージで、CPU側が真っ平らのLGAパッケージは初めてでしたが、説明書通りに取り付ければ全く問題ありません。最上級モデルのCPUにしてはスッキリと薄型の付属CPUクーラーが印象的です。

殺風景なほど中身はスッキリ
今回はCPU統合のビデオ機能を使うことにしたので、外付けのビデオカードが不要になりました。他にも、ケース内に拡張する必要のあるパーツは全くありませんでしたから、パーツを組み込んだ後のケース内部は、殺風景なくらいにスッキリしています。パラレルATAの邪魔くさい幅広ケーブルも皆無になりましたから、風通しは劇的に向上しているはずです。
拍子抜けするくらいあっさりした組み立て作業の後には通電試験。そして、ここで最初の不具合が発生しました。ブルーレイディスクドライブのトレイ開閉ボタンを押しても、トレイが全く出てこないんです。何度か電源を入れ直して、接続を再確認して試しても、アクセスランプが数秒点灯するだけで全くダメ。翌日に、購入店のグッドウィル浜松フレスポ店に持ち込んでみました。
店頭で確認してもらったところ、何事もなかったようにトレイが排出されました。怪訝そうな顔をしている私に、店のスタッフが電源の供給力不足、信号ケーブルの断線等のいくつかの可能性を指摘してくれました。持ち帰って、SATAの信号ケーブルを交換してみたところ、無事にトレイは排出。他の動作にも問題はありませんでした。スタッフのスキルの高さが印象に残りました。パソコン整備士としては、自分で気付きたかったところですが、ときには気付けないこともあるわけで、そんなときには助けを求めてもいいんですよね。


そしていよいよインストール。先に触れているとおり、今回はSSDを起動ドライブにするわけではなく、ハードディスクにWindows 7 Home Premium 64bit版を入れます。私が持っているのはアップグレードが前提のファミリーパッケージなので、アップグレード対象のOSが確認できる必要があります。DVD-ROMからの起動で新規にインストールを始めると、プロダクトキーが通らず先に進めません。
仕方がないので、先にWindows Vista Ultimate 64bit版をインストールし、そこからアップグレードする手順を踏みました。2倍手間を食うのは何とも面倒ですが、こうするしか方法がないので仕方ありません。同じMicrosoft社のOfficeパッケージのように、アップグレード対象のメディアを直接認識してもらえるとありがたいんですが。


Windows 7のインストールが完了した後は、まずはマザーボード付属のドライバーディスクを挿入し、OS非標準のドライバー類をインストール。その後、ネットに接続しWindows Updateにつなぎます。いつもならWindows Updateが先…というか、勝手に動作してしまうんですが、今回はLANのドライバーが非標準だったのでこの順番でした。
その次が、ハードディスクとSSDの「いいとこ取り」ドライブを実現するIntel SRTの設定…となるんですが、ここでまたしても問題が発生してしまいました。Windows上のユーティリティからSRTを設定して再起動すると、ハードディスクのRAIDアレイ(Windowsのインストール時にチップセット側をRAID設定にしておく必要があります…ただし実際にRAIDを組む必要はありません)が「Disabled」に設定されてしまい、Windowsを起動できなくなってしまったんです。起動時のRAID BIOSセットアップ画面でハードディスクを有効にすれば起動できたので、再インストールという最悪の事態は回避できたんですが…。
GIGABYTE社のWebサイトからダウンロードできる最新版のIntel RAIDドライバーをインストールしたところ、問題なく動作するようになりました。これでほっと一息です。この不具合については、他社製マザーボードでは既に報告されていた事態でしたが、この製品でも発生するとはちょっと考えていなかったので、最初は冷や汗をかきましたね。


問題といえば、今回はもう一つありました。Windowsのライセンス認証が、インターネット経由では行えなかったんです。通算するとファミリーパッケージでのインストールは4台目になりますからね。代わりに2台分を使わなくなるとはいえ、こうなる事態は想定はしていました。
フリーダイヤルに電話してのライセンス認証も、もう何度か経験がありますから問題はありません。確認の手順も、だんだん簡略化されている感がありますね。今回は、電話でオペレーターにつなぐことになったものの、利用環境の変化については全く聞かれず、すぐに新しいIDを教えてもらえました。ひとつひとつ尋問していては面倒で大変だ!と思ったのかどうかはわかりませんけどね。
これでとりあえず現時点の問題は全てクリア。データについてはWindows転送ツールを使ってネットワーク経由で転送し、普段使いのソフトウェア類もインストールを済ませ、新しいパソコンが使えるようになりました。どこが改善されたのか、使用感はどうか…など、追々報告したいと思います。


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