今日は、浜松フロイデ合唱団主催の「一日合唱体験レッスン」に出掛けてきました。2005年から毎年開催されているこのイベントは、合唱団の「音楽普及活動」として、市民の皆さんに合唱の楽しさを知っていただこう!ということで始まり、今年で8年目となります。もっとも、体験レッスンで合唱の入口にご案内した後は、引き続き合唱団で歌ってみませんか?…というご案内になることは確かでしょうね。実際に、この体験レッスンをきっかけに年末の「第九」合唱に参加する方もあるようです。
一方で、かつてこの合唱団に参加して歌っていた私にとっては、普段の合唱団活動よりも気軽に参加できる体験レッスンは、思いっきり声を出して歌える貴重な場です。団員の皆さんや、私と同じように集まってくる元団員の皆さんとの同窓会のような意味もあります。また、身体の動かし方も忘れてしまいかねない中で、年に一度のリハビリの場とも言えるかも知れません。
合唱団のWebサイトを見てみると、今年の体験レッスンのテーマは「混声で二部合唱を楽しもう!」となっています。二部合唱というのは、その名の通り2つのパートに分かれて歌う合唱で、形態としては最もシンプルなものと言って良いでしょう。
これまでの体験レッスンで取り上げられてきた曲も、そのほとんどが二部合唱です。しかし、今年がこれまでと明らかに違うのは、用意されている曲目。これまでは、多くの人たちに馴染みの深い曲(と思って選曲しても、実は若い人たちには「知らない曲」だったりすることも結構あるんですが)を選んで、これを合唱曲としてアレンジした楽譜で歌っていました。今回もそんな曲はもちろんあったんですが、今年はそこに私の聞いたことのないタイトルの曲も加わって、数多く並んでいました。
これらの曲は、二部合唱のために作曲された曲でした。もともとがソロや斉唱向けに作られている曲とは違い、二部合唱というスタイルを前提に、構成を練り込んで作られているものです。合唱の醍醐味を味わう…と言う意味では、より深いものが得られそうです。
そんな意味では、今回のレッスンは今までよりもちょっと通好みに振ったプログラムと言えるかも知れません。気軽に参加してもらい、裾野を広げるのはもちろん大事なんですが、8年も続けてきたわけですし、こんな味付けもアリかも知れません。
見た目はシンプルな二部合唱の楽譜ですが、実際に演奏してみるとこれが結構奥が深いものです。実は「混声で」というのが重要なポイント。混声合唱団で二部合唱の曲を歌う場合、パートの振り分けにはいろいろなやり方が考えられます。男女それぞれを高音と低音に振り分けても良いでしょうし、女性が高音パート、男性が低音パートを歌うやり方もあります。あえて男性に高音パート、女性に低音パートを担当させるのも面白いですね。この場合、実際には同じ記譜だと男性の声は女性より実音が1オクターブ低くなるので、上下関係が逆転したりします。
今日最初に歌った「春が来た」で、1番、2番、3番とパートの割り振りを変えながら歌いましたが、全く同じ楽譜を繰り返しているのに、聞こえ方がずいぶん変わります。まるでアレンジを変えたようです。また、1コーラス目は斉唱で歌い、2番からは合唱にしてみたりすると、これまたずいぶん雰囲気が変わります。確かに二部合唱、一見シンプルな初心者向けに見えますが、なかなか面白いものです。
合唱用に書かれた曲は、ほとんどの人にとっては始めて歌う曲だったようです。それでも、各パートの旋律を確認してから合わせてみると、雰囲気で意外にぴったりはまるものです。もっとも、今回のテーマを見て、参加者の皆さんの合唱の経験値が今までよりも高めになっていたのかも知れませんけどね。
今回も、団員だった頃と比べると全然動かなくなっている身体にむち打ちながら、3時間以上のレッスンを走りきりました。楽しかったんですが、体中が筋肉痛です。今回特に感じたのは、息が全然続かなくなっていること。腹筋が落ちてきているようです。また、先日から違和感を持っている左肩もちょっと気になりました。そんな場所使っているの?という部分まで総動員した全身運動なんですよね。ただし、余計なところに力が入っているのは厳禁なんですが。
いつも、体験レッスンで「好きなパートを歌っていいよ」と言われると、副旋律の方を選んでいることが多かったんですが、今回は全体を通して高音側のパートを選んで歌いました。主旋律とは違うものを歌って、それがぴたりとハマる…という副旋律の楽しさは非常によくわかるんですが、たいてい副旋律は低音側パートなので、特に二部合唱の楽譜だと私には低音すぎるんですよね。高音になってくるほど、声がストレスなく出てきて気持ちいいのがわかります。やっぱり私の持って生まれたノドはテナーのようです。
今回も、団員の皆さんから「今年は歌わないの?」と聞かれました。勤務先が変わって、浜松に帰ってきて練習に参加するためのハードルは少しだけ低くなりましたが、それでも簡単に行かないことは変わりません。今年は家造りにエネルギーを投入しなくてはならないところで、ドラムも始めたいと思っていますし、さらに合唱までする余裕があるのか?という不安もあります。
もっとも、いつまでも「年に一度のリハビリ」なんて言っていると、本当に身体が全く動かなくなってしまいそうですし、どこかで踏ん切りを付けないことには、復帰なんて叶わない話なんですよね。さて、どうしたものか。
コメントを残す