最近、非常に気になる富士通の「パソコン」が2機種あります。どちらも、括弧書きしたくなるくらい、パソコンとしては変わり者なんですよね。
…と書くと、勘のいい方ならもうおわかりかと思いますが、そのうちの一つはもちろん、NTTドコモから登場した「Windows 7ケータイ」・F-07C。そして、もう一つがFMV LIFEBOOK TH40/D(以下「TH40/D」)です。
TH40/Dは、10.1型タッチパネル液晶、重量1.1kg、薄さ17mmの「大ぶりなiPad」サイズのタブレットの裏側からキーボードが現れて、ノートパソコン風のスタイルでも使えてしまう…という、なかなか楽しいコンセプトで作られた製品。富士通公式直販サイトWEB MARTでは、ネットブック勢よりちょっと高めの79,800円で販売されています。
6月末の登場予定がちょっと延びましたが、既に店頭にも並んで直に触れられるようになっています。レッツノートの新製品に触れるのに四苦八苦したのに比べると、さすがに富士通の製品はずっとメジャー。こんな変態的(笑)な製品でも、ちゃんと店頭に並べてもらえます。
TH40/Dは、最初の報道発表以来、実物を見てみたい!という気になるポイントだらけだったんですが、ひとつひとつ見ていきましょう。
まずは筐体の作りから。1cm未満の薄い板が2枚組み合わさっていて、それが2個のヒンジを介してつながっている…という、どう考えても強度に不安を感じる構造の割には、意外にしっかりとしています。ヒンジの動作も粘りは十分でガタつきは皆無。金属製の外装には高級感があります。もちろん捻ってもびくともしません。
キーボードは筐体サイズ相応の小さめのキーピッチで、ストロークもかなり浅めですが、外装同様に安っぽさはありません。レッツノート・CF-Jxシリーズでコストダウンの影響が随所に見受けられてしまったのとは対照的です。これで10万円を大きく切る価格…というのは、ひとえにAtomプロセッサを採用したプラットフォームのおかげでしょう。
TH40/Dに採用されているCPUはAtom Z670。あのウィルコムの「Windows Vistaケータイ」・WILLCOM D4やVAIO P、VAIO Xなどに採用されたZ500番台のAtomの後継…ということになるんですが、そうなると当然パフォーマンスにはあまり期待できません。スタートボタンを押してからスタートメニューが表示されるまでに一呼吸あるくらいの、かなり重度の「もっさり」感があります。
かつてのVAIO Pなどと比べて考えてみると、せめてメインメモリが2GB(TH40/Dは1GB)積まれていれば、あるいは外部記憶にハードディスクではなくSSDが採用されていれば、もうちょっと快適になったかも…と思います。SSDへの換装が技術的に(私のノートパソコン分解スキルとして、ね)できそうかどうかは、さらに研究が必要です。
タブレット形態でのWindows 7の操作性も気になるポイントでした。Windows 7は、一応タッチパネルでの操作もサポートされているOSです。シビアな位置指定が難しい指でのタッチに対応して、「ウィンドウを閉じる」などのタイトルバーのボタンがかなり大きく表示されていたりしますが、ちょっと触ってみた感覚では、操作は快適か?と聞かれると返答に少々困ってしまいます。
キーボードで操作するときのために、小さな黒いパッドをなぞることでマウスカーソルが動かせるデバイスが装備されています。ちょうど光学式マウスのセンサーを上向きにしたような「光学式タッチパッド」です。カーソルの追随性はまあまあのデキだと思うんですが、このパッド自体が左クリックのハードウェアボタン兼用となっているため(右クリックボタンは別にあります)、ドラッグ操作が事実上不可能です。まあ、ドラッグはタッチパネルとの相性が良い操作ですから、併用すれば良いのでしょうけどね。
ツッコミどころは多々あるんですが、総合的にはなかなか面白い製品だと思います。これが7万円台で購入できるのなら、遊べる、あるいは鍛え甲斐のあるセカンドマシンとして絶妙かも知れません。もうちょっとパフォーマンス面で頑張ってくれれば、手放しでおすすめできるんですけどねぇ…。
ところで、もう片方の「気になるFMV」・F-07Cの方は、まだ実働機に巡り会えていません。おそらくドコモショップに行けば簡単に見られるのでしょうけど、我が家の周辺は、単独で店を構えているドコモショップばかりなので、わざわざ足を運ぶのが意外に億劫だったりします。
ららぽーと磐田のように、ショッピングセンター内にドコモショップがあると、ふらりと立ち寄りやすいんですが…たまには出掛けてみますか。
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