スマートフォンのARROWS X LTE F-05Dに機種変更してから、半年ほどが経ちました。先月機種変更した妻のARROWS Kiss F-03Dともども、夫婦揃ってスマホデビューということで、日々奮闘しています。
ここまでスマートフォンと付き合ってきて、従来の携帯電話とはいろいろと違いを感じていますが、一言でまとめるとすれば、良くも悪くも、これは電話というよりもむしろ「小さなパソコン」だ…ということになるでしょう。こう書いてしまうとあまりにも月並みなフレーズで、語彙力のなさを露呈してしまうのがちょっと不満なんですが。
そもそも「小さなパソコン」という表現は、スマートフォンのことを形容するときにはしばしば使われますが、その意図するところは、従来パソコンを使っていた作業の多くが、スマートフォンでも可能だということ。同じことがちゃんと出来るのなら、外出するのにあんなに重いノートパソコンなんか持ち歩く必要はありません。私たちが持ち歩きたいのは、デジタルガジェットそのものと言うよりも、本質的には様々な作業が出来る環境なのですから。
F-05Dに機種変更してから、レッツノートを全く持ち歩かなくなりました。これまで、外出先でWebサイトの情報を確認したり、電子メールのやり取りをしたり、SSK WorldやSNS向けに原稿を執筆して投稿したりするのに、レッツノートは必須のアイテムだったんですが、スマートフォンを使えば、ほとんどの作業はちゃんとこなすことが出来ます。
もっとも、これまでと同じような快適さで行えるか?となると、これは「否」と言わざるを得ません。ハイビジョン解像度のディスプレイを持つF-05Dの場合、実は画素数ではXGA画面のレッツノート・CF-Rxシリーズを上回っているわけですが、さすがに4.3型サイズではあまりにも細かすぎて、同じ情報量を表示させてもとても読み取れません。Webサイトは、ブラウザの機能を使って拡大しながら、スクロールさせながら読むことになります。幸い、最近はスマートフォンに対応したサイトも増えてきて、ずいぶん状況は良くなっているわけですが。
文字の入力も、様々な方法は用意されているものの、パソコンのキーボードから入力するのと比べると、速度ではどうにも太刀打ちできそうにありません。このあたりをフォローするためのアイテムとして、最近気になっているのがBluetooth接続の小型キーボード。たとえ標準サイズよりも大幅にピッチが小さくても、QWERTY配列の物理キーボードがあれば、入力効率はずいぶん良くなると踏んでいます。ただ、どうも私の感性にフィットするスタイルとリーズナブルな価格を両立する製品がないのが現在の悩みです。
これらの不便さを加味した上で、やっぱりレッツノートは持ち歩かない…というのが現在の選択ではありますが、デスクトップ機とほぼ同レベルのWindows 7環境を持ち運べる最新型機になれば魅力は十分で、また選択は変わるのかも知れません。しかし、次期OSのWindows 8はタブレットやスマートフォンにずいぶんすり寄っていく方向に開発が進みましたから、将来的にはやっぱりパソコンの存在感は危うくなっていくような気がします。
アプリのインストールで機能が追加できるのも、スマートフォンのパソコン的な部分のひとつです。Android用に提供されているアプリもずいぶん増えているようですが、中身を見てみると、ブラウザーからスマートフォン用Webサイトとして提供するのとほぼ変わらないか、むしろ劣る機能しか提供できていなかったりして、アプリにすることに意味があるのだろうか?と思うものも少なくありません。「スマートフォンと言えばアプリ」というイメージに乗ろうとする意図はあるのでしょうけど。
mixiやFacebookにも、それぞれAndroid用アプリが提供されていますが、一方でスマートフォン用のWebサイトデザインもしっかり用意されていて、Webサイトで利用した方が機能面でも充実しているようです。アプリの利点があるとすれば、バックグラウンドで常駐してメッセージ等を通知できることですが、これもWebサイト+メールによる通知でも実現可能で、どちらがより快適に使えるのか、まだ見極めが出来ていません。
もちろん、ちゃんとWebサイトを超える機能を持ったアプリはたくさんあります。現在、私がプリインストール以外で導入したアプリで唯一活躍していると言って良いのが、スケジュール管理の「ジョルテ」。システム手帳ライクな見やすい画面が魅力です。あとは、ゲームアプリも体験版をいくつかインストールしてみましたが、熱中するあまり通勤電車を乗り越しては大変だ!と思い、実はほとんど遊べていません。
以前からの趣味である作曲に使える、音楽制作が行えるアプリもいくつか出ています。しかし、どれもどうも出来が良くありません。何よりストレスが溜まるのが、音がリアルタイムで出てこないこと。どうやらAndroidのOSとしての構造上の問題で、タッチパネル操作に合わせて音を出す…という動作はちょっと難しいようです。
小さなパソコン…と言っても、必ずしも良いことばかりではなく、ちょっと困ったことまでパソコンに近づいてしまった点がいくつかあります。劇的なまでのバッテリーライフの短さもそのひとつ。どうも根本的な対策は見当たらず、追加充電用のバッテリーを常に持ち歩き、暇つぶしにいじるようなことはせず、なるべく必要なときだけ使うようにしています。
もうひとつ気になっているのが、意外に頻繁に再起動を繰り返すこと。平均すれば1日に1回以上は、こちらが何も操作をしていないのに突然起動画面に戻ってしまいます。これについては、パソコンに近づいたどころか、安定性ではパソコン以下。もっとも、パソコンとは違い基本的に常時動作状態でいなくてはならない通信端末ですから、不利な点もあるのは了解しているつもりなんですが、それにしてもちょっとひどすぎる気がします。このあたりは、ソフトウェアのアップデートで何とか改善して欲しいものです。
そういえば、F-05DのAndroid 4.0へのバージョンアップの提供が、近いうちに行われるはずです。OSのバージョンアップが話題になってしまうこと自体、パソコンの文化そのものですよね。
先日も話題にしたわけですが、メリット・デメリットやリスクを見極めて、導入するかどうかは判断したいと思っています。パソコンのように複数台を所有して冒険が出来る状況ではありませんからね。今や携帯電話は生活必需品です。そう考えると、スマートフォンを個人輸入で購入し、頻繁にOS周りをいじっているらしい弟・ささっちは結構勇気があるな、と思うわけですが。
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