最近、妻が「美男(イケメン)ですね」というドラマにハマってしまったようです。といっても、現在TBS系列で放送されているものではなく、それの元になっている韓国のドラマです。平日の昼間に毎日2時間ずつ放送されていたのを録り溜めていたので、DVDレコーダーのハードディスクを見事に占領しました。
修道院でシスターの修行をしている主人公の女の子が、ひょんなことから双子の兄になりすまして、男ばかりのバンドのメンバーとして加入する羽目になります。メンバーたちにも女であることを隠し続けようとするわけですが、どうしても無理があるわけで…基本的にはドタバタを楽しむラブコメと紹介して良さそうです。
そういえば、この「美男ですね」といい、フジテレビ系列の「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」といい、今季のテレビドラマでは女性が男装して潜入するものが重なってしまいましたね。この手の話では、個々の女優さんが頑張っているのは伝わってくるんですが、やっぱり女の子にしか見えず、そもそも設定自体に無理があると言わざるを得ません。まあ、そこをツッコミながら楽しむのもいいんでしょうけど。
さて、件の韓国版「美男ですね」を放送していたのはフジテレビ系列。フジテレビといえば、俳優の高岡蒼甫(「宮崎あおいのダンナ」と紹介するのが一番わかりやすそうですが)が韓国ドラマばかり放送していることを揶揄する発言で物議を醸したのが記憶に新しいところですね。
しかし、実際のところこれはフジテレビ系列に限った話でなく、他の民放各社はもちろん、NHKまでもが韓国ドラマを定期的に放送しています。特にBS放送では多くのチャンネルで、かなりの時間を割いて放送されています。私は、各局とも放送するソフトの確保には結構困っているのかな?という目で見ています。通販番組を流しているよりはましだと思いますが。
週末に妻の実家に訪問すると、たいていBS局の韓国ドラマが放送されていて、我が家も含めたこの辺り一帯はまるで日本ではないようです。まあ、音声は吹き替えの日本語が流れているんですけどね。せっかくなら吹き替えでなく原語音声+字幕で見て、韓国語でも勉強してみればいいのに。妻はなにやら本を買ってきてハングルの勉強をしています。
以前から、韓国の映画やドラマは日本に入ってきていたわけですが、現在まで続く「韓流ブーム」は、2003年に「冬のソナタ」が放送されたのが始まりだと思っています。この「冬ソナ」を最初に日本に紹介したのもNHKでした。私は、その後他局で再放送されたのを見ましたが、あまり面白いとは思いませんでしたね。1980~90年代の日本のテレビドラマを見ているような感覚に襲われました。
その後、様々な作品が日本に紹介され、テレビでの放送はもちろん、レンタルショップでも韓流コーナーは一大勢力になっています。私が映画館で韓国映画を見てしまうくらいですから、そのパワーは並々ならぬものがあったわけですね。現代劇はもちろんとして、妻の実家でよく見かけるのが王朝時代の朝鮮を舞台にした時代劇。日本の時代劇と比べると、登場人物たちの衣装の色合いがとにかく華やかです。
私は韓流作品をそれほど熱心に追いかけているわけではありませんが、「冬ソナ」のような感想を持ったものばかりではなく、ちゃんと楽しめる作品もあります。日本の隣国で作られているだけに、感性が近いからではないかな?と思っています。
NHKに限らず、放送局には公共性があり、海外の文化を紹介するのも大事な使命のひとつ。テレビで韓国ドラマを多く放送しているのは、やっぱり視聴者からの受けが良いから…というのが根底にあるわけで、仕方ないのかも知れません。いずれは落ち着いてきて、ひとつの文化として位置を占めるようになるのではないかと思います。
「韓流ばかり」という批判の裏には、「日本の作品作りはどうなっているのか」という憤りも感じます。最近の日本のドラマや映画には、面白いと感じるものが少なくなっている気がします。それでも、きらりと光るものは時折出てきているとは思うんですが。
高度経済成長を通り抜け、先進国と呼ばれるようになってくると、こうした芸術作品を生み出す力が衰えてくるのかな?と思うことがあります。例えばアメリカでも、映画の元ネタを日本や韓国などから拾ってくることが増えていますよね。私たち日本人も、あまり他人のことは言えないようです。
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